『マッドマックス』レビュー
あらすじから見る順番まで
こんにちは!映画好き画家・タクです。
今回取り上げる映画は『マッドマックス』
映画で音に酔う、ってありますよね。雨音だったり、靴音だったり、食事シーンの食器の触れ合う音だったり、、、映画って音でも観客をひっぱりますよね。
そんな意味で、エンジン音とエグゾーストノートに惚れる映画もあります。その代表作の一本が『マッドマックス』です。
カーチェイス映画は数あれど、『マッドマックス』ほど唸るエンジン音にシビれた映画はありません。
それまでのカーアクション映画を黙らせた「撮影カメラマン&スタントマン必死・路面スレスレ超絶アングル」も最強です。
「過去の常識をぶち壊せ!」とメガホンに叫ぶジョージ・ミラー監督の声が聞こえてきそうな『マッドマックス』。今回のレビューでは、カーアクション映画のターニングポイントともなった『マッドマックス』第一作を取り上げます。
『マッドマックス』予告編
『マッドマックス』シリーズ5作〜どれから見るのがオススメ?
『マッドマックス』シリーズは、一作目の『マッドマックス』、2作目『マッドマックス2』、そして3作目の『マッドマックスサンダードーム』、4作目『マッドマックス 怒りのデスロード』そして2024年5月に公開された『マッドマックスフュリオサ』へと続きますが、どれから見たら良いのか迷う方もいると思います。
そこでぼくのオススメは、
1、1作目『マッドマックス』。
2、2作目『マッドマックス2』
3、5作目『マッドマックスフュリオサ』
4、4作目『マッドマックス 怒りのデスロード』
です。
3作目『マッドマックスサンダードーム』は余裕があれば、、、です。(ぼく的にはあまりオススメマックスではない)
一作目の『マッドマックス』は確かに古い映画ではあります。でも、1.2.3.4と続くシリーズの根底にながれる「主人公マックスがなぜに孤独でマッドなのか?」は、一作目を観ないと理解できないと思います。
一作目のマックスは、まだ*完全な伝説”ではなく、マッドに壊れていく途中の人間**として描かれているんですね。
3作目の『マッドマックス サンダードーム』も『マッドマックス2』の舞台の多分10年後くらい….の設定になっています。いわゆる後日談ですね。登場人物も『マッドマックス2』で大事な役割を担っていたジャイロキャプテンも登場します。
でも….3作目の『マッドマックス サンダードーム』は映画の出来として見るなら、ちょっとガッカリムービー(運営人評価です)。なので、まあ、それなりに…お暇があれば、で良いでしょう。
4作目の『マッドマックス怒りのデスロード』は俳優がメル・ギブソンからトム・ハーディに変わっていますので、ある意味「スピンオフ作品」といっても良いかもしれません。ストーリーも1.2.3との連携は、ほぼ見られません。といっても、映画としてのマッド感は超絶素敵です。
5作目の『マッドマックスフュリオサ』は4作目『マッドマックス怒りのデスロード』に登場するフュリオサの過去ストーリーとなっていますし、『怒りのデスロード』に登場する親分たちの関係や過去も描かれます。
そんなわけで、『マッドマックスフュリオサ』を4作目『マッドマックス怒りのデスロード』の前に持ってきました。
とは言っても、どれを見てもそれぞれに楽しめるのが、『マッドマックス』シリーズです。
絶対やってはいけない!『マッドマックスシリーズ」観劇御法度順番は?
順番で絶対にやってはいけないことは、三作目『マッドマックス サンダードーム』から見ちゃうこと…です。
間違っても3作目だけを見て、「な〜んだ、マッドマックスシリーズって、こんなもんか….」と思わないようにしてくださいね。
『マッドマックス サンダードーム』は、どうやら映画会社の利益や、当時の流行を入れちゃったため、1.2.そして4に流れるマッドな「マッドマックステイスト」がすっかり薄まっている作品ですから。1.2.4とは全く別作品!と思って見る分には良いかと思います。
『マッドマックス』スタッフ・キャスト
スタッフ
| 担当 | 名前 | 作品への役割・特徴 |
|---|---|---|
| 監督 | ジョージ・ミラー | 文明崩壊寸前の世界を、低予算ながら過激な映像感覚で描いた |
| 脚本 | ジョージ・ミラー/ジェームズ・マッカウスランド | 法と秩序が形骸化していく社会を、個人の悲劇として構築 |
| 撮影 | デヴィッド・エグビー | 広大な荒野と暴走シーンを生々しく捉え、スピード感を強調 |
登場人物・キャスト(性格・物語上の役割付き)
| 登場人物 | 性格・ドラマでの役割 | 俳優名 |
|---|---|---|
