『プロメテウス』ネタバレ考察・感想・評価レビュー|続編『エイリアン コヴェナント』へ続くSF映画をシリーズ全時系列まで紹介

スリラー・SF・アクション

『エイリアン』シリーズ5作目の『プロメテウス』は、一作目の『エイリアン』と同じ監督、リドリースコットによって作られた映画です。生みの親リドリーによって『エイリアン』との関連が解き明かされるかも!という期待で観てみました。

ネットで評価を見ると「ひどい」との声も見受けられる作品ですが、果たして??

あらすじから、第1作との関係や、その後『プロメテウス』続編として作られた『エイリアン:コヴェナント』との関係も見渡しながらのレビューです。



『プロメテウス』配信先は?

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『プロメテウス』のネタバレあらすじです(閲覧注意)

映画冒頭、人間を創った異星人「エンジニア」の存在が漠然と明かされ、ショウ博士以下10数人の探査チームが、そのエンジニアの星を目指す。

星にたどり着く探査チームメンバーの先遣部隊。彼らは巨大な遺跡を発見し、内部を踏査する。

しかし、生命反応は、ない。転がっていたのは化石化したようなエンジニアの死体だ。

エンジニアたちはすでに何者かに滅ぼされていたのだ。

探査チームメンバーの一人、アンドロイドのディヴィッドは、エンジニアたちを滅したその何者か=エイリアンの存在を探り当て、こっそりと乗組員にエイリアンの株を移植する。

乗組員は寄生株として体内で発芽、乗組員の肉体は別の生命体に乗っ取られてしまい、乗組員リーダーの手によって、火炎放射器で焼き殺される。

しかし、ショウ博士もまたエイリアンの幼体を体内に抱えていた。自らの腹部に帝王切開オペをほどこし、体外に寄生体を排出させるショウ。

そんな最中、探査船では、アンドロイド・ディヴィッドの生みの親でもある、探査チームを送り込んだ、老いたボスが乗り組んでいたことが明かされる。

「不滅の生命をエンジニアから聞き出したい」

そう語るボスは、不滅の命を手に入れるべく、ただ一人遺跡の中の冬眠ポッドに生き残っていたエンジニアを解凍する。

しかし、エンジニアは人間の理解の及ばぬ存在だった。

一撃で倒されるボスはじめ人間たち。そして首を引き抜かれ破壊されるディヴィッド。

辛くもショウは遺跡から逃げ出す。

一方、目覚めたエンジニアは、高射砲のような台座に座り、何らかのシステムを起動させる。

遺跡と思っていたそれは、想像を越えた大きさの巨大宇宙船だった。

荒野が割れ、エンジニアの操縦する宇宙船が浮上する。目指すは地球らしい。

宇宙船内には多数のエイリアンの株があることを知ったショウは、探査船に待機している船長に伝える。「なんとしても地球に宇宙船が向かうのを阻止して!」

船長と乗組員の3人は、命をかけて、探査船を母船に体当たりさせる。

爆発しながらショウの頭上に墜落する宇宙船。

からくも墜落してきた宇宙船から逃げ延びたショウ博士は一機のポッドにたどり着くが、、墜落から生き残っていたエンジニアが現れる。そしてショウが自らの腹部から取り出したエイリアンもまた巨大に成長していた。

エイリアンとの最後の戦いを乗り切るショウ。

しかし、すでに仲間は誰も生き残ってはいない。絶望するショウ。

その時、イヤパッドに首を引き抜かれたデイヴィッドの声が響く。

「私を助けてください。私がもう一機のエンジニアの宇宙船を操縦できる。ここから脱出しましょう」

程なく、一機の母船が、星から宇宙へ向けて脱出していく。

物語は終わるかと見えたが、星には新たなエイリアンが誕生していた

以上、かいつまんでの『プロメテウス』のあらすじでした。




『プロメテウス』本編続編『エイリアン・:コヴェナント』との関連は?

ブログ冒頭でも書きましたが、『プロメテウス』は、続いて作られた『エイリアン:コヴェナント』への流れをもつ連作映画です。

物語上、その間に十数年の時が流れていますが、「2本で1本」と考えて良いです。

登場人物ショウ博士の存在は、2作にまたがって描かれますし、同じ顔のアンドロイドが旧型、新型で登場し、『エイリアン:コヴェナント』では善と悪の象徴にもなります。

2本見て「よりスッキリ」となる映画かもしれません。少なくともぼくはスッキリしました。

『エイリアン:コヴェナント』は別記事で取り上げていますので、よかったらどうぞ。



『エイリアン』の監督による続編。その見どころ。

第1作『エイリアン』とどう繋げたか?

『エイリアン』シリーズ第一作目の監督は、本作『プロメテウス』と同じリドリー・スコットです。

『エイリアン』は1979年に撮られた映画で、もはやクラシックムービーのジャンルに入るかもしれませんが、今観てもすごいです。

ちなみにリドリー・スコット監督にとって『エイリアン』は、映画デビュー2本目の長編映画なのです。

公開当時は、映画好きの間では「『エイリアン』、見た?半端なくすごいよね~!すんごい映画だけど、ところで監督のリドリー・スコットって、誰??」みたいな感じでした。

過去のどんなSF映画でも見たこともない世界観だったので、それはもうたまげました。

見てもらうとわかるのですが、その世界観は、エイリアンクリーチャーデザインや異星人の宇宙船造形デザインを手がけたH・G・ギーガーによるところも大きいです。

でも、そのギーガーに依頼したリドリー・スコットもまたすごかったわけです。

スターウォーズがSF映画ジャンルでSF世界観を根っこからひっくり返した時代です。スターウォーズにパンチもらった当時の映画ファンは、さらに続けてリドリー・スコットからアッパーカットを食らったような感覚でした。少なくともぼくはそうでした。

