映画『ヒッチャー』考察・評価|ネタバレあり・ルトガーハウアー版・心臓急停止ムービー

スリラー・SF・アクション

こんにちは!映画好き絵描きのタクです。今回レビューする映画は、『ヒッチャー』です。

『心臓急停止』。たしか1986年の公開当時、『ヒッチャー』のポスターにはそんなキャッチコピーが書かれていたと記憶しています。

主演は、ルトガー・ハウアー。 リドリー・スコット監督の近未来SF『ブレードランナー』(1982年公開)で、人間たちに反乱を起こす、心を持ってしまった人造人間=レプリカントの悲哀を強烈に演じ、その存在を映画ファンに印象付けました。

その彼が主演したサスペンススリラーが『ヒッチャー』。2021年にニューマスター版が公開され、今は配信もされています。

時代越えても色褪せない、心臓バクバクハラハラ映画の傑作だと思います。では、簡単なあらすじからどうぞ。




『ヒッチャー』あらすじです

舞台はアメリカ。砂漠の中をどこまでも一本の道が伸びる。若者が一人、クルマを運転している。若者が主人公のジム。クルマの陸送バイトにありつき、ロングドライブの途中だ。

そんな陸送の途中、土砂降りの中、親指を立てて立つ一人のヒッチハイカーを拾う。

男はジョン・ライダー(ルトガー・ハウアー)と名乗る。「どこまで?」とジムが聞いても、なぜか会話をはぐらかすライダー。

そんな途中、乗り捨てられた一台のクルマを見つけ、止まろうとするジム。

しかし、ライダーはナイフで停車を制止する。

ライダーの殺意に、ジムは隙を見て車からライダーを突き落とす。

窮地脱出に雄叫びをあげるジム。

狂気のヒッチハイカーとおさらばと思ったジムだったが、行く先々に現れ、手段を選ばずジムをつけねらうライダー。

その執拗さは強烈だ。彼の過ぎ去ったあとに残されるのは、血溜まりと破壊。

ただ陸送を引き受けただけの普通の若者ジムの精神は、恐怖と狂気の間に次第にボロボロになっていく。

物語の中盤、ジムは一転、警察から追われる身となる。

途中助けを求めたドライブインで働く女性との偶然の再会が、急転直下の逃避行へとなだれ込む。

はたして彼らは、ジョン・ライダーの言われなき殺意と狂気から逃れることができるのか

といったあらすじです。

『ヒッチャー』考察

ヒッチハイクのマナーが壊れた時…

ヒッチハイクって、したことがある方、日本では多数派ではないと思います。

海外の交通の便が良くないところでは、意外とヒッチハイク、多いです。

ただ、ヒッチハイクには、なんとなく暗黙のルールみたいなものがあります。(ぼくが思っているだけかもですが)

載せたドライバーが声をかけたら、礼節で答える。どういうことかっていうと、あまりハイカーから一方的にベラベラってのはマナー違反だったりします。

無口なドライバーには無口で応じる。おしゃべり好きなドライバーには、それなりに、という感じでしょうか。

基本、ドライバーは「ああ、こんなとこでポツネンは大変だよ。次の町まで乗っけてやるか」という善意で拾うわけですよ。ヒッチハイカーはそこを忘れちゃいけません。

おまけにクルマは密室です。なおさら旅人マナーが求められるんですね。

さて、この映画、「アメリカで公開されるやいなや、ヒッチハイクの旅人をピックアップするドライバーが激減した」とパンフレットに書いてあったように記憶しています。(パンフが見当たらないのが悔やまれる)

よーくわかります。それほどこの映画はコワイです。

ゾンビやクリーチャー、エイリアン系のツクリモノの怖さではありません。

また、論理的な説明がつく「怖い目」でもない。

全編貫いているのは、非条理で何を考えているかわからない殺人狂につきまとわれる怖さです。これほどの恐怖はありません。

ルトガー・ハウアーはもとより、主人公ジムを演じるC・トーマス・ハウエルがうまいです。最初から最後まで主人公に感情移入してしまう映画でした。

怖いルトガー・ハウアーとその魅力。

どこまでも付きまとうヒッチハイカーを演じているのがルトガー・ハウアーです。

狂気の行動の中に「冷静さ」を見せる目がヨイです。ブレードランナーのレプリカント役の時もそうでしたが、普段きちっとしてるけど、ネジ一本外れたら怖いよという役は、どハマりだと思います。もっともルトガー・ハウアーはそれを嫌がっていたと、何かで読んだことがありますが、、、

