映画『異人たちとの夏』ネタバレあらすじ・感想考察評価|『異人たち』リメイク公開情報

ヒューマン・ハートフル

こんにちは、運営人のタクです。映画日々日記ムービーダイアリーズ、今回は日本映画『異人たちとの夏』をレビューします。




本題に入る前に、ちょっとだけ夢の話を、、、。

先日、夢の中へ、仲の良かった友達、Aさんが会いにきてくれました。

Aさんは、2年前にこの世界から向こうの世界に旅立った女性です。

なぜかぼくは「死んだはずじゃ?」という言葉をかけることもなく、彼女を家に招き入れてました。

心の中では彼女が死んだことを理解しているんだけど、別に怖くもなく嬉しい気持ちでいっぱいでした。

どちらかといえば小柄だった彼女は、なぜかぼくより身長が高くなっていました。

訊くと向こうの世界ではそうなるらしい。

別れ際に彼女は寝ているぼくの妻を笑顔で「うん、うん」と頷きながら眺め、別の部屋に寝ている息子にも「がんばってね」と声をかけて、「来れて良かった」と言葉を残してハグ。玄関から帰っていきました。

「あ!写真を撮らなきゃ!」と思ったぼくは、スマホで去っていく彼女を撮ったのだけれど、不思議と彼女がそのまま写らない。不思議な光の中にはっきりとした陰として映り込んでいました。

そして向かいの家の花を愛でて、通りの角を曲がって彼女は去っていきました。

夢が覚め、なぜか暖かい気持ちに包まれていました。

そしてふと、思いました。

「異人たちとの夏を観よう」

そんな経緯で観た1988年公開の日本映画『異人たちとの夏』をレビューしてみます。(巻末にはリメイクされ公開が近づいてきた『異人たち』の予告情報も掲載)



『異人たちとの夏』予告編




『異人たちとの夏』監督・スタッフ・キャスト

監督/大林宣彦 脚本/市川森一  原作:山田太一

キャスト:風間杜夫 片岡鶴太郎 秋吉久美子 名取裕子 永島敏行、他有名役者多数が脇を固めてます。詳しくは巻末にWikipediaを転載します。

『異人たちとの夏』配信先は?

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『異人たちとの夏』あらすじは?

舞台は東京。主人公は40歳のシナリオライター・原田。彼は妻と別れマンションに一人暮らしだ。

テレビ局の友人間宮が原田の元を尋ねてくる。原田の前妻に惚れ、結婚を申し込みたいという。

原田は「どうにでもしろよ」と荒んだ気持ちで間宮を見送る。

ある日、同じマンションに住むという美人の女性ケイが「あなたのファンだ」とシャンパンを片手に原田の部屋をノックする。

しかし、むげに押し返す原田。

翌日、仕事で地下鉄を取材した後、幼少期過ごした浅草へ向かい、そこで幼い頃に亡くなったはずの両親と再会する。

両親は英雄が12歳の時に交通事故で亡くなっていたのだが、当時の姿のまま、若々しく元気な姿で現れる。

原田は懐かしさに喜び、浅草の両親の家に通うようになる。

両親との再会に浮かれた原田は、同時にケイと体を交える仲となる。

両親と会う日々を楽しむ原田だが、その顔に不気味なやつれが目立ってくる。

そんな原田にケイは、この世の存在ではない両親と会うことをやめるよう、忠告する。

原田は両親との別れを決断する。

すき焼き屋で3人は鍋を囲み、原田はもう会わないことを父母につげる。

そんな原田のやつれ具合を心配した間宮がマンションを訪れる。

そこでみたものは…。

というあらすじです。




『異人たちとの夏』あらすじ〜結末ラストは?

間宮がマンションで管理人を捕まえ聞くに、ケイが住んでいる部屋は、すでに空き室だという。

そんなはずはないと問いただす間宮に管理人は「住人の女性は夏の初めに自殺した」とつげる。

間宮の不安は的中する。ケイの部屋を開けるとそこには凄まじいまでの死相を浮かべた原田と死霊のケイが。

ケイは、原田の傲慢で死を選んだ壮絶な姿を原田に見せ、彼の前から消える。

夏の終わり、原田は間宮は、一夏の不可思議な体験に蓋をするかのように、両親が暮らしていた家があった路地を訪れる。

しかし、家は取り壊され、空き地となり、夏草が揺れるだけ。




『異人たちとの夏』感想〜考察です

感想〜監督独特のトーンに乗れる?乗れない?