| マックス・ロカタンスキー | 冷静沈着な警官。家族を失い、復讐者へと変貌していく主人公 | メル・ギブソン |
| マックスの妻(ジェシー) | 平穏な日常を象徴する存在。マックスの人間性をつなぎ留める役割 | ジョアン・サミュエル |
| トーカッター | 無秩序と暴力の象徴。社会崩壊を体現する狂気のカリスマ | ヒュー・キース=バーン |
| グース | マックスの同僚で親友。正義感が強く、悲劇の引き金となる人物 | スティーヴ・ビズレー |
| M.F.P隊長 | 崩壊寸前の秩序を守ろうとする管理者 | ロジャー・ウォード |
『マッドマックス』あらすじ紹介
舞台はちょっと先の未来。荒廃したオーストラリアの路上だ。
暴走族で警官殺しの凶悪犯ナイトライダーがパトカーを奪い逃走しているシーンから始まる。
暴走族専門の特殊警察「M.F.P.(Main Force Patrol)」に所属する敏腕警官マックスが追跡、結果ナイトライダーは事故死する。
ナイトライダーの死を知った暴走族のボス、トーカッターは報復としてM.F.P.を襲撃すべく行動する。
暴走族の一人ジョニー・ザ・ボーイがM.F.P.のバイク隊員グースらに逮捕されるが、不起訴となる。
失態を犯した彼はトーカッターにグースを襲撃を強要される。
彼が操縦していたバイクはトーカッター一味により横転させられ、火を点けられる。
グースは焼け死ぬ。
僚友グースの死にショックを受けたマックスはM.F.Pの上司に辞職を申し入れる。
しかしマックスの腕を買っている上司は聞き入れず、休暇をすすめる。
休暇を取ったマックスは、家族と共に旅に出る。
とあるガレージに立ち寄ったマックスたち。そこでトーカッター一味が妻に目を付ける。
一味は妻子を襲撃。
まだ幼い息子は命を落とし、妻は重体だ。
マックスはトーカッターら暴走族に復讐を誓い、モンスターマシンV8インターセプターのアクセルを踏み込む、、、。
…というあらすじです。
『マッドマックス』あらすじ結末は?ネタバレあり〜閲覧注意!
マックスの駆る車インターセプターのエンジンは600馬力だ。
スーパーチャージャーV8エンジンがうなり、トーカッター一味を一人また一人と葬っていく。
首領のトーカッターを大型トラックに激突蹂躙させたマックスは、暴走族最後の生き残り、グースを殺したジョニーを捕捉、復讐を果たし終え、地平の向こうへ去ってゆく。
『マッドマックス』感想
『マッドマックス』の公開年は1979年。レビューを書いている2024年からすでに45年も前の映画です。主役を演じたメル・ギブソンは、この映画でスターダムにのし上がりました。
当時高校生だったぼくはアメリカのカーチェイス映画が好きだったこともあり、『マッドマックス』の予告編に「これは劇場行かなきゃ!」と、上映館に足を運びました。
ところがそのスピード感と迫力のサウンド、そして「愛するものを奪われた男の復讐劇」という、超シンプルなストーリーにノックアウトされ、「こんな映画見たことない!」と興奮して上映館から出てきたことを覚えています。
何がぼくをそんなにも興奮させたのか?
それは、車とバイクのエンジン音。そして超低位置の撮影アングルだったのです。
『マッドマックス』のストーリーは、いたってシンプルそのものです。
と、たったの二行ですんじゃいます。
そんなシンプルなストーリーですが、スクリーンに展開されるシーンは、過去見たことのない斬新なものでした。
何が斬新だったのか?を次の考察でお話ししましょう。
カーアクションムービーを変えた『マッドマックス』〜その考察
エンジン音がスゴイのです!
暴走族のバイクやMFP(マックスの所属する部隊=高速警察隊みたいな感じ)の車のエキゾーストノートがハンパなく場を盛り上げています。
『マッドマックス』のこの「音」は、テレビや配信でもスゴイと感じますが、これはぜひ、劇場スクリーンで体感してほしいレベル!です。
チェイスシーンのアングルが絶品!
何度も言いますが、当時高校生だったぼくは『マッドマックス』のチェイスシーンに度肝抜かれました。
バイクが走るシーンや追跡シーンが、ロケ地のオーストラリアの広大な荒野と相まって、すんごいスピード感です。
加えて、カメラの位置が撮影限界まで、ほぼ地面スレスレ!
さらにはスクリーンの中で”大地の占める割合”が5分の4!ヘタすりゃ6分の5!
ようは、映っているのがほとんど路面と大地という大胆構図なんですね。
疾駆するバイクやクルマを、カメラが地面スレスレ超絶アングルで攻めまくるのです。
『マッドマックス』のそれまでとは違うカーアクションの迫力は、そんなカメラアングルから生まれています。
低予算を逆手に取った世界観構築がヤバい!
