『プライベート・ライアン』レビュー
戦争映画の金字塔を徹底考察|なぜ手が震える?実話?タイトルの意味からアパムはなぜ嫌われるのか?まで徹底解説
こんにちは!映画好き絵描きのタクです。
今回レビューする作品は、スティーブン・スピルバーグ監督の『プライベート・ライアン』です。(1998年公開・アメリカ映画)

このレビューでわかること
・実話か?
・原題『Saving Private Ryan』の意味は?
・グロい?気まずい?
・あらすじは?
・なぜミラー大尉の手が震えるのか?
・なぜアパムにイラつくのか?
・評価は?
・撮影秘話
映画の舞台は第二次世界大戦ヨーロッパ戦線。歴史の大転換となった1944年6月6日に決行された「ノルマンディ上陸作戦から数日間の兵士たちのリアル」を描いた戦争映画です。
トムハンクス演じる小隊長ミラー大尉と部下たちに下されたある命令。
それは「戦場のどこかにとり残された一人の二等兵を見つけ出して救出せよ」というものでした。
ミラーの部下八人の兵士は、「なぜ一人の二等兵のために自分たちが命をかけなければならないのか?」と命令に疑問を持ちながら戦場をかいくぐります。
任務のその先にあるものは……?。
画家であるぼくが、戦争映画の金字塔とまで言われる『プライベート・ライアン』をどういう視点でみたか?レビューしてみます。
※ネタバレ多々です。映画を観ようと思っている方はくれぐれも自己責任でご覧ください。
- 『プライベートライアン』解説〜どんな話?
- 『プライベートライアン』あらすじ前半
- 『プライベートライアン』あらすじ結末ラストまで(ネタバレ)
- 『プライベート・ライアン』は「実話」か?
- 『プライベート・ライアン』のモデルは?
- 何がそんなにすごいのか?
- 本作の最大の魅力は?
- 考察・1〜ミラー大尉はなぜ手が震えるのか?
- 考察・2〜アパムになぜイラつく?
- 考察・3〜スナイパー・ジャクソン二等兵の存在意味は?
- 考察・4〜アパムと共に生き残るライベン一等兵の位置付けは?
- 考察・5〜どこが映画史に刻まれる戦場描写なのか?
- 考察・6〜下部からさす光のハレーションの謎
- ミラー大尉・最後のセリフ「Earn this」の意味
- 『プライベートライアン』が刺さった方へオススメ作品リンク
- 『プライベート・ライアン』ぼくの評価は?
- 『プライベート・ライアン』スタッフ・キャスト紹介
- 『プライベート・ライアン』配信先は?DVD情報
- 『プライベートライアン』撮影秘話
- 最後に〜画家のぼくのノルマンディへの思い
『プライベートライアン』解説〜どんな話?
映画の舞台は?いつの作戦?
はじめに『プライベートライアン』がどんな話か?を簡単にふれます。
時代は1994年。舞台はフランス・ノルマンディ地方です。
第二次世界大戦のヨーロッパ戦線で、大きな転機となった作戦がありました。それはノルマンディ上陸作戦=通称「D-Day」と呼ばれています。
1944年6月6日、米英フランス自由軍、カナダ軍といった連合軍が、フランス・ノルマンディ地方の浜辺に大量の上陸用舟艇で急襲したのです。
『プライベートライアン』では、上陸から数日間にわたる、一小隊の戦いを描いています。
グロい?気まずい映画か?
