『エイリアン』解説|一作目のあらすじ考察レビュー|新作『ALIEN :Romlus』予告記事まで

スリラー・SF・アクション

こんにちは!映画好き絵描きのタクです。今回レビューする映画は、SFクリーチャー作品『エイリアン』です。続編に次ぐ続編が次々作られシリーズ化されている名作です。




『エイリアン』シリーズは2023年現在、6作品作られていますが、一作目の『エイリアン』はリドリー・スコットが監督作品。1979年の映画です。

『エイリアンVSプレデター』のようなスピンオフ作品も含めると、なんとびっくり9作品!です。そんな大人気SFホラーエイリアンシリーズは、この『エイリアン』から始まりました。

もはやクラシックのジャンルに入るかもしれませんが、30年以上経った今観ても、やはりすごい。

「すごい」というチンプな言葉しか思い浮かびませんが、ほんと、すごい!(また言ってしまった)古さなんて感じさせません。過去、テレビ放映やビデオで何度も観ている映画ですが、そのたび『エイリアン』一作目のグレートさを実感します。

公開から34年経ち、なんとなんと新作公開情報まで入ってきた2023年に配信で再見。あらためて何がスゴイ!のか?見どころを徹底解説レビューしてみます。



 




『エイリアン』シリーズ1作目の配信先は?

まずは配信情報を。配信先は2つのサービスです。(2023年9月現在)

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『エイリアン』新作情報!

2024年に『エイリアンシリーズ』の新作『ALIEN :Romlus』が公開されるようです!予告編も公開されました。

「映画.com」さんから新作公開情報を以下転載しますね。

SFホラーの金字塔「エイリアン」のスピンオフ映画「Alien: Romulus(仮題)」がクランクアップしたことを、フェデ・アルバレス監督がSNSで報告した。英Digital Spyによれば、これからポストプロダクションに入り、2024年8月16日に全米公開される。

リドリー・スコット監督による1979年の映画「エイリアン」は、地球への帰路についていた宇宙船ノストロモ号の船内を舞台に、未知の生命体に寄生された乗組員たちの壮絶なサバイバルを描き、その後ジェームズ・キャメロン監督による「エイリアン2」からクロスオーバー作品「エイリアンVS.プレデター」まで、シリーズ5作品が製作された。また、2012年には第1作を手がけたスコット監督自らの構想による前日譚映画「プロメテウス」が、17年にはその続編「エイリアン コヴェナント」が公開された。

スコット監督プロデュースのもと、「ドント・ブリーズ」「蜘蛛の巣を払う女」のアルバレス監督がメガホンをとる新作は、これまでのシリーズ作品とは異なり、軍人でも科学者でもないごく平凡な若者たちを主人公に、宇宙の彼方にある植民地化された惑星でかの有名なエイリアンこと“ゼノモーフ”の集団に襲われる恐怖が描かれるようだ。脚本は、アルバレス監督と長年の創作パートナーであるロド・サヤゲスが共同執筆。キャストにはイザベラ・メルセド(「トランスフォーマー 最後の騎士王」「スイートガール」)、デビッド・ジョンソン(「インダストリー」)、ケイリー・スピーニー(「メア・オブ・イーストタウン ある殺人事件の真実」)、アーチー・ルノー(「暗黒と神秘の骨」)といった若手俳優が結集している。

Romlusって、なんだろう?と調べてみたけど、伝説上の古代ローマの建設者、と、出てきます。軍神マルスの双生児の兄、とも。弟と協力してローマを作った伝説の男らしい。

うーん、さっぱりわかりません。

リドリー・スコットは『グラディエーター』撮ったり、史劇『エキソダス神と王』手がけたらしているくらいなので、なんとなーく、古代史にヒントがありそうではあります。…なんとなーくです。当てにはしないでくださいね。



