『特攻大作戦』戦争映画。感想評価レビューからキャスト、あらすじまで。囚人兵たち主役です

戦争・歴史・時代

『特攻大作戦』(原題:The Dirty Dozen1967年公開。イギリス・アメリカ合作。監督は反骨の監督と言われたロバート・アルドリッチ。役者はリー・マーヴィン、ロバート・ライアン、ジョージ・ケネディ、アーネスト・ボーグナイン、チャールズ・ブロンソン、ジョン・カサベテス、テリー・サバラス、ドナルド・サザーランド他出演。1965年に発表されたEM・ナサンソン(英語版)の小説『12人の囚人兵』(原題:The Dirty Dozen)が原作の愚連隊戦争映画です。

『特攻大作戦』邦題タイトルと原題からまずはスタート

この映画、日本での公開タイトルは『特攻大作戦』となっていますが、決して原題が『オペレーション・スペシャルアタック』とか、『カミカゼ・オペレーション』だったわけではありません。

英語タイトルは、『The Dirty Dozen』。Dozenって、しらべてみたら、ダースのこと。121ダース。その単位を表す英語です。

ただ、「安物」といった意味もあるようですので、『12人の汚れた奴ら』みたいなニュアンスかなと思います。

十二人の囚人兵が主人公なので、原題はそのものズバリのタイトル。

「特攻」と「作戦」ワードが邦題に使われたのは、まさしく時代だったからでしょう。今だったら直訳モードで決まりです、きっと。

映画のキモは、囚人兵=どうにも救いようのない札付きワル=ばかり集めた部隊の話です。

『特攻大作戦』「あの連中は、規律や訓練や権力を嫌っている」というセリフ

「あの連中は、規律や訓練や権力を嫌っている」というセリフが出てきます。

映画を引っ張るのは、そもそも権威が大嫌いで、規律、訓練なんて知ったこっちゃない、という12人です。

まあ、軍隊とソリが合うわけがない。

良いですねー!そんなはみ出し者設定、大好きです。

映画の見どころのひとつは、その「はちゃめちゃな統率性のなさ」をどうやってまとめていくか?にあります。

まとめ役は、生還率の低い危険な特殊任務を任される少佐(リー・マービン)です。映画の大半はそんな、訓練まとめシーン。

今見ると、うーん、、、

長い!!

時代が今とは違うと言えばそれまでですが、正直、途中擱座しかけました。この映画が作られた昭和は、時間の流れが違っていました。

『特攻大作戦』どこまでも権威が嫌い

では、イマドキのように「チームが徐々に一丸となっていくだろう」と思うのは、甘いです。一見まとまってきたかなと思うと何かが起こる。権威を嫌う12人は、あくまで権威を嫌い続ける。そんな彼らをこの映画はいい意味で、愛情を持って描いています。

もちろん部隊として認められるシークエンスがなければ、後半の潜入戦闘シーンへなだれ込めませんから、まとまりシーンもしっかりありましたよ。

ぼくが好きだったシーンは、訓練終了後に町の娼婦たちがトラックで兵舎に乗り付けるところ。

札付きワルたちが、彼女らとダンスするのですが、それが子供のように静かで優しい。しみじみと良いシーンでした。

『特攻大作戦』最後の晩餐

そして、出撃前にひと手間かけた料理が振る舞われます。

このシーンは、長テーブルに十二人が一列座り。そしてセンターに少佐がすわる。

そう、ミケランジェロの「最後の晩餐」なのです。

悪党どもが「最後の晩餐」。気の利いた演出でした。

『特攻大作戦』評価〜ネタバレ含む

クライマックスの、フランスレンヌ近郊のドイツ将官が集まる古城戦闘シーンは、3人を残して皆、それぞれの役割を果たし戦死

おいおい、そこまで死なすか的、情け容赦ないエンディングでした。ロバート・アルドリッチ監督は反骨の監督と言われていたそうです。そう聞くと妙に納得ではありました。

でもな、エンドロールにかぶっての死んだ兵士たちの「名誉復活」ナレーションは、ぼくは要らなかった

なんだか最後だけ優等生マークを取ってつけました、みたいで、興醒めでした。

彼らは最後まで権威にはアンチだった…と僕は思うのです。

映画全体としては、ぼくの採点は、「昔の映画」のハンディつけての68点。

『特攻大作戦』キャストのこと

68点と微妙な点数つけましたが、とにかく懐かしい俳優オンパレード、それも、たぶん当時は人気急上昇中のアクターばかり。ちょっと俳優のことを書いておきますね。

1.まずは、アーネストボーグナイン。

当ブログでも書いた『ポセイドンアドベンチャー』で、主人公に対抗する口の悪い警官役の俳優です。その風貌からクセある役回りばかりのような気もしますが、今回は作戦立案の上官役ですが、珍しく?イイ人です。

2.次に、チャールズブロンソン。

その昔、マンダム(若い方は知らないでしょう男性化粧品です)のコマーシャルでお茶の間の人気さらってたチャールズ・ブロンソンなんて、ヒゲで有名だったけど、そのヒゲさえありません。