『プライベートライアン』は、オープニング上陸戦闘シーンから、リアルかつグロい描写が多々映し出されます。
小さな子どもがいるファミリー向けとは言えません。(まあ、戦争映画は大概そうですが。)
中学生は、親御さんも一緒に見て、人間の残虐性、命の脆さをきちんと伝えられるなら良いかと思います。
高校生以上ならOKでしょう。
空虚なヒーロー像を抜き去った傑作
しかしそんな『プライベートライアン』の戦場描写のリアリティは、決して気をてらったものではありません。
監督・スピルバーグの「戦争という魔物から空虚なヒーロー像を抜き去り、どこまでも残酷な最前線の現実を伝えよう…」という、映画人としてのプライドだと言えるでしょう。
配役はトム・ハンクスやマット・ディモン、トム・サイズモア、他。今や人気シリーズ『ワイルドスピード』の主役ヴィン・ディーゼルも、一兵卒の脇役で出ています。
『プライベートライアン』あらすじ前半
※以下『プライベートライアン』のあらすじはネタバレです。映画をご覧になりたい方はスルーしてください。
オープニングの時代は、「今」だ。
フランス・ノルマンディの戦没者墓地に、一人の老人が家族とともに訪れる。老人は一つの十字架の前でひざまづく。
男は何を思うのか、その瞳はかつて体験した遠い過去、ノルマンディ上陸作戦へとオーバーラップしていく…。
時は1994年6月6日、ドーバー海峡。アメリカ軍の上陸用舟艇がフランスの浜辺へ押し寄せる。
上陸地点はオマハビーチだ。
降り注ぐ銃弾の嵐にビーチで次々倒れる兵士たち。
第2レンジャー大隊のミラー大尉(トム・ハンクス)率いる隊は、激戦の末、目標を制圧する。
戦闘が終わった浜辺は、戦死者の死体で埋めつくされていた。
舞台は一転、アメリカ本土の軍司令部。
司令部付けの将軍の元に、ノルマンディ上陸作戦で「ライアン家の三人の兄弟兵士が戦死した」事実が届けられる。
将軍は、ライアン家の末弟・ジェームズ・ライアン二等兵を本土へ連れ戻す命令を発する。
一転、舞台は再度オマハビーチ前線基地。
「ライアン二等兵救出」の命令が、ミラー大尉の元に届く。
ミラーは7人の兵士を従え、最前線へと出発。
しかし小隊の行軍は、困難を極める。
いくつかの戦場をくぐり抜け、ミラーたちは、空挺部隊の兵士たちに出会う。その中の一人がジェームズ・ライアン二等兵だった。
ライアン二等兵と対面したミラー大尉は、彼に帰国命令を伝える。
しかし、ライアンは命令を拒否。
彼ら空挺部隊が守っている一本の石橋は、連合軍進軍のための要衝だった。
しかしドイツ軍も橋に迫っている。激戦は必至だ。
「仲間たちと橋を守る」とゆずらないライアンに、ミラーと部下がとった行動とは…???
『プライベートライアン』あらすじ結末ラストまで(ネタバレ)
以下は完全ネタバレです。映画を見たい方はスルーしてください。
+ + +
ミラー大尉と部下たちは、一つの答えを選ぶ。
それは「ライアンらと共に橋を守り、そして生きて帰る」という選択だった。
ドイツ軍との戦いは熾烈を極めた。
次々と斃れゆくミラーの部下たち。
ミラー大尉もついに銃弾に倒れる。
空からの援軍で戦況は一転、ドイツ軍は投降する。
命が尽きかけているミラー大尉の元へと駆け寄るライアン。
ミラーはライアンに、かすかな言葉でひとことだけ伝え、息絶える。
「ムダにするな。しっかり生きろ」
ミラーを見下ろすライアンの顔がアップで写り、その表情は冒頭シーンの老人の顔にオーバーラップする。
「はたして自分は、ミラー大尉に恥ずかしくない生き方をしてきただろうか?」
ひざまづく老人がミラーの十字架につぶやく。
エンドロール。
『プライベート・ライアン』は「実話」か?