『エイリアン』一作目の見どころと考察

リドリースコットは1979年、SF映画の世界をひっくり返した

さて、話題を本題に戻します。第1作の『エイリアン』です。

今となっては誰もが知っている『エイリアン』。その一作目の監督は泣く子も黙る巨匠リドリー・スコット。

ですが実は『エイリアン』を撮った時は彼のキャリアの中で長編映画2本目。言うなれば、当時まだ駆け出しでした。

1970年代の映画界は、SFXもまだ今ほど広まっておらず、宇宙船は模型使っての特撮が定番の時代です。しかしリドリー・スコットは、そんなことを思わせないパーフェクトな世界観を作り上げています。

公開当時映画好きの友人とはこんなことをよく話してました。

「ところでさ、『エイリアン』、見た??半端なくすごいよね!すんごい映画だけど、ところで監督のリドリー・スコットって、いったい、誰?」みたいな感じでした。

当時はスターウォーズ・エピソード4が「SF映画」を根っこからひっくり返した時代です。スターウォーズにパンチもらった当時の映画ファンは、さらに続けてリドリー・スコットからアッパーカットを食らったような感覚でした。少なくともぼくはそうでした。

『エイリアン』は今は当たり前のように観ちゃうかもしれませんが、当時はどんな映画にも描かれなかった「異世界」でした。

では、そのエイリアンワールド一作目のぼく的「ゾッコンゾーン」を書いていこうと思います。




『エイリアン』って、何?その正体は?

エイリアンってタイトル、どういう意味かというと、「異星人」です。

普通、辞書には「外国人 在留外人」と出ていることが多いです。次に出てくる言葉が「異星人 宇宙人」です。

もちろん映画の『ALIEN』は「言葉が通じない、どう接していいかわからない異星人」という意味合いが強いと思います。

『エイリアン』はそんな異星人が人間を襲う物語ですが、かつてSF映画でなかった、見事なまでに気持ち悪い造形です。

ちなみに裏設定ではその異星人クリーチャーには「ゼノモーフ」というネーミングが与えられています。

『エイリアン』の世界の有機的ダーク感=「光と影の怖さ」は一作目で生まれた。

『エイリアン』の世界は、「光と影」が独特です。

そして「全体像がよくわからないバケモノクリーチャー」は、過去どんなSF映画でも見たことないシロモノでした。

ここからは、なぜ『エイリアン』が怖いのか?に触れてみます。

見どころ1 「光と影」

『エイリアン』の見どころの一つは、「光と影」です。

実は第一作の『エイリアン』の怖さは、ほとんど『エイリアン』が出てこないところにあります。

映画の舞台となるのは、前半は謎の宇宙船のような巨大構造物。後半は貨物船船内の通路や換気口です。

どちらも「光と影」を徹底的に意識して、「え?暗くて何がどうなってるんだかわからないよ…」となるギリギリの線でカメラが回っています。

そうして生まれたのが、「エイリアンがどこに潜んでいるのか、わからない」という恐怖感です。

『エイリアン』が実際に登場するシーンをストップウォッチで測ったら、「あれ?こんなに短いの??」となるに違いありません。

結果、観客は想像を逞しくしてスクリーンに引っ張られます。怖く感じるのは、観客の心に中に掻き立てらる「何が光と影の狭間から飛び出してくるかわからない』見事な演出がなされているから、です。

だから、怖いんです。




見どころ2 「ヌメリ感」

『エイリアン』の見どころ二つ目、それは、「ヌメリ感」です。

主人公たちが乗っている宇宙貨物船ノストロモ号の内部デザインは、デザインも色も、どこか「ヌメリ感」があります。

そのぬめっとした感じは、後半クライマックス、船内の狭い内部で主人公ら乗組員に襲いかかるエイリアンの「ヌメリ感」に繋がっています。

そう、『エイリアン』の恐怖感を高めること前提に、ノストロモ号はデザインされているのです。



見どころ3 H・R・ギーガーの生み出した造形

『エイリアン』の見どころ三つ目、H・R・ギーガーの生み出した有機的怖さ。

一作目の『エイリアン』で、エイリアンのクリーチャーデザインや異星人の宇宙船造形デザインを手がけたのは、伝説的イラストレーター「H・R・ギーガー」です。

当時ギーガーはイロモノ系クリエイター(失礼!)とみなされていたようです。それでも、「クリーチャーデザインは彼しかいない!」とH・R・ギーガーに白羽の矢を立てたリドリー・スコットもまたすごかったわけです。

