こんにちは!映画好き絵描きのタクです。今回取り上げる映画は、『ロック・オブ・エイジズ 』。ロックンロールの名曲がノンストップのハリウッドミュージカルです。
伝説のロックスター役で、トム・クルーズが出演。カリフォルニア・LAの架空のライブハウスを舞台に繰り広げられるボーイ・ミーツ・ガールのサクセスストーリーです。
登場する楽曲は、ジャーニー、ガンズ・アンド・ローゼズ、ナイト・レンジャー、デフ・レパード、REOスピードワゴン、スターシップ、、、1980年代を体験した方なら懐かし曲のオンパレード、ロックの図太さがスクリーンから迫ってきます。
それでは『ロック・オブ・エイジズ 』レビューです。
『ロック・オブ・エイジズ 』あらすじ
一人の女の子シェリーが宝物のロックアルバムを抱えて、グレイハウンドバスから、ロスに降り立つ。
彼女の夢は、新星ロックミュージシャンとして世に出ること。
しかし夢はそんなに甘くない。ロス到着と同時に荷物は盗まれ、食うにも困る彼女。見つけたライブハウスで、半ば強引に雇ってもらうことになる。
そのライブハウスは偶然にも多くのロックンローラーを世に送り出した「バーボンルーム」。
店で働く、やはりロックスターを夢みる若者ドリューは、シェリーに一目惚れ。二人は恋に落ちる。
しかし、「バーボンルーム」は税金が払えずに立退き寸前。店のオーナー・デニスは、伝説のロックスター、ステイシーに出演を依頼するが、、、
夢と挫折。失意から再起の物語が、有名ロックナンバーとともにスクリーンで描かれます。
『ロック・オブ・エイジズ 』あらすじラストまで〜ネタバレあり
ドリューは店内ライブでチャンスを掴んだかに見えたが、音楽シーンはヒップホップの流れに変わっていた。
ロックミュージシャンを目指すドリューは、意に反してヒップホップグループの一員としてデビューする。
一方シェリーもLAの闇の中へと落ちていき、失意のうちにミュージシャンへの道を諦めかける。
バーボンルームの最後のステージの前座で歌うドリューらヒップホップバンドだが、ブーイングにステージを後にしたドリューにシェリーが「あの歌を」と声をかける。ロックバンドをバックにドリューとシェリーは持ち歌を披露、喝采を受け、ロックミュージシャンへの道が開ける。
ラストはコロシアム会場だ。ステイシーのバンドの復活ライブが幕をあける。アリーナではストーリーに関わった皆が踊っている。ゲストで出演するドリューとシェリー。皆が共演するシーンで幕となる。
『ロック・オブ・エイジズ 』トムクルーズ、ジュリアン・ハフ、ディエゴ・ポネータ他キャストのこと
最初、トムクルーズがポスターの正面にでんと構えていたので、「えっ?トムの歌声、ですか?」と少しばかり腰が引けたのですが、なんの。
歌声もとてもよかったですし、他の映画とはガラッと変わってロックスターのオーラバリバリでした。いい意味裏切られ、悔しいくらいかっこよかった。(なんで悔しいのかはわからないけど)
主人公の若者男女を演じるジュリアン・ハフとディエゴ・ポネータですが、この二人も歌声も踊りもとってもヨイです。映画の中でぴったりのカップルを演じていました。
ジュリアン・ハフは見たことある役者さんだな、、、と調べたら、僕が見た映画では、『フットルース・夢に向かって』と『バーレスク』に出演していました。
同じくディエゴ・ポネータは『ターミネーター・ニューフェイト』に出ていましたが、残念、記憶にない。。。(後で観てみよう)
配役の中でめちゃ光ってるのが、映画の中でお堅いPTAママ的な役を演じている、キャサリン・ゼタ=ジョーンズ。子憎たらしいほど、役も歌も踊りもうまい。調べてみたら、もともと舞台『アニー』が芸歴スタートなんですね。
舞台で鍛えられた演技と踊り。納得しました。
過去出ている作品は『マスク・オブ・ゾロ』『コロンブス』『シカゴ』などです。
『ロック・オブ・エイジズ 』のぼくの感想と名シーン
1.グレイハウンドバスシーンで掴みOK