荒野の七人でもそうだったけど、多勢集まる映画では、イイトコ持っていくんですよね。

このムービーでも相変わらずイイトコ持っていく役回りです。

3.続いて、ドナルド・サザーランド。

一癖も二癖もあるイメージのドナルド・サザーランド(キーファー・サザーランドのお父さんです)も、若い!若いけどやっぱりクセ強すぎ!(褒めてます)

4.そして、ヴィクター・R・フランコ役が強烈にかっこいいのですが、この役者さん、何かで見たことあるけど、誰だろう?最後までわからず、エンドロールでわかり、ヒザ打ちましたよ。

好きな映画『グロリア』の監督、ジョン・カサヴェテスでした。

俳優としての出演作は観たことがなかったのですが、存在感、強烈クールですごかったです。

5.スキンヘッドでこれまた世界を席巻したテリー・サバラス。

この映画では、性格異常?的犯罪者な役回りをしています。ここぞの場面で「ええっ!?そう動くわけ??」とキケンな匂いぷんぷんです。

6.最後に主役というか愚連隊をまとめる指揮官となるのが、リー・マービン。

決して2枚目とは言えないリー・マービンですが、ごつい面構えのリーマービン、札付きのワルばかり集めた部隊を指揮する役として、ズバリと適任でした。

『特攻大作戦』あらすじ〜ネタバレラストまで

Wikipediaから以下、転載で紹介しておきます。

アメリカ陸軍のライズマン少佐は破壊工作の専門家として戦地を渡り歩いていたが、独断専行が過ぎて待機を命じられてしまい、新たな任地も決まらない状態だった。そんな中、イギリス先遣アメリカ陸軍(ADSEC)のウォーデン少将からノルマンディー上陸作戦に先立ち、ドイツ国防軍の高級将校たちが集う保養所を襲撃して指揮系統を混乱させるように命令される。「作戦に従事する者は在イギリスのアメリカ陸軍刑務所に収監された犯罪者の中から選出するように」という指示にライズマンは不満を抱くが、ウォーデンの命令で仕方なく12人の囚人を選び出し、罪を帳消しにする条件で作戦に従事させる。囚人たちは隔離された場所で訓練を行うことになったが、脱走を図る者や厳しい訓練に辟易とする者が出るなど士気は上がらず、監督する憲兵隊のボーレン軍曹やモーガン伍長も苛立ちを見せていた。しかし、囚人たちは厳格なライズマンへの反発をきっかけに団結するようになり、ライズマンも反発心を利用して囚人たちを作戦遂行に耐え得るような部隊に鍛え上げていった。

訓練を通して次第に連帯感を増す囚人たちに満足したライズマンは、訓練終了日に労いとして訓練地内に娼婦たちを呼ぶが、ライズマンを毛嫌いする第101空挺師団のブリード大佐は、翌朝に手勢を率いて訓練地を制圧する。ブリードは囚人たちを問い詰めるが、外出先から戻ってきたライズマンに不意を突かれ、武装解除させられ追い出されてしまう。ブリードは腹いせに「囚人たちの練度は低くて役に立たない」とウォーデンに報告して作戦を中止に追い込もうとする。ライズマンもウォーデンに直談判するが議論は平行線を辿り、ウォーデンの幕僚であるアンブラスター少佐の提案で、近日中に行われる予定の軍事演習にライズマンの部隊を参加させ、その場でブリードの部隊と競わせて実力を証明させることになった。軍事演習の当日、囚人たちは負傷兵に扮してブリードの指揮所に紛れ込み、後から駆け付けた救護兵に扮する別動隊と共に指揮所を占拠して、ウォーデンとブリードに自分たちの実力を認めさせる。

いよいよ作戦が決行され、囚人たちはライズマンとボーレンに伴われてフランス領内へ落下傘降下する。隊員ヘミネスが樹木に引っかかって事故死し、残りの隊員たちはドイツ軍が保養所として使っている城館に潜入する。ドイツ軍将校に扮したライズマンと隊員ウラディスローは邸内から部隊を手引きするが、訓練中から「精神破綻者」と指摘されていた隊員マゴットが、ドイツ軍将校が同伴した女性を殺し、さらに味方の隊員に向かって銃を乱射したため作戦に障害が出てしまう。マゴットは味方によって射殺されたが、ドイツ軍将校たちは地下の倉庫に逃げ込んでしまい、周辺のドイツ軍も騒ぎを聞きつけて屋敷に急行する。ドイツ軍との銃撃戦の中で隊員たちは次々に死んでいき、ライズマンは地下への通気口に大量の手榴弾とガソリンを仕掛けて、ドイツ軍将校たちを屋敷ごと爆殺する。作戦は成功して連合軍は予定通りにノルマンディーに上陸するが、挺身隊の中で生き残ったのは満身創痍のライズマン、ボーレン、ウラディスローの3人だけだった。そして作戦成功に対する褒賞として、ウラディスローは放免、死んだ11人の囚人たちは名誉回復となった。

 

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『特攻大作戦』ミリオタおまけ記事

ドイツ軍の軍用車両「8トンハーフトラック」が登場します。走れる車両が当時はあったのだと思いますが、ホンモノです。得意の88ミリ砲牽引こそしていませんでしたが、大口径の対空機銃を引っ張っていました。

米軍輸送車両は言わずもがなオンパレードしますが、M3軽戦車(M5ヘッジホッグかな?)もちらっ!と登場します。

 

 

 



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