『インディ・ジョーンズと運命のダイヤル』アルキメデスとアンティキテラ考察解説

スリラー・SF・アクション

こんにちは!映画好き絵描きのタクです。今回レビューする映画は、スピルバーグ監督作品『インディ・ジョーンズと運命のダイヤル』。ジョージ・ルーカス製作+スティーブン・スピルバーグ監督と、「大御所が指揮をとっている冒険活劇シリーズの最も新しい作品です。





一作目『レイダース 失われたアーク』から40年の時を経てのシリーズ新作『インディ・ジョーンズと運命のダイヤル』。正直、観るのは、「恐る恐る、大きな不安を抱えながら」でした。

だって、過去作『インディ・ジョーンズシリーズ』を全作品映画館で見てきたのです…。主役のハリソン・フォードはすでに80歳…。

「この映画、観るべきか、過去の楽しかった思い出として、そ〜〜っと封印しておいた方がいいのか…。」そんな気持ちでした。

しかし、映画が始まるとその不安は見事に消し飛びました。面白いです!文句なくおすすめです。

映画『インディ・ジョーンズと運命のダイヤル』の感想評価レビューは別記事でしていますが、こちらでは映画をより楽しむため、ストーリーのカギとなるアルキメデスのアンティキテラと、アルキメデスのことについて解説します。



『インディ・ジョーンズと運命のダイヤル』予告編




『インディ・ジョーンズと運命のダイヤル』をより楽しむための解説

『インディ・ジョーンズと運命のダイヤル』では、古代ギリシャの数学者アルキメデスのこと、そして謎の機械アンティキテラが登場します。

このアンティキテラは、架空のものではありません。実際に発見されたものなのです。

ただ、アルキメデスが作ったというのは映画上のフィクションだと思います。天文学的な目的でつくられたものだろう…という推測を、天文学者でもあったアルキメデスと繋げたのだと思います。



アンティキテラって、本当にあるの??

実物の写真をアップします。こんなのです。

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ぼくはアンティキテラに絡む本を過去に読んでいましたのでピンときました。でも、知らない方多いと思うので、以下、Wikipediaのアンティキテラ解説です。(一部抜粋)

アンティキティラ島の機械(アンティキティラとうのきかい、Μηχανισμός των ΑντικυθήρωνMechanismós ton Antikythíron)は、アンティキティラ島近海の沈没船から発見された古代ギリシア時代の遺物で、天体運行を計算するため作られた手回し式の太陽系儀であると推定されている[1][2]オーパーツの一つ。

概要

沈没船の引き揚げ

この機械は1901年考古学者ヴァレリオス・スタイスによってアンティキティラの沈没船英語版から回収された。ただし、その複雑さや重要性は何十年もの間気づかれることがなかった。紀元前3世紀ー紀元前1世紀中ごろの間に製作されたと考えられており、同様な複雑さを持った技術工芸品は、その1000年後まで現れることはなかった[3]

フランス海洋学者ジャック=イヴ・クストー1978年に最後に沈没船を訪れている。しかし、「アンティキティラ島の機械」の残りの部分を発見するには至らなかった[4]アンティキティラ島機械に関する最新の研究を指導しているカーディフ大学マイケル・エドマンド教授は「この装置はこの種のものとしては抜きん出ている。デザインは美しく、天文学から見ても非常に正確に出来ている。機械の作りにはただ驚嘆させられるばかりだ。これを作った者は恐ろしく丁寧な仕事をした。歴史的にまた希少価値から見て、私はこの機械はモナ・リザよりも価値があると言わねばならない」としている[5]

この発見により、古代ギリシア文明は考古学者による従来の想定よりも文明力が優れていることが明らかになった。

実物はアテネ国立考古学博物館青銅器時代区画にデレク・デ・ソーラ・プライスによる復元品と共に展示されている。その他の復元品は米国モンタナ州ボーズマンアメリカ計算機博物館英語版マンハッタン子供博物館に収められている。




インディが読み解いた水があふれる仕掛け

アルキメデスは古代ギリシャの都市国家シラクサの数学者・物理学者・天文学者・発明家、、、要はオールマイティな天才です。いろんな発見をしているのは学校で教えられたはず、、、なんですが、ぼくはすっかり忘れていました。

映画では「インディがアルキメデスの墓を見つけに行くシーンで、水溜まりの中にボンボンと石柱を放り込み、結果溢れた水がゲートを開く」シーンがあります。

インディが謎解きで思いついたのは、アルキメデスの浮力発見エピソードなんですね。お節介かもしれないけど、どんなことかを例え話で以下書いておきますね。

お風呂に入ると水位が変わりますよね。一人の子供が入っても浴槽からお湯は溢れないけど、一人のお相撲さんが入ったら、お湯は溢れでます。その水位の変化の原理です。

映画の中での開けゴマシーンは、そんなアルキメデスの「浮力発見」エピソードをネタとしているのです。

「黄金の王冠」と呼ばれる逸話としていまに伝わっていますので、詳しく知りたい方向けにwikipediaを貼っておきます。(Wikipediaから転載)