リドリースコットが、ギーガーにこだわらなければ、『エイリアン』はもちろん、後に続くシリーズもなかったんじゃないか、と、ぼくは思います。

『エイリアン』第1作で登場する、異星人の有機的な構造物や、男根を想像させる高射砲のようなコクピットは、その後のシリーズにしっかり引き継がれるわけですから。(30年以上経って、5作め『プロメテウス』でもそのギーガーデザインの異星人=エイリアンワールドはしっかり描かれ、その存在の意味までが明らかにされています)

第1作『エイリアン』に登場するその「高射砲みたいなの」がなんなのか、実は第1作ではわからずに終わったのですが、30年以上経って「実はね、こういうことだったのさ〜」と、パッとカーテンを開けられたような感がありました。

 見どころ4 『エイリアン』のグロさの本質

『エイリアン』の見どころ4つ目。

『エイリアン』はグロい映画と思われてるけど、ぼくはそんなにグロいとは思わないんです。

確かに寄生された乗組員(ウィリアム・ハート)がチェストハガーに胸部を食い破られて絶命、胸から顔出したエイリアン幼生がキョロキョロするシーンがあります。

ですが、いわゆる「血シブキ肉片とびまくるスプラッター系映画」の「グロさ」に比べると、そんな表現は、実〜にカワイイもんです。

他のシーンでも、「垂れる血を逆光で捉える」とか、「悲鳴だけで姿は見えない」と、見せない怖さがすごいんです。

役者の演技と、監督の演出、撮影のワザが冴えまくってるので「ああ、ヤラレタ…」=「グロい」と感じてしまうんだと思います。



見どころ5 「戦う主人公たちは貨物船の乗組員」

『エイリアン』と戦うのは貨物船の乗組員です。戦う特殊技能を持っていません。そこが怖さのポイントです。

主人公の二等航海士リプリー(シガニー・ウィーバー)はじめ、登場人物は船長、操舵手、機関長、機関員といった、ごくごく普通の人です。貨物船を持つ会社に契約で雇われている、いわゆる契約社員。戦いのプロフェッショナルではありません。

突然冷凍睡眠から叩き起こされた彼らに、「惑星を最優先に探査しろ」との会社指令が下ります。

当然乗組員は反発します。「それって契約外のことじゃないか!」と。

ですが、「ほう、じゃあ給料出さないぞ」と脅される。

このあたりのやりとりが「普通」で良いです。そして、スーパーマンではないその普通の人間たちが、いやいやながら、そして「怖がりながら」戦うことになっていくのです。

見どころ6 『エイリアン』と戦う武器は、ありあわせ

『エイリアン』1作目は、武器だってさほどありません。なんといってもノストロモ号は「貨物船」ですから。戦うための船ではないのです。

彼らは仕方なく戦うことになってしまい、まずはありあわせのものでエイリアンを探し出す探知機を作ります。

さらにその辺に転がっているパーツを寄せ集め、ほとんど槍に近いかわいそうな代物をこしらえます。劇中最強の武器の「火炎放射器」でさえ、燃費の良くない手作りです。

そんな最弱兵器でエイリアンに立ち向かう。その設定が素敵すぎます。

以上五つの見どころを挙げてみました。

SFホラーの原点といっても良い『エイリアン』のシナリオは、そんな計算され尽くした見どころを詰め込んだゆえ、傑作ムービーとなったのです。




『エイリアン』僕の評価は?