『プロメテウス』の見どころの一つは、リドリー・スコット監督が、「1作目と本作をどう繋いだか?」にあります。

映像に、1作目ほどの衝撃はぼくは感じませんでしたが、1作目と本作の「つなぎ」をあちこちに探す楽しみがありました。



第1作『エイリアン』の謎あかし

『エイリアン』第1作で登場する、高射砲のような、男根のような巨大造形物(遺跡とも思わせられる)が、30年以上経って、『プロメテウス』でもしっかり描かれ、その存在の意味までが明らかにされます。

第1作に登場するその「高射砲みたいなの」がなんなのか、実は第一作ではわからずに終わったのですが、30年以上経って「実はね、こういうことだったのさ〜」と、パッとカーテンを開けられたような感がありました。

『プロメテウス』を見たなら、ぜひ、第一作『エイリアン』を観ることをおすすめします。(当ブログレビューはこちらです)

「そっか!なるほど、こう繋がらせたのか」とわかると思います。




アンドロイドに託されたエイリアンシリーズの隠れテーマ

そうそう、劇中に大切な役割でアンドロイドが登場しますが、アンドロイドについてもそれは言えます。

第1作・2作目でもアンドロイド(プロメテウスとは別タイプ)が登場し、ストーリー展開で大事な役割を果たしています。

ここに、エイリアンシリーズを貫く一つのテーマが見えます。

それは、「人間が作り出した創造物」が「人間を脅かす存在となり得る」という隠れたテーマです。

映画に登場するのは、人間とアンドロイド、そしてエイリアンという3つの「創造物」です。

「被創造物が、生み出した創造主を脅かす」…って何かで見たり読んだ理したことはありませんか?

フランケンシュタインです。

ぼくは、エイリアンシリーズは、未来に舞台を置き換えたフランケンシュタインサーガだと思っています。



『プロメテウス』ネタバレ解説~エンジニアって?

『プロメテウス』には、「エンジニア」と呼ばれる人間型異星人が登場します。人間を作り出した異星人という設定です。

極めてすごい存在なわけですが、映画上のネーミングを「創造主」ではなく「エンジニア」としたところが、ぼくはいいな、と思いました。

リドリー・スコット監督は、自身の映画にどこか「キリスト教」の匂いを良きにつけ悪しきにつけ、漂わせます。

「エンジニア」という名前を採用することで、監督は「決して異星人は神ではない!」という意図を示したのではないかと僕は思っています。(多分監督はクリスチャンでしょうから)

また本作で登場する「エンジニア」は続編『エイリアン:コヴェナント』でも別の形で出てきます。

なのでやはり『プロメテウス』と『エイリアンコヴェナント』は「2本で1本」なのですね。




『プロメテウス』酷いコメントもあるけど、ぼくの評価は?

「わけわかんない」という口コミや酷評も多々見受けられる『プロメテウス』です。

ぼくも「あれ?このシーンって、どうなってるん?」となったり、

「登場人物、こんな設定じゃ、あんまりなんじゃない??」

「そんな状況で都合よく助かる訳ないでしょう。ムリ!」

って思ったところもいくつかありました。

ついでに言うと、洋画の場合、宗教観の違いが映画の評価にかなり影を落とすと思います。

ぼくの宗教観は、いたって日本人的宗教観です。(浅く広くなんでもあり…ってことです)

本作で出てしまった…というかぼくが感じてしまった「キリスト教」の影は、あまり好きではなかっです。

タイトル自体がギリシャ神話のプロメテウスに由来しているあたりも実に西欧的で、東洋人のぼくはイマイチ引いてしまうタイトルでもありました。

全体通してリドリー節は生きていますので、「酷評!」とまではしませんが、「第一作から30年も経ったのに、よくも頑張って作った映画…」という評価としておきます。




『エイリアンシリーズ』の時系列を一挙紹介!

ここで、エイリアンシリーズって、時代はどういう順番なの?って思っている方、多いと思います。ぼくもわからなくなってきましたし(笑

なので調べてみました。

以下が『エイリアン年代記』です

1作目の『エイリアン』は時代設定が2122年。

2作目『エイリアン2』はそれから57年後の2179年。

3作目『エイリアン3』はそのまた後(主人公は1.2と変わらずリプリー(シガニー・ウィーバー)ですが、時代は明確にわからず…2200年くらいか?)

4作目『エイリアン4』はその400年後(!)ということで…2600年くらい??(….もはや、すっ飛んでます)

5作目が本作『プロメテウス』ですが、設定は2089年。意外にもブログで書いている現在から、そんな遠い未来の話でもありません。

6作目『エイリアン:コヴェナント』の設定は『プロメテウス』から15年後の2104年。

というわけで、時代順は、『プロメテウス』→『エイリアン:コヴェナント』→『エイリアン』→『エイリアン2』→『エイリアン3』→『エイリアン4』の時系列なのでした。

ちょっとびっくりしますよね。

第1作『エイリアン』の方が『プロメテウス』『エイリアン:コヴェナント』よりもあとのお話なのでした。

「洋画専門チャンネルザ・シネマ」さんが、わかりやすく『エイリアン』シリーズの繋がりや設定、エイリアンのタイプなどを解説していますので、ご一読をオススメします。

エイリアン コヴェナント公開連動 エイリアン シリーズ完全解説 | 洋画専門チャンネル ザ・シネマ
2017年9月、新作『エイリアン:コヴェナント』公開にあわせてザ・シネマではシリーズ過去全作を総力特集。同時に徹底解説を試みる。

 




監督・リドリースコットの他の映画は、以下、別記事で取り上げています。よかったらどうぞ!

『エイリアン』

『エイリアン:コヴェナント』

『ブラックホークダウン』

『グラディエーター』







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