ロバート・レッドフォードとは?俳優・監督・育成者としての魅力〜ハリウッドを代表する二枚目スターから映画界の改革者へ

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ロバート・レッドフォードとは?
ハリウッドを代表する二枚目スターから映画界の改革者へ

今回のムービーダイアリーズは、俳優、監督、製作者、そして映画祭発起人と起業家としての才もある映画人『ロバート・レッドフォード』の人物に迫ってみたいと思います。

1969年公開の『明日に向かって撃て!』の鮮烈デビューから活躍を重ね、2018年公開『さらば愛しきアウトロー』が引退作となった俳優ロバート・レッドフォード。その人となりを解き明かしてみます。


レッドフォードといえばこの映画

そんなふうに映画産業に影響与えたロバート・レッドフォードですが、若い映画ファンはピンとこない方もいると思います。

シンプルに「レッドフォードって何に出た人?」って言われたら、ぼくは迷わずこの一本を上げます。

『明日に向かって撃て!』

もちろん他にもたくさんの映画に出ている名優ですが、『明日に向かって撃て!』でのサンダンスキッド役は初主演作と思えないオーラです。


レッドフォードの経歴、才能、努力、そしてカリスマ性

経歴

ロバート・レッドフォードの本名はCharles Robert Redford Jr.といいます。

コロラド大学を一年で中退。以後、絵画の勉強のためヨーロッパに渡り一年後に帰国。以後、舞台美術勉強の為、アメリカ演劇アカデミーに入学しましたが、役者志願に転向。

ブロードウェイの舞台に立ったものの最初は泣かず飛ばず。しかし次第に注目されるようになり、1962年「戦場の追跡」で映画デビューをはたします。

人気を決定的にしたのは1969年のジョージ・ロイ・ヒル監督の映画「明日に向って撃て!」出演でした。

ポール・ニューマン、キャサリン・ロスと共演した「明日に向かって撃て!」は大ヒットし、その出演料でサンダンス・プロを設立。それが母体となり、その後、サンダンス・インスティテュートを設立します。サンダンス映画祭はロバート・レッドフォードの映画人としての良心が立ち上げた映画祭といってもよいでしょう。

以後、アメリカの代表的なスター俳優として活躍、1980年には初監督作品「普通の人々」でアカデミー監督賞を受賞。俳優のみならず監督としての才能も開花させました。

その後は俳優と映画監督の二本立てで活躍しています。

ヨーロッパ放浪時代に結婚し、58年以来のパートナーだったローラ夫人とは88年に離婚。四児がいます。


その才能

演技と知性

レッドフォードは、自然で説得力のある演技で知られています。彼は、幅広い役柄を演じ分け、観客を魅了してきました。

さらにはそのルックスです。レッドフォードは、その端正な顔立ちと雰囲気はハリウッド指折りの2枚目俳優と言っても良いでしょう。年老いてなお、その笑顔にはやられてしまいますね。

また、理知的な空気も彼独特のものでしょう。それは、俳優としてのセンスと生まれ持った高い知性の融合からくるもののような気がします。

真摯・センス・環境保護

レッドフォードは、演技に非常に献身的な俳優として知られています。役作りの真摯さには定評があると言われています。ともすれば人気の陰に忘れてしまいそうなその真摯さをどこまでも持ち合わせているとの評価があります。

また卓越したビジネスセンスもまたレッドフォードの名を世間に知らしめている理由の1つでしょう。成功した映画監督、プロデューサー、起業家でもあります。

さらにはレッドフォードは、環境保護活動家としても知られています。彼は、自分の「影響力」を理解した上で、地球環境保護運動にも身を投じています。


カリスマ性

レッドフォードが、カリスマ性を持つ人物であることに異論を挟む人はいないでしょう。

そのカリスマ性は、いったいどこからきているのでしょう?

一つは「自信」でしょう。それは初主演作での演技初め他の作品からも滲み出ています。 レッドフォードの持つ自信が、周りを惹きつけるのでしょう。

もう一つは、誠実さではないでしょうか?