ここまでブログを長々と書いたくらいです。『エイリアン』一作目は満点ムービー、「ムービーダイアリーズ」映画の殿堂入り♩決定です。



『エイリアン』第一作目のあらすじです

さて、ここまでぼくなりの『エイリアン』見どころを紹介してきましたが、あらすじも書いておきますね。

「観てみたいな」と思ったら、ネタバレありますから、以下あらすじはすっ飛ばして、そのまま配信にゴーしてください。

以下、「あらすじ、簡単に知ってから観るかどうか決めるよ」と思った方のためのざっくりストーリーです。



*   *   *

時は2122年。広大な宇宙空間のどこか、一隻の宇宙船が闇を進む。

ウェイラン社の宇宙貨物船「ノストロモ号」だ。

船長以下7名の乗組員は、冬眠状態から突然起こされる。AIが惑星を探知。その惑星を探査せよとの命令が下る。

貨物船乗組員たちは、給料外だと突っぱねるが、ウェイラン社の契約条項をタテにされ、船長のダラスはじめ3人が、やむなく惑星へ降りることになる。

惑星に横たわる巨大な構造物。有機的な建物の中、航海士のケインが卵らしき物体を発見、突然飛び出した謎の生物がヘルメットマスク張り付き、気を失う。

気を失ったギルバートを船内に運び込もうとする探査チーム。

二等航海士リプリー(シガニー・ウィーバー)は感染の可能性を指摘し船内に入れることを拒むが、科学主任のアッシュが扉を開け、内部に入れる。

ケインのヘルメットに張り付いていた生物(エイリアン・フェイスハガー)はすでにガラスを溶かし彼の顔に張り付いている。彼は気を失ったままだ。

なんとか生物を引き剥がそうとするが、ナイフを入れた足部から飛び散った体液は、金属をも溶かす強度の酸ということが判明する。

時間がたち、いつの間にかケインの顔から生物は失せ、目を覚ますケイン

ケインの無事を喜びテーブルを囲み朝食をとる船員たち。

と、突然胸をかきむしり、もがき苦しむケイン。抑え込む仲間たちの目の前で、ケインの胸が内側から破れ、謎の生き物(エイリアン・チェストバスター)が顔を出す。

慌てふためく乗組員をよそめにエイリアン・チェストバスターは船内に身を隠してしまう。

チェストバスターを放っておくわけにはいかない。

船員たちは捕獲しようと船内を探し回るが、抜け殻を見つけた機関士サミュエルは脱皮し成長したエイリアンの手にかかってしまう。

即席で作った火炎放射器を武器に船長ダラスが通風孔内でエイリアンに立ち向かうが、絶叫が響く。

船内に残されたのは、リプリー、アッシュ、操舵手のランバート、機関長パーカーだ。

惑星探査命令からの、ことになりゆきを不審に思ったリプリーは、AIに対して社命の真意を問いただすが、ブロックされる。怒りと絶望のリプリーの前に、奇妙な表情のアッシュが現れる。

もみ合いになるリプリーとアッシュ。止めに入りアッシュを倒すデニス。その場でアッシュはアンドロイドだったことが判明する。

残るはもはや3人のみ。エイリアンはどこに潜んでいるのか?

リプリー、ジョーン、デニス3人は、貨物船を捨てることにする。船をエイリアン共々爆破し、脱出艇で逃げ延びようという計画だ。

3人は母船爆破の準備に取り掛かるが…。




『エイリアン』シリーズ他作品レビューはこちら

全6作のシリーズですが、リドリースコット監督による他の『エイリアン』を別記事でレビューしています。よかったらご覧ください。

『プロメテウス』

『エイリアン・コヴェナント』

 

主演女優シガニー・ウィーバーのことは以下で書いています。

『シガニー・ウィーバーのこと』



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