こんにちは。運営人の映画好き絵描きのタクです。実は運営人のぼくはエージェント工作員系映画が、苦手…。スパイ映画、エージェント映画って、面白いか、わけわからなくなるか?のどちらかになってしまします。
にもかかわらずリドリー・スコット監督の、テロリストとCIAエージェントの戦い裏舞台を描いた『ワールド・オブ・ライズ』(2008年公開)を観てみました。
配役はレオナルド・ディカプリオとラッセル・クロウというヘビー級売れっ子。というわけで期待も大ですが、はたしてぼくの感想は??「中東舞台のテロリスト×CIAの丁々発止ストーリー2時間」をレビューします。
『ワールド・オブ・ライズ』予告編
『ワールド・オブ・ライズ』あらすじは?
物語を進めるのは、はCIAエージェントのフェリス(レオナルド・ディカプリオ)と上司の頭脳明晰かつ冷徹なホフマン(ラッセル・クロウ)だ。
フェリスは中東の現場で命をはるエージェント。一方ホフマンはアメリカ本土から電話で指示。そんな二人は水と油のような存在だ。
物語はイラクでスタート。国際テロ組織リーダーのアル・サリームを捕まえる任務がストーリーの柱だ。
フェリスは部下のバッサームとアル・サリームを捕獲するため情報提供者のニザールという男と接触。
しかし、ホフマンの遠隔指示に従っていた結果、銃撃戦となり、バッサームは死亡。フェリスも大怪我を負ってしまう。
が、結果、情報提供者のニザールから、テロ組織リーダー、アル・サリームの隠れ家が判明。
ホフマンはフェリスに新たな指令を出し、フェリスはヨルダンへ飛ぶ。
フェリスは、自分の判断で、ホフマンに伏せたままヨルダン情報局統括責任者ハニに会う。
ハニとの信頼を築くことが任務に大事だと思ったからだ。
ハリは頭脳明晰、工作が通じない相手だ。
手を組む条件として「ウソをつかないこと」を出され、フェリスは「もちろん」と、条件をのむ。
次第にハリから信頼を置かれるようになるフェリス。
しかし、ホフマンの裏工作によってフェリスとハリ二人の信頼関係は瓦解。
フェリスは、ホフマンのシナリオを無視し、単身サリームを追う。
任務の途中、フェリスはまたしても負傷。
訪れた病院で看護師アイシャと出会うフェリス。
アイシャにほのかな思いを抱いたフェリスは自身の気持ちをアイシャに伝え、二人の距離は縮まってゆく。
しかし事態は急転する。
アイシャが誘拐されたのだ。
アイシャを救い出そうと単身動き出すフェリス。
はたしてフェリスはアイシャを救い出すことはできるのか?
というあらすじです。
『ワールド・オブ・ライズ』結末ラスト〜ネタバレ注意
以下は結末ラストまでのネタバレとなります。映画を見る方はスルーしてください。
フェリスはアル・サリーム側に捕縛され、隠れ家に連行される。
サリームの容赦ない拷問に耐えるフェリス。
フェリスが口を割らないとみたアル・サリームは半月刀でフェリスを叩き切ろうとする。
危機一髪のところに武装部隊が突入。救いの手を差し伸べたのは、信頼が壊れたと思っていたヨルダン情報局のハニだった。
傷が癒ぬ間にフェリスはホフマンと再会。
ホフマンはフェリスに昇進と帰国を申し出るが、フェリスは断る。
フェリスはCIAを離れ中東に生きるとホフマンに伝え、袂を分つ。
ラストは衛星監視システムでフェリスの姿を見守るホフマンの姿。
フェリスがアイシャの元に戻ろうとするのをの確認し、監視を外す。
ジ・エンド
『ワールド・オブ・ライズ』感想は?
感想の前に〜正直告白〜諜報機関系映画が苦手なぼく
実はぼくは「エージェントもの=諜報機関もの」が苦手です。
なぜなのか?