俳優以外の活動を俯瞰すると、レッドフォードは自分のこと以上に、若手や後進を育む活動に時間を割いていることがうかがえます。そうした姿から垣間見えるのは、誠実さ、です。多分にその誠実な人柄が信頼と結びつき、ひいてはカリスマ性へと繋がっているのだと思います。

影響力

レッドフォードは、1960年代から現在まで、常に第一線で活躍してきた俳優です。彼は、その時代を象徴する人物であり、映画を通して多くの人々に影響を与えてきました。またレッドフォードは、演技以外にも絵画の才能も持ち合わせているといいます。

演技力、カリスマ性、サンダンス映画祭のプロデュース力、アーティスト精神、、、それらが複合的に作用し、ロバート・レッドフォードを長年にわたって人気アクター以上に人間として大きな器の人物として存在せしめました。間違いなく彼は、世界にさまざまな影響を与えたハリウッド出身の人物の一人と思います。


出演作

ロバート・レッドフォードは、長年にわたり数多くの映画に出演してきましたので、一覧表にしてみました。

公開年 作品名
1965年 サンセット物語
1966年 雨のニューオリンズ
1969年 明日に向って撃て!
1969年 白銀のレーサー
1969年 夕陽に向って走れ
1972年 大いなる勇者
1972年 候補者ビル・マッケイ
1973年 追憶
1973年 スティング
1974年 華麗なるギャツビー
1975年 コンドル
1976年 大統領の陰謀
1977年 遠すぎた橋
1979年 出逢い
1984年 ナチュラル
1985年 愛と哀しみの果て
1992年 スニーカーズ
1996年 アンカーウーマン
2001年 スパイ・ゲーム
2013年 オール・イズ・ロスト 〜最後の手紙〜
2014年 キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー
2015年 ニュースの真相
2017年 夜が明けるまで
2018年 さらば愛しきアウトロー



監督作品

公開年 作品名
1980年 普通の人々
1992年 リバー・ランズ・スルー・イット
1994年 クイズ・ショウ
1998年 モンタナの風に抱かれて

製作・製作総指揮作品

作品名
モーターサイクル・ダイアリーズ

主な受賞歴(主なものだけです)

対象作品/内容
1965年 新人俳優賞 サンセット物語
1970年 英国アカデミー賞 主演男優賞 明日に向って撃て! / 夕陽に向って走れ / 白銀のレーサー
1980年 アカデミー賞 監督賞 普通の人々
1980年 ゴールデングローブ賞 監督賞 普通の人々
1980年 全米監督協会賞 長編映画監督賞 普通の人々
2013年 ニューヨーク映画批評家協会賞 主演男優賞 オール・イズ・ロスト 〜最後の手紙〜



サンダンス映画祭と若手映画人の育成

レッドフォードの功績で忘れてはならないのが、サンダンス映画祭です。

1980年代、彼は大作主義に偏るハリウッドに対抗し、ユタ州で「サンダンス映画祭」を創設し、インディペンデント映画や若手監督に活躍の場を与えました。「サンダンス映画祭」からクエンティン・タランティーノ、スティーヴン・ソダーバーグ、ケヴィン・スミスなど、多くの才能が開花していきました。

つまりレッドフォードは、自らスターであると同時に、映画界を次の世代へつなぐ「育ての親」でもあったのです。

ロバート・レッドフォードの魅力をひとことで言うなら「ハリウッドの二枚目スターから、映画界の育成者へ」

華やかなスクリーンの顔と、誠実で社会派な人柄。俳優・監督としての実績だけでなく、未来の映画人を支えた功績も含めて、まさに映画界のレジェンドと呼ぶにふさわしい人物だと思います。

まとめ

ロバート・レッドフォードは、俳優として『明日に向って撃て!』『スティング』『大統領の陰謀』など数々の名作に出演し、監督として『普通の人々』『リバー・ランズ・スルー・イット』で高い評価を得、さらにはサンダンス映画祭で次世代の才能を育ててきました。

映画界にとって彼の功績は計り知れません。

スターであり、表現者であり、教育者でもある。そんな稀有な存在がロバート・レッドフォードなのです。






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