『シビル・ウォー アメリカ最後の日』ネタバレあらすじ・感想考察評価〜アメリカ内戦で二人の女性戦場写真家は何を記録したのか?

戦争・歴史・時代

 『シビル・ウォー アメリカ最後の日』評価レビュー
ネタバレあらすじ解説・感想考察

この記事にはネタバレが含まれます。映画をご覧になる方はその点を十分ご留意の上お読みください。




今回のムービーダイアリーズで取り上げる作品は、『シビル・ウォー アメリカ最後の日』。2024年公開のアメリカ映画です。

「アメリカが内戦になったら??」というごく近い未来を舞台に、女性戦場カメラマンとジャーナリストたちの目を通した戦場のリアルが描かれます。

『シビル・ウォー アメリカ最後の日』は戦争映画にジャンル分けされると思いますが、いわゆる第二次世界大戦やベトナム戦争、イラク戦争といった”過去を舞台にした戦争映画”とはひと味もふた味も違います。
いい意味でクセがある戦争映画です。なので、観る人を選ぶかもしれません。
そんな『シビル・ウォー アメリカ最後の日』をレビューしてみます。



『シビル・ウォー アメリカ最後の日』解説〜どんな映画?

近未来のアメリカが舞台です。合衆国政府から西部とフロリダが反旗を翻し、アメリカ国内が内戦状態に陥った世界を描いた戦争映画です。

戦争映画といってもただのアクション映画ではありません。主人公は、兵士ではないのです。

ドラマの視点は「戦場カメラマンに憧れる若い女性と、ベテラン女性戦場カメラマン。そしてその仲間のジャーナリストたち=4人の目線」で“分断と内戦のアメリカ”が描かれます。

テーマは、内戦を通じて描かれる「国の分断」「報道の意味」「市民の無関心/無意味な加害」「記録の力」でしょうか…。

監督兼脚本は アレックス・ガーランド。出演は キルステン・ダンスト、ケイリー・スピーニー、ワグネル・モウラ、スティーヴン・マッキンリー・ヘンダーソンほか。

また、『シビル・ウォー アメリカ最後の日』は、制作のスタジオA24にとって過去最高の製作費が投じられた作品とのこと。

公開は 2024年。アメリカ本国では「2週連続全米1位」…あらすじがあらすじだけにわかるような気がします。



『シビル・ウォー アメリカ最後の日』スタッフ・キャスト

スタッフ区分 名前
監督・脚本 アレックス・ガーランド
製作 アンドリュー・マクドナルド、アロン・ライヒ、グレゴリー・グッドマン
撮影 ロブ・ハーディ
音楽 ベン・サリスベリー、ジェフ・バーロウ
編集 ジェイク・ロバーツ
美術 キャティ・マクシー
衣装 メーガン・カスパーリク

俳優名 役名 役回り
キルステン・ダンスト リー・スミス ベテラン戦場カメラマン。内戦の現実を撮り続けるジャーナリスト。
ワグネル・モウラ ジョエル 取材チームの記者。信念と危険のはざまで揺れる。
ケイリー・スピーニー ジェシー・カレン 若手カメラマン。理想と恐怖の間で成長する。
スティーヴン・マッキンリー・ヘンダーソン サミー 経験豊富な記者。チームの精神的支柱。
ニック・オファーマン 大統領 アメリカ大統領。

『シビル・ウォー アメリカ最後の日』あらすじ〜途中まで

以下、ネタバレ含むので未視聴の人は注意!

近未来――。アメリカ大統領がFBIを解散するなど暴走を続けたことで、19もの州が政府からの離脱を宣言し、テキサス州とカリフォルニア州を中心とする「西部勢力(WF)」が政府軍と衝突。国は内戦状態に入っていた。

そんなさなか、ニューヨークから、四人のジャーナリストたちが一台のプレス車両でワシントンD.Cのホワイトハウスを目指す。

乗り込んでいるのはベテラン戦場カメラマンのリー。ライターのジョエル。ベテラン記者サミー。そしてリーのような戦場写真家に憧れるフリーの駆け出しフォトグラファー、ジェシーの4人だ。

目的は、メディアへ出ることを拒む大統領への独占インタビューだ。

危険を避けつつ計画したルートは、距離にして1400キロ。それでも取材旅は内戦のホットゾーンを否応なしに通過する危険に満ちた道のりだ。

道中、リーらは、民兵による私刑、政府軍と西部勢力(WF)の市街戦、捕虜処刑、難民キャンプ、無関心な住民たち……といった、さまざまな「戦争の端っこ」を目撃する。
銃声、悲鳴、避難民、裏切り――非日常の恐怖が、彼らの目の前に次々と現れる…。


『シビル・ウォー アメリカ最後の日』あらすじ〜結末ラストは?ネタバレ閲覧注意!

