『とらわれて夏』ネタバレあらすじ・考察・解説・感想レビュー

ヒューマン・ハートフル

こんにちは、運営人の映画好き画家のタクです。今回レビューする映画は、スリラー×ラブストーリー×思春期男子夏への扉…と、贅沢な掛け合わせの『とらわれて夏』2014年公開・アメリカ映画です。




なかなか出会わなかったタイプの映画でした。最後まで惹きつけられました。

タイタニックで世に出た美人女優ケイト・ウィンスレットが「え?この人ケイトなの?」と思わせるほどの別人的演技を見せてくれます。

遠い夏の日に想いを馳せたくなるような、そんな『とらわれて夏』。

脱獄囚と心通わせた母子家庭の意外な展開にざわざわしっぱなし、、、そんな『とらわれて夏』をレビューします。

原題の『レイバー・デー(英語: Labor Day)』は、「労働者の日」の意味です。アメリカ合衆国の祝日の一つであり、9月第1月曜日とのことです。(アメリカ映画:111分)



『とらわれて夏』予告編




『とらわれて夏』スタッフ・キャスト

◾️スタッフ

監督:脚本/ジェイソン・ライトマン 撮影/エリック・スティールバーグ 編集/デイナ・E・グローバーマン 

◾️キャスト

アデル・ウィーラー  /ケイト・ウィンスレット

フランク・チェンバース  / ジョシュ・ブローリン

ヘンリー・ウィーラー  /ガトリン・グリフィス

成人後のヘンリー・ウィーラー / ナレーター – トビー・マグワイア

青年期のフランク・チェンバース / トム・リピンスキー



『とらわれて夏』あらすじは?

舞台はアメリカの小さな田舎町。

夫と離婚し鬱病となったアデル(ケイト・ウィンスレット)は、13歳の息子ヘンリー(ガトリン・グリフィス)と二人暮らしだ。

重い鬱は車の運転にも支障をきたすほど。

アデルとヘンリー2人はスーパーに買い物に出かけたところ、怪我を負った脱獄囚フランクに脅され自宅に匿うこととなる。

 

最初フランクを恐れていた2人だが、フランクはどうやら凶悪犯ではなく、弾みで人を殺めたようだ。

「夕方まで匿ってくれ。迷惑はかけない。すぐに出ていく」

というフランク。

こわもてだが実直なフランクに、アデルとヘンリーは、次第に心を許し、傷が治るまで家に居るように伝える。

男手がいなくなったアデルの家は荒れていた。

家の修理を黙々とするフランク。

父がいないヘンリーにフランクは工具の使い方や野球のボールの握り方までさりげなく教える。

しかし、フランクは脱獄犯だ。次第に警察の影がちらつきはじめ、隠していたフランクの存在が漏れはじめる。

息子ヘンリーは、思春期ゆえのデリケートな心から、母アデルのフランクへの愛情に戸惑う。

ヘンリーの子供から大人へ移りゆく性への目覚め。

ヘンリーのほろ苦い時間に重なるように、迫る警察の捜査の手。

フランクがなくてはならない存在となってしまったアデル。

アデルはフランクとヘンリーに「誰も見知らぬカナダの地で3人で暮らそう…と、全てを捨てての旅立ちを密かに計画する…。

…といったあらすじです。



『とらわれて夏』結末ラストは?〜ネタバレあり閲覧注意!

ドラマ後半、ほんのちょっとしたことの積み重ねが、次第に3人の運命を翻弄する。

旅立ちの日、ヘンリーは離婚した父への想いを手紙にしたため、郵便ポストへ投函に出かける。

その帰り道、一台のパトカーがヘンリーを呼び止める。その日は学校の始業式の日だったのだ。

一人歩くヘンリーを保護した警官は家まで送り届けるが、荷物が満載された車の様子に不信を抱く。

なんとかその場を乗り切る母アデルと子のヘンリー。

新天地での暮らしに必要な現金を引き出すため二人は銀行を訪れる。

その額の大きさに不信感を抱く行員。機転をきかしたヘンリーのジョークでことなきを得る。

しかしその時、自宅に残っていたフランクは近所の主婦に見つかってしまう。

もう猶予はない。今すぐ出発だ。

しかしヘンリーは「自分の部屋に別れの挨拶をしたい」と子供部屋に駆け上がる。

遠くから響くサイレン。

サイレンが家の前で止まる。

フランクのとった行動は意外なものだった。

アデルとヘンリーを椅子に縛りつけたのだ。

2人が警察から人質にみえるようにすること。それは、逮捕から逃れられないと悟ったフランクが、二人に罪が及ばないためにできる唯一の方法だった。

 

警察に確保されたフランクは再び長い刑期に服役することになった。

アデルは刑務所のフランク宛に手紙を何通も出したが、全ては返送されてくる。

時は流れ、ヘンリーはパン屋を経営していた。

奇しくもフランクがレシピを教えてくれたピーチパイが店の人気商品だ。

そんなヘンリーの元に、フランクからはじめて手紙が届く。

「刑務所で見た雑誌でパン屋のことを知った。まもなく刑期をつとめあげ、出所する。もしアデルが再婚していないならば、会いに行っても良いだろうか?」

ヘンリーはフランクに、母の暮らしている家は変わっていない、と、返信を書いた。

長い時を経て再会するアデルとフランク。

彼らの後ろ姿で映画は静かに終わります。



『とらわれて夏』解説

なんの気なしに観た『とらわれて夏』でしたが、ぼくはあっという間に引き込まれました。

なぜ引き込まれたのか?