大林宣彦監督って、すっごく素直で、優しくて、自分の中の世界が完成してるヒトだなぁ…って気がしていました。

「映画愛』の眼差しをダイレクトに感じる監督って、世の映画を見渡してもそうないです。

『時をかける少女』にしても、『転校生』にしても、映画から溢れてくるのは監督の映画愛です。

心象への想いの温度が高いというか、表現体温が熱い、というか…。

本作『異人たちの夏』でも、ぼくはやっぱりそう感じました。

その眼差しが、逆に観る人を選ぶ監督でもあるように思えます。

平たくいうと、合う合わないが分かれちゃう監督。

ぼくは多分、悲しいかな肌感覚が合わないのでしょう。

監督独特の実験的表現トーンに、なかなか気持ちを乗せ切れない。

こればっかりは多分生理的なもので、どうしようもない……。

なのでその点は差し引いて考察を進めます。




感想〜全てを受け入れる寛容の大切さ

この映画、独り身で見るか、それとも子を持つ身になって観るかで感じ方が変わるんじゃないかな、と思います。多分。

ぼくはとっくに成人した子どもがいるので、子を見る親目線=片岡鶴太郎&秋吉久美子の視点にどっぷり入ってしまいました。

すでに死んでこの世にいるはずがない2人が原田に対して示すのは、我が子への「許容」です。

クライマックスに原田が両親に別れを告げるシーンでも、両親が示すのは受容であり完全なる寛容でした。

最初に書いてしまいますが、全てを受け入れる「寛容」こそが、映画の伝えたかったテーマのように感じました。

もうこれ以上書くことないやんけ、、、となってしまっては身も蓋もないので、感じたこと、考えたことを以下書いてみます。

考察〜最強の「どうもありがとうございます」

ぼくが最も心に残ったシーンは、ネタバレになりますが、原田が消えゆく両親に向かって頭を下げるシーンです。

そのシーンで原田はこう言います。

 『どうもありがとうございました』

なんと、実にシンプルな言葉です。

過去観てきた日本映画の中で、『どうも ありがとうございます』というシンプルな言葉が、この映画ほど響いてきた作品は他に思いつきませんでした。

大林演出のエネルギーは、このシーン一点に集中していたのではないか?とも思えるほど圧巻でした。

考察〜ケイは悪霊か?両親はなぜ原田の前に現れたのか?

ラスト近く、ケイは死霊だったことが明かされ映画は一転、ホラー映画となります。

そのシーンでぼくは、こう思いました。

では、ケイは悪霊だったのか?と。

ぼくの感じたことは、「ケイは死霊ではあるけど悪霊ではない」ということ。

そして両親はなぜ現れたのか?

それは「愛を忘れかけていた原田に気付きを与えるため」

むしろ日々に追われ現世で愛を忘れかけ、生きる悪霊となりかけていた原田を救うため、ケイも両親も短い夏に原田の前に現れたのではないか?

スクリーンを通してぼくに伝わってきたのは、「死霊より怖いのは、愛を忘れ傲慢になった生身の人間なのかもしれない。」というメッセージでした。




考察〜記憶に残る別れのすき焼き

「そうだ、すき焼きは日本人にとってスペシャルな食事なんだった!」と唸ったのが、原田が今半別館で両親とすき焼き鍋を挟んで会話するクライマックスです。

原田にとってはその昔に両親と鍋をつついた思い出深いすき焼き屋の今半別館。

両親との別れがくるそのシーンで、すき焼きがぐつぐつ煮立つ音が切なくも響きます。

両親と原田の3人のうち、一人たりとも箸をつけません。

両親があの世へ戻っていくシーンに、あえてハレの料理のすき焼きをアテたことは、原田の切なさを印象づけていました。

「食べない食事シーン」をあえて別れの舞台に持ってきたセンスに脱帽でした。

ラストシーンで原田は、両親が暮らしていた路地を尋ね、すき焼き屋で両親が残していった箸を取り出し、火をつけます。

それは一夏の思い出をくれた両親への送り火であるとともに、傲慢に塗られていた彼自身の過去への送り火だった…と、僕は感じています。




『異人たちとの夏』僕の評価は星三つ半

大林宣彦監督の優しさには、先にも書きましたが、ぼくは悲しいかな肌感覚が合わないことを差し引いて点数をつけるなら、星三つ半です。

両親との場面の懐かしさや優しさ、ケイとの情交、クライマックスの一転ホラーになってしまうシーンが僕の心の中で今ひとつ噛み合っていないので、星1.5を引きました。

星三つ半というとそこそこ作品かと思われるかもしれませんが、決して平凡な作品ではありません。チャレンジャーな映画でした。

あくまでぼくの心の中で歯車が噛み合っていない…ということでの星三つと半分なのでした。




リメイク『異人たち』の予告情報

2024年、イギリス映画陣が『異人たちとの夏』をリメイク公開するニュースが入ってきました。タイトルは『異人たち』

予告編を見る限り、原田とケイの男女の関係は、『異人たち』をでは男同士の関係に置き換わっているようです。時代の変遷を感じました。

監督はアンドリュー・ヘイ。

主役のシナリオライターをアンドリュー・スコット。恋に落ちる相手をポール・メスカル。あの世から来た両親役にジェイミー・ベルとクレア・フォイ。

2024年4月19日、日本公開予定です。

予告編を貼っておきます。




『異人たちとの夏』キャスト詳細

以下、Wikipediaから転載

 







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