以下は完全ネタバレです。映画を観たい方はスルーしてください。

そんな戦争の狂気の中、ベテラン記者サミーが命を落とす。
戦争という怪獣の実態が、リー、ジョエル、ジェシーの心に深く暗い影を落とす。

3人はついにワシントンD.Cに入る。

ホワイトハウスは十字砲火にさらされていた。

ついに西部勢力軍(WF)がホワイトハウス突入を果たす。突入隊の兵士たちに同行し身をかがめ走るリー、ジョエル、そしてジェシー。

あと一歩で大統領執務室という廊下で、政府要人警護隊の最後の抵抗が。
その銃撃戦でリーはジェシーを守り命を落とす。

倒れゆくリーにシャッターを切ってしまう、ジェシー。

ジェシーの中で、何かが決定的に変わった瞬間だった。

WFは大統領を追い詰める。大統領執務室で拉致された大統領にジョエルがインタビューを試みる――だが返ってきたのは、惨めな命乞いの言葉だけだ。

WFの兵士たちは大統領を射殺。

ジェシーはそれまでとは打って変わった表情で、冷静にその一瞬をフィルムに収める。――それは「未来への記録」か、「己の使命を知った証」か…。エンドロール


『シビル・ウォー アメリカ最後の日』感想考察

・戦場の端っこから見えるもの

『シビル・ウォー アメリカ最後の日』の主人公たちはカメラマンはじめとする報道関係者です。彼らは戦場にネタを追いかけながらワシントンを目指しますが、映画のカメラは、カメラを構える彼らに密着し、観客に戦争の現場を追体験させます。

現場といっても、延々と十字砲火をかいくぐってワシントンを目指すわけではなく、そこに至るまではむしろ”戦場の端っこ”という感が強いです。

静かな街での銃を下げた民兵との静かな、けれど緊張感に満ちたやりとりがあるかと思えば、ある街では内戦なんて全く興味がない、という一般市民にも出会います。

でも、その”戦場の端っこ”感が、逆に登場人物への感情移入をうながして、リアリティを高めているように思えます。

ぼくは『シビル・ウォー アメリカ最後の日』での、静かな”戦場の端っこ”を繋ぎ合わせたようなストーリー運びがとても新しく感じました。

・使命のリレー

『シビル・ウォー アメリカ最後の日』から、ぼくが何を感じたのか?受け取ったメッセージを次にに書きます。

それは「使命はリレーされる」というものでした。

「戦争映画なのに、なんでそんなヘンな感想なの?」と思われるかもしれません。

だって、この戦争映画は兵士目線ではないのです。ジャーナリスト目線、それも、もし死んでも責任は自分自身というフリーランスの報道ジャーナリストの物語なのです。

ぼくに最も刺さってきたのは、4人のジャーナリストたちが、それぞれの立場で、次世代へ、あるいは世の中へ“証言/記録”のバトンをつなごうとする姿でした。

報道カメラマンのかっこよさとかではなく、若い一人のフリーランスカメラマン=ジェシーに対してベテランの3人の大人たち=リー、ジョエル、サミーが、無言のうちに「大切な何か」を若者に繋いでいこうという”姿勢”と”運命”でした。

「大切な何か」とは、”仕事に携わるものの覚悟”と言い換えても良いかと思います。

別に報道関係者に限ったことではなく普遍的な「大切な何か」を『シビル・ウォー アメリカ最後の日』は伝えたかったような気がしています。


・ジャーナリズムと記録の重み

何度も言いますが、『シビル・ウォー アメリカ最後の日』は、銃を持つ兵士たちではなく、カメラを手にした二人の戦場カメラマンの視点からアメリカの内戦を描いています――その試み=戦場カメラマンの視点がとても新鮮な表現がなされていて、エキサイティングでした。

戦場カメラマンは、”瞬間”を切り取り、歴史を記録します。ですが、その写真は、“正義の代弁”や“悪の裁き”ではなく、ただ “起きた事実を写しとる” 行為です。
それでも、その“記録”は、戦場の現実を後世に伝える責任として、重い仕事です。