それはいくつかのドラマがタペストリーのように織りあったゆえ…だったと思います。

解説・この映画の4本の撚り糸

1本目の撚り糸は、

「人の欠けている部分をおぎなってくれるのは寄り添う人の愛」というラブストーリーの糸です。

 

2本目の撚り糸は「少年が異性を通し大人になっていく物語」という、ほろ苦い成長物語という糸

 

3本目の糸は「父が子に何を教えるか?」という父性の糸

 

4本目は、「迫りゆく追っ手からの脱出」というスリラーの糸です。

その4本の糸を1人の脱獄囚フランクが結びつけるのですが、フランクが思いもかけずに一組の母子家庭の二人が抱える欠乏感にぴたりとはまる大切なピースとなってしまうのです。

この4本がピシリとハーモニーとなっています。そのハーモニーがこの映画の魅力かもしれません



『とらわれて夏』考察

誰だって支える誰かが必要

人は心で生きる生き物です。

うつ病の母親アデルを演じるケイト・ウィンスレットの演技が素晴らしすぎます。

だって、最初のシーン数分、ぼくはケイト・ウィンスレットだと思わなかったですから。

息子のヘンリーの支えなしでは生きていけないほど心を病んでいる。

でも、ヘンリーはまだ子供です。

母を支えようとしていますが、子供ですから支え切れるはずがない。

そんな崖っぷちな状況に現れるのが、脱獄犯とはいえ心はまっすぐなフランクです。

お仕着せがましくなく、やることを淡々とやっていくフランクがいつしかアデルの心を占領してしまうのも、わかります。

人って、支える誰かが必要ですもんね。



父と子の関係は誰もができることじゃない

その昔、ハードボイルド小説に『初秋』(作/ロバート・B・パーカー)という名著がありました。

主人公の探偵が、一人の少年に男として生きていくに必要なあれこれを教えるという話でした。

世知辛い世の中を生き抜いてきた人生後半戦も曲がり角に差しかかった男が、未来を担う子にサムシングを教える…っていうのは、ドラマの定番でもありますね。

その『初秋』にも似た味わいがありました。



『とらわれて夏』感想

思春期って残酷だ。

さらにはフランクと母アデルの関係を見つめるヘンリーの思春期独特の目線がドラマに湿度を与えています。

何から生まれる湿度かというと、それはもちろん異性への目覚めです。

たぶん男子は誰もが経験してきただろう10代前半の「説明のつかない心模様」の描き方が秀逸だな、と、ぼくは感じました。

(女性が見てどう感じるかはわからないけど)

 

さらには劇中、ヘンリーは、都会から転校してきた女の子が、男子的に気になり始めます。

その子との関係が、物語をクライマックスへと導く歯車になります。

これがまた、男子思春期スタンダードなのですね。



『とらわれて夏』の静かなエロ

『とらわれて夏』にはどこか官能の匂いがします。

ヘンリーの思春期独特の目線が、そこはかとなく映画全編にうすーいエロの膜をはっているのです。

基本スリラー映画なのですが、ただのスリラーで終わっていないのは、誰でも体のどこかでチロチロうごめいてる官能。そこをついているからだとぼくは感じました。



料理が濡れ場の『とらわれて夏』

エロティックということでもうちょっとお話しします。

とくにフランクが料理を作るシーンは、ただのレシピシーンではありません。これがなかなかグッとくる、ある意味、絶品濡れ場です。

パイ生地を練り上げるときに、フランクが手をアデルの手に重ね合わせる。はっきりいちゃうとそれだけなんですが、めちゃくちゃエロティック。

料理シーンや食べるシーンって、セックスシーンにも似て、映画ではとっっても大事なファクターだとぼくは思っているのですが、(そう感じてるのはぼくだけか?)『とらわれて夏』の料理のシーンはめちゃエロティックですよ。(決して濡れ場ではないんだけどね)

なあんだ、結局ぼくは『とらわれて夏』の「そこはかとないエロ」にやられたのか…と、このレビュー書いていて思いました。

 

でも、エロって、、、ヤダって思う人、多分いないですよね??。

 



『とらわれて夏』ぼくの評価は80点

「この映画、面白いんかな?外れるかもな…。」と、ぼくは正直、映画のタイトルを見た時に思いました。

その理由は『とらわれて夏』という邦題のもつ、なんていうか「B級メロドラマっぽいネーミング」ですよ。

でもね、ぼくは『とらわれて夏』を見終わって、なぜだか遠い夏の思春期思い出すほど切なくなって、ラストでも「ああ、そうくるのね、、、」とこれまたしみじみと気持ちがあったかくなっていました。

多分、邦題をつけた映画配給会社の担当者さんは、原題『Labor day』見終わって、ぼくと同じ、遠い10代のエロ心をくすぐられた気持ちになったんじゃないかな、、、だから『とらわれて夏』ってタイトルつけたんじゃないかな、、、と妙に納得したのでした。(ほんとかどうかはワカラナイ)

しかし、ジョシュ・ブローリンって不思議な俳優さんですね。『ノーカントリー』の時もそう思いましたが、ごく普通の存在感(ってしか言えない…)がスゴイです。

ぼくの評価は80点。

いい映画をありがとうございました。



『とらわれて夏』配信・レンタル情報です

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