以上、筋書きを紹介しましたが、『プライベートライアン』はノルマンディ上陸作戦という歴史的事実をベースにおいて作られています。
その映像リアリティから「実話」のように思われがちです。しかし「実話」ではありません。
ですが、完全なフィクションか?というと、あながちそうとも言い切れません。
というのも、実際にあったと言われる、似たような「事実エピソードをヒントにして作られている」からです。
その事実とは、第二次世界大戦中の、次のようなエピソードです。
それは、アメリカの軍の法律に、アメリカ軍の兵役に就いた四人の兄弟のうち、三人が戦死。残った一人が強制的に帰国となったのです。(事実は確か、太平洋戦域とヨーロッパ戦域両方で戦死したのだと思いました)
映画を見ればわかりますが、まさにそのエピソードが映画の下敷きになっています。
そのエピソードを知ったスピルバーグ監督が、ストーリーを新たに練り、フィクションとして撮りあげたのが『プライベート・ライアン』なのです。
劇中、アメリカ軍の将軍がリンカーンの言葉を引用しながら、「ノルマンディで三人が戦死したことは見過ごせない。末っ子のライアン二等兵を何としても救出せよ」との命令を下します。
映画のヒントとなった「ソール・サバイバー・ポリシー」とは?
その将軍はある制度に即してその命令を出しています。
その制度が「ソール・サバイバー・ポリシー(Sole Survivor Policy)」です。
ソール・サバイバー・ポリシーとは、ある家族の兄弟姉妹が複数人軍務についている場合に、そのうち一人が戦死または行方不明になった時、残った兄弟姉妹を前線から外すなどして家系の存続を守る、、、という方針です。
『プライベート・ライアン』では、この政策を背景に「ライアン二等兵を生還させるために救出部隊を派遣する」という筋書きが作られているのです。
『プライベート・ライアン』のモデルは?
何がそんなにすごいのか?
『プライベート・ライアン』の映画としてのすごさは、戦場リアリティ再現にあります。
また同時に、理不尽な現場における兵士たちの心の葛藤と戦争の顔を、
真正面から描ききったことにあります。
『プライベートライアン』以前の戦争映画は、おおかた兵士がヒロイックに描かれていたり、残酷(リアル)な表現への「遠慮」がありました。
戦場の現場は凄惨です。
はらわたは飛び出ている。大口径機銃弾が当たった兵士は四散している…。
しかしスティーブン・スピルバーグは『プライベート・ライアン』において、そんな描写をあえて使い、観客をノルマンディ上陸作戦の激戦のただなかに放り込んだことがすごいのです。
そのリアリティに、手も心も、震えます。
本作の最大の魅力は?
『プライベートライアン』の映画としての最大の魅力は、
極限が引っ張り出す人間の心を描いたドラマだということでしょう。
戦場という極限が、登場人物の心の内を、垢のようにポロポロと掻き出します。
例えば、それはこんな感じ。
・トーチカ制圧後、意味がわからない流れ出る嗚咽に戸惑うユダヤ人兵士、メリッシュ二等兵。
・ミラー大尉の理不尽な命令と言動にキレてしまう、ライベン一等兵
・常に「神よ」と呟きながら、命を奪う引き金を引く、ジャクソン狙撃手。
・姪に似ている、と、避難民の子供に手を差し伸べるカパーゾ二等兵。
・子供のころの母親への態度を悔いているウェイド衛生兵。
・「戦う意味」を意外にもポロリと話す、古参兵のホーバス軍曹。
・そして、ミラー大尉の過去と未来への言葉たち。
そんな彼らのセリフの一つ一つが、いろんなことを語りかけてくる映画です。
多分、『プライベートライアン』は、観る側のその時の心のありようによって、
受け取り方が変わってくる映画ではないでしょうか。
考察・1〜ミラー大尉はなぜ手が震えるのか?
ネット上での疑問の一つに、「なぜミラー大尉の手が震えるの??」があります。
答えは「シェルショック」でしょう。
「シェルショック」とは、戦場を経験した兵士に現れる複雑な精神的・感情的状態の古い呼び名です。
第二次世界大戦時は、多くの兵士が精神的外傷を受けましたが、「戦闘疲労」と呼ばれていました。今でいう心的ストレス外傷PTSDの一種のようです。
考察・2〜アパムになぜイラつく?
