映画『アウトポスト』はつまらない?ネタバレ考察評価からあらすじキャストまで〜傑作戦争映画です

戦争・歴史・時代

ネットで「つまらない」票も多数の映画、『アウトポスト』。本当につまらない?ひどい?

それではどんなに面白くないのか、戦争映画に目がないぼくは「この目で確かめよう、、、」と観てみました『アウトポスト』

結論、『アウトポスト』、すんごい戦争映画でした。



後半の延々つづく激戦シーンは、至近弾に見舞われながら兵士たちとともに走り抜ける、ほとんど従軍感覚。

戦争映画の傑作は、ぼくの中では、『戦争のはらわた』『プライベートライアン』『ブラックホークダウン』とバトンリレーされてきました。

そんな「バトルフィールド叩き込み型戦争映画バトン」を『アウトポスト』は引き継いだように感じました。

というわけで、今回はアメリカ陸軍兵士たちのアフガニスタン山岳部での対タリバン戦=実話=を描いた『アウトポスト』を取り上げますが、正直観るまでは、こんなにすごい映画だなんて思ってもいませんでした。ごめんなさい!

では、映画レビュー、戦闘開始です。(2020年公開・アメリカ映画)




 

『アウトポスト』予告編

映画を見終わってからこの予告を改めて見ると、「うまく作ってる予告編だなあ」と感心しました。

個人的に、こういう「静」から始まる予告編の作り、好きだな。




『アウトポスト』あらすじ

あらすじは、『アウトポスト』公式サイトより転載しますね。

アフガニスタン北東部に位置するキーティング前哨基地。

米軍の補給経路を維持するための重要拠点とされていたが、派遣されてきたロメシャ2等軍曹ら兵士たちは、その地をひと目見て驚愕する。

そこには基地として致命的な欠陥が存在していたのだ。

四方を険しい山に囲まれた谷底に位置しており、敵に包囲されれば格好の的となる。

つまり、防御面からすると圧倒的に脆弱なのだ。

いつタリバン兵の銃弾が撃ち込まれてもおかしくはない。

案の定、日々襲いくる攻撃の中、誰かが命を落としてゆく。

「もし圧倒的多数の敵に囲まれたら…」彼らの日常は文字通り死と隣り合わせだった。

そしてその日、ついに恐れていたタリバン兵の総攻撃が開始された。

それは後に「カムデシュの戦い」と呼ばれる、アフガニスタン紛争で最も過酷な激戦の幕開けだった。

 

映画の後半はその「過酷な激戦」が描かれます。



『アウトポスト』感想

アメリカ軍兵士達の会話がフツーじゃない

感想、一つ目いきます。

まず、兵士たちのセリフのやりとりが、いわゆるフツーの戦争映画じゃありません。

どうフツーじゃないか?というと、会話にほぼ意味が、ない

ひたすら兵士たちは超くだらないクダを巻いている、といった感じ。

最初はその意味のなさに戸惑ってしまいます。



意味ない会話がつまらない評価の理由の一つ

『アウトポスト』の口コミで「つまらない」という声も多々上がっているのも事実です。

そんな感想は、ぼくが前半の兵士の日常での会話=いわゆる映画的とは言いがたい、その前半にあるような気がしています。

ぼく自身、「う〜ん。どこまでフツーの会話が続くんだろ?」と思って見ていましたが、映画が進むにつれてそんな「フツーの意味のない会話脚本」をあえて書いた意味がわかってきました。



会話がフツーの映画と違う意味

映画のセリフって、セリフが物語を前に進ませる役割を持っていますよね。

しかし、『アウトポスト』のセリフには、ほとんどのその役割がありません。

どういうことかと言いますと、映画『アウトポスト』の2時間は、観客にバーチャルではあるけれどリアルな戦場体験を突きつけます。

兵士たちのあたりまえすぎるであろう会話の連続は、バーチャル戦場体験を味わってもらうための「兵士たちのリアル=意味のないバカ話」なんですね。



兵士たちの日常に「物語」なんて、ない

この映画はあくまで前哨基地ベース・キーティングに起こったタリバンと米軍の激闘、それも50人対300人という圧倒的不利な守備戦を描いた映画です。

リアルな現場には、物語に必要な起承転結など一切ないわけで、セリフにおいてもひたすらに軍隊内のリアルさ、戦場の現実感を追求しているんですね。

なんでそんなにリアルな日常が再現できたのでしょう?