冒頭からやってくれます。バス車内で主役シェリーが歌い、バスの客も皆で後を追って歌い始めるシーンは、絶品。オープニングからミュージカル映画の真髄に触れることができます。僕は鳥肌立てながらで見始めてました。
グレイハウンドバスを後ろからおっかけ撮るカットにキラキラ効果が入ります。そのカットも一秒ほどですが、「LAに向かうぞ!」という主人公の気持ちをビシッと表現してステキ。捨てカットがないのです。何度も繰り返し見たくなります。
映画はやっぱりつかみが肝心。
2.「バーボンルーム」でロックに溺れる
やはりオープニングから続くシークエンス。ロックに酔いしれるロックファンと店主(アレック・ボールドウィン)の掛け合い。ロックミュージカルの「はちゃめちゃ感」が良かったです。
3.生真面目PTAの教会シーンのキャサリン素敵
アンチロックな生真面目PTAの代表役キャサリン・ゼタ=ジョーンズが生真面目スーツで踊るシーン。ミュージカル出身のキャサリン。ステージングの実力発揮でした。
4.シェリーが客の男たちと歌い踊るカット最高
このシーンはかっこいいです。タッチは違いますが、フレッドアステアの傑作ミュージカル『バンドワゴン』が頭をかすめました。
このシーンは、「ミュージカル黄金時代へのオマージュ」でもあるのではないかなと思いました。数台のカメラわまして、編集の勝利。
『ロック・オブ・エイジズ 』ステージライトのマジック〜レビューにかえて
物語は、ストーリー定石をきちんと踏んでいますから、安心して見られます。
気になるのは歌い踊るミュージカルシーンだと思いますが、「一体何台のカメラで撮影したんだろう?」思えるほど、とことん魅せます。
カメラマンが「ワンカットワンカットのクールさ」に徹底的にこだわって撮影しています。
そしてそれをつなぎ合わせてる。
編集がめちゃくちゃ魅力的です。
ちなみにぼくはブルーレイをゲットしましたが、音楽シーンを何度も繰り返し見てしまいます。
「ステージライトのマジック」と書きましたが、全編通して光=ライト=がとっても効果的です。
ネタバレになりますが、クライマックスのラジオシティのステージからスタジアムシーンに繋がる場面。
一瞬のステージライトの輝きが天空にスッと伸び、スタジアムにオーバーラップ、、、何度見ても、やられたなあ、と心の中でつぶやいてしまいます。
他にも編集の妙技が冴え渡ってる映画です。
『ロック・オブ・エイジズ 』ぼくの評価
光がカットを繋いでいくミュージカル映画でした。
煌びやかです。
もともと知ってた名曲の数々を、映画用に換骨奪胎、編曲し直しているところも、とっても好きです。
「夢は叶えろ」「困難は乗り越えるためにやってくる」といったアメリカハリウッドが大好きなテーマがありますね。
『ロック・オブ・エイジズ 』は、それをロックンロールに乗せてお届けします、という映画だったと思います。
印象的なシーンに、巨大ハリウッド看板の裏でのデートシーンがあります。
それは思うに、先にも述べた「ハリウッドは、『夢は叶えるものであり、困難は乗り越えるためにある』という人生メッセージをシンプルに届ける役割を担ってきたのだ…」ということを暗に示したかったのでは。。。…考えすぎですね、きっと。
楽しいミュージカルでした。
僕の点数は、星五つのうち、星四つ。
星ひと欠けの理由は、もとになったオリジナルありで、ひと欠け。
「舞台ミュージカル」としてすでに完成しているから、でした。
『ロック・オブ・エイジズ 』簡単にスタッフ・キャスト紹介
監督/アダム・シャンクマン (制作総指揮、そしてなんと振り付けも!なんともすごい才能だと思います)
音楽/アダム・アンダース(有名な曲オンパレードですが、見事に映画用に編曲し直しているところ、星五つです)
出演/ジュリアン・ハフ ディエゴ・ポネータ トム・クルーズ アレック・ボールドウィン キャサリン・ゼタ・ジョーンズ 他
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