ムカつく?イライラする?なぜアパムは嫌われるのか?
ネット上の口コミを見ると、「嫌い」「見ててイライラする」「ムカつく」という言葉が投げかけられる登場人物にアパム伍長がいます。
なぜにアパムはそれほどまでに観客から嫌われるのでしょう?
結論から行きます。
彼の存在は、映画を観ている観客=「ぼくら」の生き写しなのです。
「ライアン二等兵救出命令」を受けたミラー大尉は、一人の兵士を通訳として部隊に引きいれます。その兵がアパム伍長です。
彼は事務方兵士ゆえ、リアルな戦場を知りません。
だから、アパムの口にする言葉は、理想論だったり、的外れだったり、、、それは映画の観客をもイライラさせる存在なのです。
ここでぼくらの暮らしている世界を振り返ってみましょう。
ぼくらはニュースで戦争報道をみては、「許されないことだ」「あちらの言い分は間違っている」と感じたりしています。
また、テレビの中でコメンテターや評論家、学者が安全圏から論説を並べ立てます。
そうなんです。
アパム伍長は、
「戦争」をニュースでわかったつもりになっているぼくらの象徴であり、
安全圏から正論を並べるマスコミや専門家の象徴なのです。
そういう観点でアパムを見ると彼の捉え方がガラッと変わると思います。
考察・3〜スナイパー・ジャクソン二等兵の存在意味は?
アパムとは一転、「かっこいい!」「クール!」と票を集める登場人物が、スナイパーのジャクソン二等兵です。
ドイツ兵を一人また一人と確実に狙撃してゆくジャクソンですが、映画の中での彼の存在意味はなんでしょうか?
ジャクソンは必ず祈りを捧げながら敵兵を撃ちます。
その祈りは神に捧げられた言葉です。
ジャクソンが「神」という名のもとに狙撃する相手は、神が創り賜うた、同じ人間でもある。
と考えると、ジャクソンはつまりは「戦争の抱える矛盾の体現者」ではないか?とぼくは思っています。
考察・4〜アパムと共に生き残るライベン一等兵の位置付けは?
次にライベン一等兵を取り上げましょう。
実はこの映画で最後まで生き残るのは、ライアンを除くと、アパムとライベン一等兵です。
ではライベン一等兵はどんな存在意味を持っているのでしょう?
ライベンはアパムと同じく我々の投影なんだと思います。
ウェイド衛生兵が命を落とす戦闘ありますが、そのくだりでライベンは捕虜を逃すミラー大尉に、のたてつきます。
そのシーンでは、多分映画の観客誰もがライベンの態度にシンパシーを感じるでしょう。
他にも「なんで顔もしらないあったこともないライアンを、俺たちが命かけて助けなきゃならないんだ?」という疑問を突きつける役がライベンです。これもいわばぼくらの代弁者です。
つまり、生き残ったライベンは、アパムとおなじく平和の時代に生きているぼくらの投影なのです。
考察・5〜どこが映画史に刻まれる戦場描写なのか?
冒頭20分のオマハビーチ上陸シーンは、映画史に刻まれる戦場描写です。
それまでの戦争やアクション映画で表現されなかったチャレンジが、この映画にはいくつもあります。
例えば、こんなシーン。
「海中に落ちた兵士を航跡引きながら襲う銃弾」
「カメラが水中を進む兵士の目となり、水面と水面下で音が変わる」
「至近距離での爆発で、耳が聞こえなくなる」
「たまに当たった兵士の頭が消え飛ぶ」
「至近弾で兵士の半身が失われる」
…と、キリがないのでこの辺にしておきますが、
今のアクション映画や戦争映画ではよく使われるようになったそんな表現は、
実は『プライベート・ライアン』から始まった….