物語の展開とともに狂人のネジが次々外れていくんではなく、クライマックスまで、外れているのはどこかの一本そんなイメージ。

周りにも、微妙なネジ外れ加減の人っていませんか?意外と一番怖いのはそんなヒトかもと思ってしまいます。

指で演技させたら世界一のルトガー・ハウアー

実はぼくはルドガー・ハウアーの「指」が好きなのです。って書くと変態っぽい笑

そうではなく、手と指の演技増幅力が他の役者さんよりずば抜けているように思えます。

多分日本人の指の太さの2倍はあるような指です。セリフなくともちょっとした手の形、指のフォームで雄弁に語ります。ほんのちょっとなんだけど、すごいなあ。

彼主演の佳作で『聖なる酔っ払いの伝説』という映画がありました。この映画も、ルトガーハウアーの手が思い切り印象に残っています。

ボロボロさがすごい、C・トーマス・ハウエル。

わけもなくつけねらわれる陸送バイトの主人公をC・トーマス・ハウエルが演じていますが、追い詰められ方がハンパなく良い、というか演技迫真。

サスペンススリラーって、カナメは「シーンドヒャっ❗️」よりもむしろ、主人公の「心の壊れ方」をどう描き出すかでしょう。

この映画で描かれる主人公の心の壊れ方。すごいです。そしてまた、復活も一見の価値ありです。

『ヒッチャー』ネタバレラスト~観たい人は閲覧禁止

1980年代~ミレニアムまで、「終わったと思ったら、まだ終わってなかったのねサプライズクライマックス」が全盛の時代でした。

最初にそれを衝撃的にやったのは、たぶん『エイリアン』だったように思います。(違ってたらごめんなさい)

その後、『ターミネーター』や『ダイハード』といっためちゃ売れムービーにその流れは持ち込まれました。

この映画もラスト、うまい具合にその流れを汲んでいます。

ようやく、ようやく、やっつけたぜと思ったルトガー・ハウアーが………ここまで書けばわかりますね。

しかして、肩凝りまくりでラストまでなだれこみます。ルトガー・ハウアーもトーマス・ハウエルも絶品でした。

『ヒッチャー』評価バラバラだけど、ぼくの評価は…

映画サイトに寄せられているコメントの中にはもちろんこの映画の批判的な面として、「なんでライダーがそこで登場するのか、辻褄合わない」とか、「ルドガー・ハウアー強すぎる。警察弱すぎ」といったコメントも寄せられています。

ですがぼくはそうは思わない。

ある程度まで許される「ご都合主義」と、ある程度まで許される「非条理主義」は、映画を観終わるまでそれに気がつかなければ、ヨシとしています。(途中気がついちゃう映画は「残念ムービー」になっちゃいますけど)

非条理もご都合主義も監督とシナリオの力量と役者のパワーが有れば、ラストまで非条理もへったくれも蓋してしまって、気がつけば観せ倒されているんですよね。

特にスリラーは、それで良いと思います。

『一体彼は誰だったんだ?』という謎を残して終わらせるシナリオは、もちろん敢えてのことでしょう。

ぼくの評価は、10点中9点でした。-1点は女の子をあんな終わらせ方しちゃ、あまりにかわそうだったことでの-1点。(それゆえに更なるラストにつながっていくんですけどね、、、)

『ヒッチャー』スタッフ・キャスト

監督/ロバート・ハーモン 脚本/エリック・レッド

キャスト/C・トーマス・ハウエル  ルトガー・ハウアー  ジェニファー・ジェイソン・リー 他

『ヒッチャー』配信先は?

Prime Videoで配信中です。リメイクも配信されているので、お間違えのないように。




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