『クリスマスキャロル〜SCROOGE』評価は星五つ⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️殿堂入り!
こんにちは!映画好き絵描きのタクです。今回レビューする映画は、『クリスマスキャロル〜原題SCROOGE』です。
ディケンズ原作の『クリスマスキャロル』は、過去何度か映画やアニメになっていますね。
そんな中でも1970年に公開された『クリスマスキャロル〜原題SCROOGE』は、運営人のぼくが、勝手に「クリスマス映画ランキング第一位」認定する映画です。一人でも、カップルでも、子供と一緒に観るにも最適おすすめの一本です。
古い映画じゃないかって??いえいえ、いつ観ても古さなんて感じさせない映画です。
『クリスマスキャロル〜SCROOGE』(1970)解説〜クリスマスにおすすめ!
監督は『ポセイドンアドベンチャー』で有名な、ロナルド・ニーム。
パニック映画の名作『ポセイドンアドベンチャー』とは全く異なる、ミュージカルの楽しさも加えたハートウォーミーな映画に仕上げています。
主役にはアルバート・フィニー、脇役にアレック・ギネスという贅沢なキャスティングです。
要所要所にさしはさまれる歌と踊りが素晴らしいミュージカル仕立てにもなっています。
運営人のぼくは1970年代にNHKでの放送で初めて観て感動。それ以降、放送・ビデオ、DVDと時代変われど毎年クリスマスには必見映画となっています。
ぼくは『クリスマスキャロル〜原題SCROOGE』の何が良くてイブの夜に毎年観直すのか?あらためて『クリスマスキャロル〜原題SCROOGE』の魅力をレビューしてみます。
(便宜上、本記事では『クリスマスキャロル』を『クリスマスキャロル〜SCROOGE』(1970)と統一します)
『クリスマスキャロル〜SCROOGE』(1970)予告編〜どんな映画?
「クリスマスキャロル・SCROOGEって、どんな映画?」と思われる方へ、予告編を貼っておきますね。
『クリスマスキャロル〜SCROOGE』(1970)あらすじ〜簡単に
まずは『クリスマスキャロル〜SCROOGE』(1970)のあらすじを簡単に紹介します。以下、ネタバレとなりますので自己判断でお願いします。
+ + +
舞台は19世紀のロンドン。主人公の老人スクルージ(アルバート・フィニー)はケチで意地悪な金貸し。使用人のクラチット(デイヴィッド・コリングス)はスクルージとは逆に善人を絵に描いたような人物です。
クリスマスイブの夜、スクルージが貸金の取り立てから帰ってくると、スクルージの枕元に、7年前に亡くなった共同経営者のマーレイ(アレック・ギネス)が幽霊となって現れます。
マーレイは、自分が地獄で鎖につながれ苦しんでいることを告げ、スクルージをなんとか改心させようと、3人のクリスマスの亡霊を送り込みます。
一人目の亡霊は、「過去のクリスマスの亡霊」(エディス・エバンス)です。
「過去のクリスマスの亡霊」は、スクルージに幼かった頃の過去を見せる。スクルージは実は純粋で優しい少年だったことを思い出し、さらには、働き始めた頃の純粋だった自分自身を見せつけられます。
しかしスクルージは、「過去の亡霊」を幻としか思わず、信じません。
続いて現れたふたり目の亡霊は、「現在のクリスマスの亡霊」(ケネス・モア)。
「現在のクリスマスの亡霊」は、貧しいながらも幸福そうな、使用人クラチット一家の団欒風景を見せます。
彼らが自分のために祝ってくれるのを見たスクルージは良心が疼きます。
同時にスクルージは、クラチットの子供の一人、ティム(リッキー・ボーモン)が重い病を患っていることを知らされます。
最後に現れるのは、「未来のクリスマスの亡霊」。
「未来のクリスマスの亡霊」はスクルージに彼の死後の様子を見せます。それは地獄で重荷を背負い苦しむスクルージ自身の姿でした。
3人の亡霊が見せてくれたのは、スクルージの過去現在未来です。
スクルージは自分の生き方を反省し、変わることを決意します。
翌朝、クリスマスの朝。
スクルージは、町中の人々に「ありがとう」の言葉を告げ、自分が分け与えることができる全てを施します。
クリスマス、彼の心に湧き上がってきたのは、「人生をやり直す」決意でした。
『クリスマスキャロル〜SCROOGE』(1970)見どころ感想です
感動の源は、誰もが持っている「無垢さ」と「意地悪さ」
冒頭オープニングは貧しい子供達が小銭を得るために歌を歌うシーンからスタートします。
この歌声がナチュラル=無邪気な感じなのですが、その歌うシーンがしかめっつらのスクルージと絡み合います。
子供達の「無垢さ」と、スクルージの「意地悪さ」の対比で幕がひらくのです。
人は誰でも心の中に「無垢で正直な自分」と「意地悪で皮肉家の自分」がいるんだと思います。
誰しもそんな「無垢さ」と「意地悪さ」を持っているからこそ、『クリスマスキャロル〜SCROOGE』オープニングでは、あっという間に引き込まれる…ぼくはそう感じています。
二つの『Thank you very much』の謎
子供達の歌でスタートする『クリスマスキャロル〜SCROOGE』(1970)ですが、ダンスシーンがまた素晴らしいです。
決して派手なダンスではありません。
それでも何度観ても、踊りのシーンには目が釘付けになります。
後半〜クライマックスに大群舞となる二つの『Thank you very much』の素晴らしさは、これはもう特筆モノです。
映画史にガッチリ刻まれるべき名ダンスシーン、とぼくは感じています。
+ + +
「『Thank you very much』の大群舞が二つある」と書きましたが、しかし、なぜ『Thank you very much』ダンスが2回も繰り返されるのでしょうか?