と言っても良いのです。
考察・6〜下部からさす光のハレーションの謎
『プライベートライアン』には映像下部から光が差し込んだようなハレーションを使った、奇妙な戦場描写があります。
では、なぜそのハレーションは使われたのでしょう?
ぼくの結論からいきます。
『あの光は、「戦場の無常」を表すための「ハレーション」だった』と考えています。
使われたのは、冒頭オマハビーチ激戦で、トーチカを制圧した兵たちが
「呆然となり我を失うシーン」。
そしてクライマックスの激戦の果てに、敵兵を射殺したアパムの顔が、「無感情な顔」になるシーンです。
ちなみに撮影監督のヤヌス・カミンスキーの言葉によると、そのハレーションは
「レンズを加工してあえてドキュメンタリー風の画質にしたことによって生まれた効果」
だと言っています。
ですが、ぼくは、
「戦場での無常感を表すひかりだった」と思いたいです。
ミラー大尉・最後のセリフ「Earn this」の意味
ぼくが『プライベートライアン』を繰り返し観る理由があります。
その理由とは、ラストのミラー大尉の最後のセリフ
「Earn this:ムダにするな。しっかり生きろ」
を聞きたいためです。
劇中、任務に着いた兵士たちは、経った一人の人間を助け出すために一人また一人と命を落としていきます。
このラストの一言に込められているのは、
「人は、必ずやどこかの誰かの無数の命に支えられてるものだ」
という僕らへの重い伝言に違いありません。
『プライベートライアン』を繰り返し見る意味は、そこにあります。
『プライベートライアン』が刺さった方へオススメ作品リンク
『プライベートライアン』が刺さった方へ、おすすめの作品を書いておきます。
・『西部戦線異状なし』
https://www.movie-diaries.com/seibusensenijyonasi2-731
舞台は第一次世界大戦。若者たちが、否応なく戦争という狂気の歯車に絡め取られてゆくさまに言葉を失う一本。
・『戦争のはらわた』
https://www.movie-diaries.com/sensou-no-harawata-cross-of-iron-39
バイオレンスの巨匠サム・ペキンパー監督作品。ドイツ兵を主人公に描いた異色作。塹壕戦のリアル。戦争映画を変えた一本。
・『グリーンマイル』
https://www.movie-diaries.com/greenmile-5940
この作品もトム・ハンクス主演です。刑務所を舞台に、人は何を背負って生きるのか?が描かれます。戦争映画ではありませんが、命の背負い方を問いかけてくる佳作です。
・『すばらしき世界』
https://www.movie-diaries.com/subarasikisekai-1751
正直な生き方とは何か?実直に生きる元ヤクザにとって、世間はあまりにシュールだった。そのシュールさが戦場のそれと重なります。
『プライベート・ライアン』ぼくの評価は?
点数は満点五つ星
僕の評価は星五つ⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️です。
この映画は、「凄惨」でもあります。なので観るにはエネルギーが必要な映画だと思います。
それでも『プライベートライアン』は満点です。
「ムービーダイアリーズ」殿堂入り♩の一本です。
『プライベート・ライアン』スタッフ・キャスト紹介
制作スタッフ
| 担当 | 名前 | 作品への役割・特徴 |
|---|---|---|
| 監督 | スティーブン・スピルバーグ | 戦争を英雄譚ではなく「極限状態の人間ドラマ」として描き切った |
| 脚本 | ロバート・ロダット | 任務の是非を巡る兵士たちの葛藤を丁寧に積み重ねる脚本 |
| 撮影 | ヤヌス・カミンスキー | 手持ちカメラと退色した色調で戦場の臨場感と混乱を表現 |
| 編集 | マイケル・カーン | 戦闘の激しさと静かな対話の緩急を的確に制御 |
