『幸せなひとりぼっち』映画の配信先、あらすじ、感想考察レビューまで

ハッピー・ラブ・コメディ

小さな町内会にくらす、妻に先立たれた孤独な初老の男。そして隣に越してきた移民家族。死を決意した一人の男と隣人達との繋がりの中に、幸せとは何か?を考えさせられるスウェーデン映画です。「不機嫌」なる老い。それに連なる過去。そして小さな出来事の積み重ねが描かれ、幸せのありかを問いかけます。

『幸せなひとりぼっち』どんなあらすじ?

主人公はスゥエーデンのちいさな田舎町に暮らす58歳の男性オーべ。

オーべは妻最愛の妻を亡くしたばかり。早期退職を促された彼は、生きる希望を失い、妻の後を追おうとする。

そんなタイミングに隣にトルコの移民が引っ越してくる。後追い自殺のタイミングを失ってしまうオーべ。

この後もオーべは死のう、と思うと隣人の無邪気な邪魔が入る。

町内会のルールにとことん厳しいオーべは隣人が疎ましくて仕方がない。

一方、隣人はそんなオーべの性格お構いなしで、次々と頼み事をしてくる。

隣人との心の交流が、オーべの固まった心をほんの少し、また少しと溶かしていく。

オーべを形作った過去の出来事の振り返りと、今がドラマの中で交差していく

といったものがたりです。

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『幸せなひとりぼっち』感想・考察レビュー

誰でも周りを見回せばいますよね、やることなすこと細かい人。で、それを人に押し付ける人。

それが人生の先輩たる年配者だったりすると、もう大変。この映画の主人公はそんな爺さんです。と思っていたら、「59歳ですよね」というセリフが。

なんだ、ぼくより一つ年下じゃないかてことは、ぼくも立派なジジイかと、設定に苦笑いしつつ、アタマを掻きながらの観劇と相成りました。

町内会という小さな世界を軸に、主人公の爺さんと言ってしまうほど爺さんっぽい。やっぱり59歳には見えないから、以後爺さんと言います。

物語は、その堅物爺さんと「隣近所の住人たちとの関わり」が、タテ軸です。

では、ヨコ軸は何か?ヨコは爺さんの「過去」です。

爺さんはとことんガンコです。ガンコって別の言い方するなら、とんがった父性といってもいいかもしれません。

ヨコ軸では、その、「爺さんの強い父性」がどうしてもかたち作られたかが明かされます。と同時に亡き妻との出会いや妻の人となりも描き出されます。

強い父性持ってる男を平たく言えば、まあガンコジジイですね。なんで彼がそうなったのか?そこには頼りになる鉄道員であり、「クルマはサーブ!」とこだわり決めていた父の存在があります。

爺さんの強烈な父性は「男はかくあるべき!」という父親の影響でもあるんだとぼくは思いました。

タテ軸となる、隣人はトルコ系移民です。越してきたばかりのころの隣人は、爺さんからするとエイリアンなんですね。

とことんガンコジジイの彼にとっては、エイリアン的隣人一家は目障りな存在でしかありません。一方で隣人一家は先入観なく爺さんに接します。

良いですよね、ガンコとピュアの交流って。みててハラハラもしますが、爺さんの心が少しずつほぐれていく様子に、こちらもホッとします。

オーべの妻の追想シーンで「今を一生懸命生きればいいのよ。」というセリフがあります。ぼくにはこのセリフが直球で響きました。

ぼくにとって、この映画から受け取ったメッセージは、この一言につきるかもしれません。

ラストは暖かくもしんみりした気持ちで観終えることができました。

丁寧に作られた映画だと思います。

『幸せなひとりぼっち』ぼくの評価

ガンコなオーべの姿には、同年代故の「イテテ」がありました。観る世代によっても評価が変わると思います。

ぼくの評価は80点でした。見てよかった映画です。

ラスト、子供のとある仕草=町内ゲートのドアをきちっと閉める仕草=が、いい読後感(観後感?)をくれました。

『幸せなひとりぼっち』スタッフ・キャスト・受賞歴

監督はハンネス・ホルム。スエーデンの人。元々役者さんだとのこと。

主演はロルフ・ラスゴー。ゴールデンビートル賞(スエーデンのアカデミー賞)にて主演男優賞と観客賞をダブルで受賞しています。





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