多分、それは、ロッド・ルーリー監督自身がウエストポイント=アメリカ陸軍士官学校を出ているから、と、これはぼくの推測です。

ロッド・ルーリー監督は、映画の観客を、可能な限り兵士の日常に観客を放り込みたかった…とぼくは思いました。

軍隊を知っているロッド・ルーリー監督は、だからあえて「兵士たちのくだらない日常会話」をとことんシナリオに書き込んで、一見つまらなくみえる前半=兵士たちの基地の日常を構成したのではないか…と思います。

ドキドキハラハラが戦争映画では定番ですが、ぼくには、そんな定番をひっくり返した『アウトポスト』は、新しいスタイルの戦争映画だと感じました。



カメラマンが兵士に超絶肉薄

後半クライマックスのタリバン急襲シーンの戦場描写は、強烈でした。

過去の戦争映画の中でも抜きん出ています。

戦争映画の名作として『プライベート・ライアン』(スティーブン・スピルバーグ監督)や『戦争のはらわた』(サム・ペキンパー監督)があります。

しかし『アウトポスト』の戦闘シーンはその2本とは違った意味でのリアリティがありました。(リアル…といってもぼく自身戦場体験はありませんから想像上のリアルですけど…)

では、何が『プライベートライアン』や『戦争のはらわた』と違うのか?

違いは、前哨基地における日々には物語=ストーリーなど、ない、という点です。

無意味なトラック移送の命令を受け、命を落とす指揮官。

新たに赴任した指揮官は哨戒中にトラップ爆弾で吹き飛びます。

そんな兵士たちの死もただ淡々と描かれ、物語としての繋がりは見えません。

伏線も起承転結もなく、前哨基地の日常が描かれるだけです。

物語の無さが、前哨基地の孤立感、リアル感を逆に高めていると感じました。

最前線にへばりついている戦場ジャーナリストの目線って、多分こういう感じなのかもしれない…と、これはぼくの正直感想です。

(戦場従軍経験があるジャーナリストの方で、もしこの記事読んでて、僕の思っていたこと間違っていたらコメントいただければ嬉しいです)



兵士の目線を追体験

もう一つ、『プライベートライアン』『戦争のはらわた』との違いを挙げますね。

それは映画のカメラがほぼ、兵士と同じ目線=まるで兵士とコンビを組むかのように、ピッタリとくっつき戦場を駆け続ける、、、というポイント。

さらにそのカメラは撮影する兵士にめちゃくちゃ至近距離だ、ということ。

兵士が走るとカメラもその兵士をどこまでも追いかける。着弾に立ち止まるとカメラも立ち止まる。

余計な演出を排除したシンプルなカメラワークですが、逆にこざかしさがない。

だから感情を揺さぶりまくる。

ピッタリくっついて離れない映像が超絶なリアル感を生んでいました。

みているこちらも、それはもう、喉がカラッカラでした。



激戦の中、兵士の表情が鬼気迫る

戦闘ゾーンに入った時の兵士の表情、演技は鬼気迫るものがありました。

特に、タイ・カーター特技兵役。

演じているのはケイレブ・ランドリー・ジョーンズ。

初めて知りましたが、抜群の演技力です。

アドレナリンが出まくっている焦燥感はどうやって出せたのか?

「どのように演技指導したらあんな焦燥感が出せるんだ??」

本当に実弾使った撮影だったんじゃないか?(そんなはずないけど)と思えるほどの演技にのまれました。」

ケイレブ・ランドリー・ジョーンズのプロフを『アウトポスト』公式サイトから転載しておきますね。

タイ・カーター特技兵

1989年生まれ。17歳の時、コーエン兄弟の『ノー・カントリー』で映画デビュー。2012年ブランドン・クローネンバーグ監督『アンチヴァイラル』で映画初主演。Indie Wire誌の「2012年のベストパフォーマー」の一人に、ダニエル・デイ=ルイス、ミシェル・ウィリアムズ、ホアキン・フェニックスら錚々たる顔ぶれと共に選出される。2018年には『スリー・ビルボード』など出演した3作品がアカデミー賞にノミネート。若手の演技派俳優として注目を浴びている。