| 音楽 | ジョン・ウィリアムズ | 感情を煽らず、鎮魂の祈りのように寄り添う音楽 |
配役・キャスト(性格・ドラマ上の役割付き)
| 登場人物 | 性格・ドラマでの役割 | 俳優名 |
|---|---|---|
| ミラー大尉 | 冷静沈着な指揮官。任務と良心の間で揺れる「普通の市民兵」の象徴 | トム・ハンクス |
| ホーバス軍曹 | 実戦経験豊富で現実主義者。部隊の精神的支柱 | トム・サイズモア |
| ライベン一等兵 | 皮肉屋で反抗的。任務への疑問を最も露骨に口にする存在 | エドワード・バーンズ |
| ジャクソン狙撃手 | 信仰心の厚いスナイパー。戦争と神を結びつける危うさを体現 | バリー・ペッパー |
| メリッシュ二等兵 | 理知的で繊細。戦場における理性の限界を示す人物 | アダム・ゴールドバーグ |
| カパーゾ二等兵 | 仲間思いで情に厚い。善意が報われない戦争の残酷さを象徴 | ヴィン・ディーゼル |
| ウェイド衛生兵 | 命を救う役割を担いながら、救えない現実に直面する存在 | ジョヴァンニ・リビージ |
| アパム伍長 | 戦闘経験のない通訳兵。観客の視点に最も近い“戦争の素人” | ジェレミー・デイヴィス |
『プライベート・ライアン』配信先は?DVD情報
| Amazon Prime | 無料配信中 | |
| Hulu | 無料配信中 | |
| Lemino | 無料配信中 | |
| U-NEXT | 無料配信中 |
(2023年10月時点情報)
『プライベートライアン』[Blu-Ray]購入先
『プライベートライアン』撮影秘話
撮影監督は『シンドラーのリスト』でスピルバーグとタッグを組んだヤヌス・カミンスキーだと、前述しました。
スピルバーグとヤヌス・カミンスキーの撮影裏話を見つけました。ここでプライベートライアンの撮影の裏側をちょっと紹介しておきましょう。
『プライベートライアン』の撮影期間は、なんとたったの60日間です。
169分の長編が2ヶ月で撮られたとは信じ難いですが、スピルバーグの早撮りは有名です。
戦争超大作といえばたくさんのカメラが回っていると思いますよね?ぼくもそう思っていました。
ところがカミンスキー撮影監督が回していたカメラ台数は、たった3台。しかも、撮影フィルムの90%は手持ちカメラで撮影されたものだったそうです。
ほとんどを手持ちカメラで撮影する方法をとったゆえに、第二次世界大戦当時の空気が画面に再現されたのでしょう。
オマハビーチ上陸シーンも手持ちカメラ3台で撮影されたそうですが、見れば分かるのですが、ほとんどがローアングルです。
兵士たちが砂浜に倒れ込んだり、匍匐前進したりをリアルに撮るにはもちろんカメラマンも這っていたわけです。ところで、カメラは精密機器ですから砂は大敵。砂地スレスレの激しい撮影はカメラマンにとっては難行苦行だったようです。
ロバート・キャパをはじめとした戦場カメラマンの写真を見て、撮影の構図やトーンを決めていったそうです。
カミンスキーはのちにインタビューで「何人もの戦場カメラマンがいるかのような錯覚を起こしたかった」と語っています。
『プライベートライアン』の色調って、今の綺麗な映像に見慣れていると彩度が低くて粗めの印象を受けますよね。それって、あえてなのです。
19944年の報道写真にあるような「粗い空気感」を出すためにレンズコーティングを剥がしたり、シャッターに工夫を加えることで、当時の写真のような硝煙と爆発、砂の飛び散りの時代リアリティを追求したとのことです。
製作陣のこだわり、ですね。
以上撮影方法の項は『全米撮影監督協会が選ぶ20世紀最高の映画100作品』(古澤利夫・著/ビジネス社・刊)を参考にしました。
最後に〜画家のぼくのノルマンディへの思い
こちらのぼくのウェブサイトに、映画の舞台となったノルマンディへの、画家としての想いを書いています。極めて個人的なブログですが、興味のある方は覗いてもらえると嬉しいです。