『マッドマックス』の素晴らしいところは、他にもあります。
実は『マッドマックス』は低予算で作られました。
しかし、監督ジョージ・ミラーは、その低予算を逆手に取って…というか、仕方なく(笑)「できる範囲でギリギリサイコーを生み出す」という姿勢を取りました。それが画面にオリジナリティと迫力を与えてます。
その一つが敵役の暴走族のファッションです。
オンロードタイプのバイクを駈る暴走族ですが、ゴツくてダーティです。彼らの足元にご注目です。
それは、オフロード用プロテクター脛当て付きライディングシューズ。
それだけで、相当なヤバさを出しています。
今の若い方、「そんなん、よくあるんでね?」と思われるかもしれませんが、そのハシリは『マッドマックス』にあるんです。
マッドマックス以前の映画の中の「ヤバいバイク乗り」イメージって…「アメリカンタイプのハーレーに乗って黒のレザージャケット」..そんな感じが多かったと思います。
その既成概念を、小汚いメイクと脛に当てられたオフロードプロテクターだけで刷新していました。
で、乗ってるバイクはカワサキのロードタイプ♩…ってとこもそれまでとは違っていたのです。
この映画公開のあと、日本のあちこちにロードバイクにまたがるオフロードプロテクターをつけたライダーが増えたのは、もちろん『マッドマックス』の影響ですね。
また、劇中、M.F.Pの本拠地が出てきますが、そこは、使われてない施設にロケした…と記憶にあります。
そのビルにしても、看板をちょっとだけ外してカメラにフィルターかけるだけで、ヤバい世界観をアピールしてます。
小さな細工と不安に見せるカメラアングルで、ちょっとどころではない世界観構築をしちゃってる…そんな、監督ら制作スタッフの「金ないけど映画ラブ」の姿勢があちこちに垣間見えるのも、ぼくの『マッドマックス』ラブの理由の一つです。
悪役トーカッターのキレ具合は天下一品!
映画のクライマックスに向けてのマックス役メル・ギブソンの豹変具合は、これまた文句なしの名演です。
それ以上にすごいのは悪役トーカッターのぶっちぎれたキレ具合です。
『マッドマックス』以前の悪役って、まあ型通りなのがほぼほぼでしたけど、トーカッターの悪役スタイルは、突き抜けていました。
どんな突き抜け方かというとですね、ひとこと、汚そう。
片方のマユはないし、髪はホコリで固まってる。ハエまでたかってるくせに、大声怒鳴り散らすわけでもない。
こんなのいたら、絶対ヤバいよ的パワーがハンパありません。
トーカッターは、アクション映画史上、キレてヤバい悪役のハシリかもしれません。
『マッドマックス』は、映画は悪役で決まる…という定理も証明しています。
ちなみにトーカッター役の俳優は、『マッドマックス 怒りのデスロード』でも悪役親分を演じていますよ(もちろん別役設定)
『マッドマックス』のトーカッターのワルぶりにホレたら『マッドマックス 怒りのデスロード』も目一杯楽しめると思います。
余計なシーンはいらない!その潔さがステキ!
とにかく余計なシーンは一切使わない!そんな脚本が作品を緩みないものにしています。
たとえば妻と子を暴走族に蹂躙されたマックスが、怒り爆発、現場に戻るシーンでさえ、たったのワンカット。
地下駐車場の闇に歩み消えるマックスが、カット変わらずにインターセプターで手前に迫ってくるのです。
ネタバレになりますが、クライマックスで小悪党ジョニーを始末してしまうシーンも同様。ネタバレですが、ジョニーを殺すシーンは映し出されません。最低限のシーン構成で「死」を表現しています。
余計なシーン、説明は不要、グイグイ進める。そんな潔さが作品を傑作にしていると感じます。
おまけに、脇役もヨシ!
スーパーカーアクションの傑作を支えているのは、脇役たちでもあります。
中でも、マックスら家族が一時避難する家のお婆さんが、マックスの妻と息子を守るべくショットガンで暴走族に立ち向かう姿は絶品。
弱き老女に生きるたくましさを掛け合わせた脚本に、シビれるのです。
クライマックスの暴走族との対決は?
このテの映画では饒舌になりがちなクライマックス=マックスの暴走族への復讐シーンも、実にタイト。
ですが絶妙なタイトさです。
ダラダラ対決するんではなく、西部劇のクライマックスの短さにも似た緊迫感でラストまで走ります。饒舌になっていません。
それもまた『マッドマックス』のオシ要素のひとつです。
『マッドマックス』ぼくの評価は星五つ!オススメ度数100%
公開から45年経とうが、続編が4作も続こうが、やっぱり一作目の『マッドマックス』は満点ムービーです。
ちなみに続編となる『マッドマックス2』も、ぶっちぎれた世界観がパワーアップして一作目に劣らぬ傑作です。 『マッドマックス2』は、日本の漫画名作『北斗の拳』をはじめ、『ウォーターワールド』や『ザ・ウォーカー』といったディストピア映画に影響を与えていますが、「ディストピアムービージャンル」の萌芽は『マッドマックス』にある..といっても良い…と、ぼくは思っています。
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