この役者さん、ケイレブ・ランドリー・ジョーンズは、ぼくは今後激しく要チェック!!していこうと思います。



考察〜『アウトポスト』は『プライベートライアン』とある意味双子だ〜

そのタイ・カーター特技兵が、ぼくの中では、ある映画の登場人物と被っています。

それは『プライベートライアン』のアパム伍長です。(みたことない方、ぜひみてください。傑作ですから)

『プライベートライアン』のアパム伍長って、ネットの口コミでも散々言われているナサケナ系の兵士なのです。

ロッド・ルーリー監督は多分にそんなアパム伍長へのリスペクトを込めてタイ・カーター特技兵を演出していると、ぼくは考えています。

劇中、オープニングからまもないタリバン襲撃シーンにおいて、タイ・カーター特技兵は弾薬を取りに行って戦闘が終わってから顔をだすという、どこか間がぬけているキャラとして描かれます。

ところがクライマックスではほとんど主役のような存在感を放ちます。

といってもヒロイックな存在感ではなく、今まで戦闘を経験したことがない一人の男が戦場に放り込まれたら、たぶんこうなるだろう、、、、という表情と行動をとるのです。

カーター特技兵がよろよろした足取りで、でも必死に弾帯と弾薬箱を持って走り回るシーンや、戦友を助けに行く時の表情は、凄みさえ感じます。

その姿は『プライベートライアン』のなかで戦場で右往左往していたアパム伍長と『アウトポスト』のカーター特技兵は、ぼくにはあたかも双子のように重なって見えたのでした。

しかし、決して『プライベートライアン』のパクリになっていない。そこもまた素晴らしいのです。



ここで書いておきたいのが「特技兵って何?」ってこと

特技兵って、普通聞きませんよね。調べてみました。以下、ウィキペディアより抜粋転載します。

特技兵(とくぎへい)・特殊技能兵(とくしゅぎのうへい)とは軍隊の兵士の中で何らかの特殊な技術や資格を習得している者を指す。(一部割愛) 近代では機械化、電子化、科学技術の高度化が進んだため、軍隊の装備を運用するために運用する兵士が適切な操作や整備の技術を習得する必要に迫られた。そのため、通常の兵士としての教育にさらに追加して特殊な技術を学習させ習得させた兵士を特殊技能兵略して特技兵と呼ぶ。

要は、戦闘ドンパチのプロではなく、電子機器や複雑系装備を扱うプロなんですね。



『プライベートライアン』のアパム伍長も、カーターと同じく特技兵

そんな仕事をするのが特技兵ですが、『プライベートライアン』のアパム伍長も、カーターと同じく特技兵でした。アパム伍長はタイプライターの職務を任されている兵士なのです。

そう考えると、ネット口コミで散々こき下ろされている『プライベートライアン』のアパム伍長に対して、ロッド・ルーリー監督は逆に敬意を評しつつ「いやいや、そうではなくてさ、、、」と換骨奪胎新キャラにしたんだ….と、これはぼくの一つの考察です。

重ねていっておきますが、パクリではないですよ←ここ、大事です。

ぼくは、アパム伍長擁護考察別記事『プライベートライアン』レビューで書いていますので、よかったらお読みいただけると嬉しいです。



『アウトポスト』評価は星四つと半分

もっともっと「このシーン良かった」「あのシーンはすごい」と書きたいことたくさんありすぎな傑作戦争映画『アウトポスト』です。

今までなかった戦争映画スタイルと臨場感に、ぼくの評価は星四つと半分です。

とはいえ、あくまで個人的な星評価です。

「やっぱり戦争映画ってのはさ、ストーリーも戦闘シーンにもハラハラドキドキしなけりゃ意味がないよ」という方には、向かない映画だと思いますよ。



『アウトポスト』スタッフ・キャスト

監督:ロッド・ルーリー

キャスト:クリント・ロメシャ二等軍曹 – スコット・イーストウッド(中村章吾)/タイ・カーター特技兵 – ケイレブ・ランドリー・ジョーンズ(赤坂柾之)/ベンジャミン・D・キーティング大尉 – オーランド・ブルーム(細川祥央)/ロバート・イエスカス大尉 – マイロ・ギブソン(谷内健)/ジョシュ・カーク三等軍曹 – ジャック・ケシー(田島章寛)他 (注:カッコ内は吹き替え)



『アウトポスト』配信先は?

『アウトポスト』配信レンタル情報を以下にまとめておきますね。

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