スパイやエージェントが主役の映画のストーリーって、ほぼほぼ、「裏の裏をかくストーリー」じゃないですか。
その騙し合い・裏切りっこが畳み掛ける「テンポ」についていけずに、あれれ??…となるのです。
もっと砕けた言い方すれば、「わけわかんなくなる」のです。お恥ずかしい…。
正直に言います。中学、高校あたりに見ていた007シリーズは、ほぼほぼ観ている途中で挫折。
いつも、「あれ?この登場人物はどっから出てきたんだっけ?」「え?なんで今、世界の裏側に舞台が移ったんねん??」という感じ、、、。
敵の裏の裏をかき、地球をぐるりと股にかけるのが、諜報エージェントモノの定番ですよね。
「裏の裏のそのまた裏って、どうなんねん??なんでいきなりパリの社交界からモロッコのバザールなんねん?」と、ぼくは、わけわからなくなっていくのです。中高生時代から何十年経った今も。
お恥ずかしいけど、感想の前に、そのこと告白しておきます。
では『ワールド・オブ・ライズ』は理解できたの?
そもそもCIA=アメリカ情報局ってやっている仕事場自体、一般の人が知り得ない世界ですよね。
ぼくらが裏舞台を知り得ない、ある意味謎めいた裏社会を映画にしているわけです。
だからたとえ、フィクションであっても、ストーリーを観客にわかりやすく伝える脚本って、とっても大事だと思います。
この映画を観たぼくの「結果」は「混乱ぜず最後まで理解して観れました」です(笑
エージェント系の映画って、ぼくの場合、ストーリーが混乱してつまらなくなるか?それとも突き抜けるか?どっちかしかない、とぼくは思っています。スパイやエージェントモノって、どちらかに振り切れちゃう。
ぼく的に、いい方に突き抜けた例としては『ミッションインポッシブル』の第1作がそれ。
ぼくが混乱してダメなのは、先にも書いた007シリーズ。(これはあくまで超個人的な感想で、007シリーズを低評価しているわけではありません!相性みたいなものだと思います)
この映画を最後までちゃんとわかって観れた理由は、レオナルドディカプリオとラッセルクロウの2人のエージェント(上司と部下なんですが)の「役回りの両極端な人柄=役柄」が活きていたからだと思います。
レオナルドディカプリオ役は、中東の現地最前線工作員。「事件は現場で起こってるんだ」タイプ。
一方ラッセル・クロウの演じる上司役は、タマの当たらないアメリカ本土の安全なところからのオンラインタイプ。
2人は上司部下の関係ですが、水と油なのです。
フェリスは現地の空気を読み、信頼を作り工作を積み上げていくのですが、ホフマンは効率優先、信頼をぶち壊すこともいとわない。
この設定によって、ぼくは無意識のうちにフェリスに感情移入してしまったのだと思います。
また、ハニ役のマーク・ストロングもいい感じをめちゃ出しています。(個人的に好きな役者さんです。声がまたいいんですよね。『ロビンフッド』『6日間』『ウェイバック・脱出6500km』にも出てます。2本は過去レビュー記事あります。)
『ワールド・オブ・ライズ』は、『ミッションインポッシブル』とも『007シリーズ』とも全く違った、フェリスは生身感バリバリ。全然スーパーマンじゃない。ラッセル・クロウのオンライン上司っぷりも見事です。マークストロングのおさえた演技も良いです。そんな配役設定が、ぼくとは相性がよかった。だからラストまで観れたのだと思います。
『ワールド・オブ・ライズ』評価は?おもしろい?それともつまらない?
最後まで観れた。新鮮だった。と書きました。しかし、評価となると別物です。
映像はスタイリッシュですが、、、
確かに、全編通して、映像としてはリドリー・スコットならではのセンスを十二分に感じます。
爆破シーン、銃撃戦、チェイスシーンと、そんなハラハラシーンは、スタイリッシュな映像が楽しめます。
主役の二人の対照的な描き方も悪くないと思います。ハニの存在感も良いです。
でも、映画全体としてみた場合、全てが印象が薄いのです。テロリストの型通りの描き方にも「ああ、悪役はこうだよね…」という感じでペラペラした感じ。
結局観終わっても、ぼくは心に満足感がありませんでした。観終わって、劇中の主人公たちが心の中に残らなかったです。残念…。
『ワールド・オブ・ライズ』はおすすめか?
評価の大事なところは、「観てみようかな、どうしようかな?」と迷っている方に「おすすめムービーです!観て!」と言えるかどうか、、、も大事です。
しかしこの映画は、ぼくは「う〜〜ん、、、」と口篭っちゃう…。
「エージェント系が好きでしたらどうぞ」が正直なところ。
星評価するなら、五つ星中、星二つと半分。
個人的に好きなリドリースコット監督作品ですが、映画レビューサイト運営人は、やはり自分に正直であらねばなりません。….ぼく的にはちょっと残念ムービーでした。。。
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