『黄金の王冠』

最も広く知られたアルキメデスのエピソードは、「アルキメデスの原理」を思いついた経緯である。ヒエロン2世金細工職人塊を渡して、神殿に奉納するための誓いの王冠英語版を作らせることにした。しかし王冠が納品された後、ヒエロン王は金細工師が金を盗み、その重量分の銀[注釈 3]を混ぜてごまかしたのではないかと疑いだした。

もし金細工師が金を盗み、金より軽い銀で混ぜ物をしていれば、王冠の重さは同じでも、体積はもとの金地金より大きい。しかし体積を再確認するには王冠をいったん溶かし、体積を計算できる単純な立方体にしなくてはならなかった。困った王はアルキメデスを呼んで、王冠を壊さずに体積を測る方法を訊いた[9]。アルキメデスもすぐには答えられず、いったん家に帰って考えることにした。

何日か悩んでいたアルキメデスはある日、風呂に入ることにした。浴槽に入ると水面が高くなり、水が縁からあふれ出した。これを見たアルキメデスは[10]、王冠を水槽に沈めれば、同じ体積分だけ水面が上昇することに気がついた。王冠の体積と等しい、増えた水の体積を測れば、つまり王冠の体積を測ることができる。ここに気がついたアルキメデスは、服を着るのを忘れて表にとびだし「ヘウレーカ(ηὕρηκα!)、ヘウレーカ!(わかった! わかったぞ!)」と叫びながら、裸のままで通りをかけだした。確認作業の結果、王冠に銀が混ざっていることが確かめられ[11]、不正がばれた金細工師は、死刑にされた。

この黄金の冠の話は、伝わっているアルキメデスの著作には見られず、アルキメデスが没してから約200年後、ウィトルウィウスが著した文献『デ・アーキテクチュラ』に記述されているエピソードである。さらに、比重が大きい金の体積をこの方法で調べようとしても、水位変動が小さいため測定誤差を無視できないという疑問も提示されている[12]。実際には、アルキメデスは自身が論述『浮体の原理』で主張した、今日アルキメデスの原理と呼ばれる流体静力学上の原理を用いて解決したのではと考えられる。この原理は、物質を流体に浸した際、それは押し退ける流体重量と等しい浮力を得ることを主張する[13]。この事実を利用し、天秤の一端に吊るした冠と釣り合う質量の金をもう一端に吊し、冠と金を水中に浸ける。もし冠に混ぜ物があって比重が低いと体積は大きくなり、押し退ける水の量が多くなるため冠は金よりも浮力が大きくなるので、空中で釣り合いのとれていた天秤は冠側を上に傾くことになる。ガリレオ・ガリレイもアルキメデスはこの浮力を用いる方法を考え付いていたと推測している[12]




アルキメデスが叫んだ「へウレカ!」って??

「へウレカ」って言葉、某テレビ番組のタイトルにもなっていますが、実はこの言葉はアルキメデスが発したと言われています。「エウレカ」とも言われたりします。

この言葉は何か新しいことを発見した時や、はっと気がついたことを表現する単語に今はなっていますが、元々はアルキメデスの「黄金の王冠」エピソードからきています。

訳すなら『わかったぞ〜!』。

風呂に入っていて「浮力」を発見した彼が、裸のまんま飛び出して町中、『ヘウレーカ!』(ηὕρηκα!=Eureka!)と叫び走り回ったと言われています。



アルキメデス最後の言葉は「私の円をこわすな!」

映画クライマックスで描かれるシラクサ包囲戦は、紀元前212年の史実です。

その昔、古代中海世界で、第二次ポエニ戦争と呼ばれるローマ帝国と都市国家カルタゴの大戦争がありました。その戦いの一つです。

ローマ軍にシラクサが占領された時、アルキメデスは一心に地面に円形図を描き、思索に耽っていました。(占領下でも図形と取っ組み合いってとこが天才ですね)

そこへやってきたローマ兵が「おい、お前!何してんだ?」

図形に熱中して答えないアルキメデスに怒ったローマ兵は、その図形を消そうとし、怒ったアルキメデスは叫びました。「私の円を壊すな!」

「なんだと!?」とローマ兵はアルキメデスを殺してしまったのです。

多分この逸話は後世に作られた話だと思います。しかし、「私の円を壊すな!」というアルキメデスの叫びは、映画の中で半分に壊されて登場する円形機械「アンティキティラ」に繋がっているようにぼくは感じています。

以上、アルキメデスとアンティキテラについての解説考察でした。



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