戦場カメラマンを夢見る若いジェシーがクライマックスでとる写真は、ただの恐怖や混乱の中で揺れる写真ではなく、「善悪を裁くのではない、記録者としての冷静な視点」を象徴しているように感じました。
そのジェシーの視点は、リーから受け取った“使命のバトン” を受け取った”証(あかし)”だったように思います。


・ロードムービーが今の時代への問いかけるもの

『シビル・ウォー アメリカ最後の日』が扱っている戦争は、国家対国家の戦争ではなく、内戦です。国家間戦争をテーマにすると善悪の基準がどうしても制作国側に偏りがちになりますよね。

でも本作にはその偏りがありません。

『シビル・ウォー アメリカ最後の日』の争いで炙り出されるのは「分断」「無関心」「権力の暴走」「市民の無関与」といった普遍的なことがらのような気がしています。

だからこそ、アメリカ以外ー日本を含むどの国の観客にも、受け入れられたのではないかとも思います。

また、ただの戦争映画ではなく、『シビル・ウォー アメリカ最後の日』はロードムービーでもあるんですよね。

「ロードムービー × 内戦ドラマ × ジャーナリズムドラマ × 成長物語」という複合構造が、この映画をスペシャルなものにしているとぼくは感じています。


・若きカメラマンの成長物語

ぼくが特に心を動かされたのは、若きジェシーが旅と経験を通じて変わっていく姿でした。

最初はただの憧れと理想でカメラを握っていた彼女が、終盤には “記録者” として現実と責任を受け入れ、シャッターを押し続けるのです――あの変化は、まさに “旅を通した成長” であり、“使命の継承” そのものに見えました。

その使命は戦場カメラマンに限ったことではないでしょう。ぼくは、撮る仕事でないにせよ、生きる誰もが何らかの表現者だと思っています。生きること自体が表現であり、小さな表現であっても世界に提示することでそれは“世界への問いかけ” に変わるように思います。

その問いかけはきっと、誰か次の世代へとつながっていく――そんな希望を『シビル・ウォー アメリカ最後の日』からぼくは感じました。


『シビル・ウォー アメリカ最後の日』撮影秘話に見るリアリティの追求

『シビル・ウォー アメリカ最後の日』の戦闘シーンは近未来のアメリカの戦争ですから、誰も経験したことのない戦い方が描かれます。その戦闘シーンはリアリティに満ちています。

特にクライマックスとなるホワイトハウス包囲戦は、どうやって撮ったんだろう?と思うほど。

なので、調べました。

ホワイトハウス包囲戦は実際のワシントンD.C.で撮ったものではなく、スタジオとセットで撮影されたそうです。

使われたのはアトランタにある Tyler Perry Studios のホワイトハウス“レプリカセット”。
そこで戦闘シーンが組み上げられていったそうです。

そして、爆発や空爆、戦車の突入は、VFX を組み合わせることで表現されたそうです。

背景の街並みや瓦礫の一部はデジタルで描かれているそう(全くわからない!)ですが、“デジタルでごまかす”という感じはありません。

もちろん裏側には、VFXチーム、スタント・コーディネーターなど戦闘描写のプロたちのワザがあったことは想像に難くありません。銃撃の導線や爆破の配置、俳優の導線、安全管理まで徹底的に設計した上でクリエイトされた戦闘シーンだったんですね。

あの壮絶なホワイトハウス包囲戦は、現地ロケではなく、セット + VFX + スタント + サウンドという映画的手段の総力戦の”擬似リアル”です――でも、デジタルワールドでも “内戦/戦争の空気” を、観客に生々しく伝えてくるのは、やはりエンタメとしての映画のなぜる技だなあ、、、、と感じました。


『シビル・ウォー アメリカ最後の日』ぼくの評価は?

僕はこの映画を、「ただのアクションでもスリラーでもない、“問いかける寓話”」として受け取りました。
メッセージの重さ、構成の巧みさ、撮影/演出のリアリティ……どれもが、“今この世界だからこそ必要な作品” と感じました。

僕の評価は星四つ★★★★☆(4/5)です。

ただ、人によっては「暴力や悲惨の描写がきつい」「背景設定や政治的説明があいまい」「善悪の判定が明確でない」という感想もあると思います。なので、「観る人を選ぶ映画」だと思います。


『シビル・ウォー アメリカ最後の日』配信は?

以下のサービスで配信・レンタルされています。(2025年10月現在:変わっている場合がありますので、各サービスをご確認ください)

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