『テノール!人生はハーモニー』ネタバレ・あらすじ感想評価レビュー|パリオペラ座にラッパーが勝負をかける

音楽・ミュージカル・ダンス

『テノール!人生はハーモニー』
ネタバレあらすじ・感想・評価レビュー

本記事にはネタバレが含まれます。
感想・評価は一個人の印象です。鑑賞予定の方はご留意ください。



こんにちは、映画好き絵描きのタクです。
今回レビューするのは、2022年公開のフランス映画
『テノール!人生はハーモニー』(原題:Tenor。上映時間は101分です。

下町でラップに明け暮れる青年が、
名門・パリ・オペラ座で「テノールの才能」を見出される――
音楽映画としては王道とも言える設定ですが、
ラップ×オペラ という異色の組み合わせが、本作ならではの魅力になっています。

主演はラッパーの MB14
実際に彼自身の歌声が物語の軸を担います。
その声は、観る者にどう響いたのか。
率直な感想も含めてレビューしていきます。




『テノール!人生はハーモニー』解説

ラップとオペラ、そしてパリ・オペラ座

音楽が物語の中心にある映画は、完成度が大きく崩れにくい――
個人的に、そう感じる作品が多いです。
音楽そのものが、すでに強い感情装置だからでしょう。

『テノール!人生はハーモニー』が面白いのは、ラップとオペラという、交わらなさそうな二つの音楽を物語の核に置いた点
この大胆な発想を、フランス映画らしい軽やかさでまとめています。

舞台となるのは、実在する パリ・オペラ座
実際に内部で撮影が行われ、その豪奢な空間が存分に映し出されます。

観ているだけで、
「ここで声楽を学ぶとはどういうことか」
を肌で感じさせる説得力があり、建築そのものが語り部になっている ようでした。





 

「光と影」が交差する物語

『テノール!人生はハーモニー』を貫くテーマは、
「光と影」「ひなたと日陰」 の対比です。

・貧困層と富裕層
・路地裏とオペラ座
・ラップとクラシック
・持つ者と、持たざる者

相反するものが出会う場所に、ドラマは生まれる。
そのことを、『テノール!人生はハーモニー』は非常に分かりやすく、
しかも過剰にならないバランスで描いています。



 あらすじ(ネタバレなし)

では、ここで数行簡単にストーリー紹介です。

+ + +

主人公アントワーヌは、下町でラップバトルに明け暮れる若者。
兄とともに、決して楽とは言えない日々を送っています。

ある日、寿司のデリバリーで訪れた先が、パリ・オペラ座。
そこで偶然、声楽講師にその「声」を見出され、
オペラの世界へ足を踏み入れることになります。

まったく異なる価値観と環境。
才能はあっても、過去と現実が彼の前に立ちはだかる――
果たしてアントワーヌは、自分の声で未来を切り拓けるのか――。

….というあらすじです。



『テノール!人生はハーモニー』感想です

以下の感想はネタバレを含みます。また、個人的に抱いた印象を文に置き換えています。

映画を見たい方はスルーして、まずは映画をお楽しみください。そののち、一個人の感想を知りたいと思ったときに改めてお読みください。

登場人物の「対比」が光る

アントワーヌの周囲には、
彼が「持っていないもの」を持つ人物ばかりが登場します。

  • 名声と経験を持つ声楽講師
  • 腕っぷしは強いが不器用な兄
  • 想いを寄せる幼なじみ
  • 裕福な家庭で育った音大生たち

この対比構造が、ストーリーをとても分かりやすくしていて、
笑わせたり、ハラハラしたりのきっかけとしてもうまく働いています。

ただし、感情の「うねり」は控えめ

正直に言うと、
ドラマの山場で、強く感情を揺さぶられる瞬間は、ぼくは少なかった…です。

物語には確かに転機や葛藤が用意されています。
しかし、それらがやや整いすぎていて、
「ハラハラ」よりも「なるほど」と受け止める感覚が勝りました。

MB14が歌い上げるシーンに震える

一方で――
歌唱シーンの力は別格 です。

MB14が歌い上げる場面は、
物語の弱点を補って余りある説得力があり、
音楽映画としての満足度がしっかりあります。



ラップ字幕について

ラップバトルの日本語字幕については、
どうしても気になる点が残りました。

ラップは「意味」以上に
リズム・韻・言葉の勢い が命です。
今回の字幕は内容理解を優先した分、
映像と音楽の一体感がやや薄れた印象を受けました。

もちろん翻訳の難しさは承知していますが、
もう一歩踏み込んだ意訳があれば、
体感としてのラップの魅力はさらに伝わったように思えます。

ただし、
クライマックスの歌声は文句なし
ラストで一気に評価を引き上げる力がありました。



クライマックスとシャガールの天井画(ネタバレ)

ラスト&エンディング使用曲は?

クライマックスで歌われるのは、
プッチーニ作曲の「誰も寝てはならぬ」です。

そしてラストに映し出されるのが、
パリ・オペラ座ガルニエ宮の天井画、
マルク・シャガール 作《夢の花束》。

愛、音楽、芸術、人生。
映画『テノール!人生はハーモニー』が描いてきたすべてを、
愛の作家とも呼ばれるシャガールの絵に託したエンディングは、
とてもフランス映画らしい余韻を、心に深く残しました。




『テノール!人生はハーモニー』ぼくの評価は?

ぼくの評価は五つ星満点中、星三つ★★★☆☆です。3.05

この★★★☆☆は「可もなく不可もなく」ではなく、
刺さる人には、きちんと刺さる一本….という評価です。

物語の起伏よりも、「声」と「音楽」が主役の作品と感じましたし、ラストに響く余韻が楽しめる音楽映画として好感が持てました。
でも、強烈な感動を求めると物足りなく感じるかもしれません。

突出した一本とは感じませんでしたが、音楽映画としての心地よさと、ラストの歌声がしっかり印象に残る作品でした。

こんな方々におすすめです。

  • 気軽に音楽映画を楽しみたい方
  • ラップやオペラ、クラシックに興味がある方
  • 成長物語が好きな方
  • 「才能はどこで見つかるかわからない」と感じたい方




スタッフ・映画情報

監督

クロード・D・ジュニア

原題

Tenor

製作年

2022

製作国

フランス

上映時間

101

キャスト

俳優名

配役

MB14

アントワーヌ

ミシェル・ラロック

声楽講師

ロベルト・アラーニャ

本人役

ギヨーム・デュエム

ステファーヌ・トゥバック

マエヴァ・エル・アルーシ

サミール・デカッツァ

マリー・オベール

ルイ・ド・ラピニエール




『テノール!人生はハーモニー』配信先は?

配信は以下の通りです。レンタルのみのようです。(2023年11月現在)

配信先 配信・レンタル状況 無料期間&料金
U-NEXT レンタル 初回31日間無料 2,189円(税込)
DMM TV レンタル 初回30日間無料 550円(税込)
Rakuten TV レンタル なし 登録料無料
TELASA レンタル 初回2週間無料 618円(税込)
クランクインビデオ レンタル 初回14日間無料 990円(税込)

MB14とロベルト・アラーニャが本編で歌う公式映像

最後に主役を演じたMB14とフランスの大物オペラ歌手ロベルト・アラーニャが劇中で歌う公式映像を貼っておきます。







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