実は、その二つは全く意味が真逆なのです。
1回目の『Thank you very much』は、実はスクルージから金を借りている町の人たちの「けちんぼスクルージよ、死んでくれてThank you very muchだぜ」という、皮肉的な『Thank you very much』です。
2回目=クライマックスの『Thank you very much』は、スクルージが改心し、全てに感謝している言葉としての『Thank you very much』です。
この2回の相反する『Thank you very much』で、映画陣は何を観客に伝えたかったのでしょうか?
それは、「町の人たちはスクルージとは違い善人と思えるかもしれないけど、決してそうではない。スクルージも町の人たちも一皮むけば罪深く、同列なんだ」ということだとぼくは感じています。
ぼくの推察は間違っているかもしれません。でもなぜ、『Thank you very much』は2回歌い踊られるのか?そこには必ず深い意味が隠されていると思います。
『I like life』という言葉が響く
歌のシーンでもう一つ。『I like life』の歌もまた、シンプルで素敵です。
「I like life」訳すと「人生が好きさ」ってなります。これ、そうそう言えない言葉ですよね。正直言って少なくともぼくは、なかなか言えない。
日々、辛いこともそれなりにあるし、不思議なんだけど、楽しいことって、すぐ忘れてしまいます。
そんな当たりまえなことを歌でさらりと教えてくれるのが、『I like life』です。
人はいつでも変わることができる
クリスマスイブがやってくるたびにぼくが見続けてきた『クリスマスキャロル〜SCROOGE』(1970)。
不思議なことに、この映画は、観るたびに違う発見や感動、驚きをくれるのです。
過去観た時は、なんとも思わなかったシーンで、突然涙がこぼれたり、納得できなかったスクルージの姿勢が突然理解できたり。ほんと、違う発見を次々するのです。
それはなぜか?
以下、そのなぜ?に答えることで、『クリスマスキャロル〜SCROOGE』(1970)のぼくの評価に替えます。
『クリスマスキャロル〜SCROOGE』(1970)評価は殿堂入り
DVDをセットして、プレイボタンを押して、観劇2時間。その度ごとに、新しい気づきがある映画が『クリスマスキャロル〜SCROOGE』です。それはなぜか?
答えは、実は、なんてことはありません。それは観ている自分自身が、去年のイブから一年たち、良きにつけあしきにつけ「経験を重ねて変わっていっているから」です。
その一年の「変化」を『クリスマスキャロル〜SCROOGE』(1970)は、まるで鏡のように見せてくれるんです。
毎年繰り返しこの映画を観ることで、ぼくは『クリスマスキャロル〜SCROOGE』から「人は常に少しずつ変わっていく」ということを教えてもらいました。
スクルージが一夜にして変わったのは、奇跡でもなんでもないと、今、ぼくはリアルに思います。
「人はいつでも変わることができる」
「『Thank you very much=ありがとう』という言葉は全てを変える」
「I like life~人生が好きさ」
『クリスマスキャロル〜SCROOGE』のメッセージはこの3つに尽きます。
今年もクリスマスイブには、ぼくは間違いなく『クリスマスキャロル〜SCROOGE』を観るでしょう。
もちろん評価は星五つ⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️の殿堂入りです。
『クリスマスキャロル〜SCROOGE』配信先は?DVDは手に入る?
以下のサービスで配信レンタル可能です
Prime Video | レンタル |
Apple TV | レンタル |
DVD・ブルーレイともに販売されています。
コメント
[…] 『クリスマスキャロル』です。 […]