『ミッチェル家とマシンの反乱』実話ライク家族ネタ炸裂SFコメディ・最後の写真もステキ♩ネタバレあらすじ感想・元ネタ・評価・声優吹き替え情報まで

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『ミッチェル家とマシンの反乱』映画の殿堂入り♩ダサキャラ&ヘタ絵がミックス!ディズニーともジャパニメーションとも違う、「ナサケナヒーローアニメ」誕生!

こんにちは!映画フリーク絵描きのタクです。今回レビューで取り上げる映画は、CGアニメ『ミッチェル家とマシンの反乱』です。

アニメ、好きです。だってぼくは今は絵描き画家業をやってますが、20代の頃はアニメーターでしたから。といっても30年以上前の、CGなどまだ無いアナログセル画の時代のことですが、、、。そんな過去はどうでもよくて、当時ぼくはアメリカのアニメも原画や動画も描いていました。


その中に『わんぱくデニス』というアニメがあったのですが、そのキャラクターの顔、手、足、人体すべてにおいて絶妙なデフォルメがなされているのには舌を巻きました。上手く言えないんですけど、「ヘンテコ」と「これしか無いだろ」という「ギリギリライン」を攻めてくるようなキャラクター作りだと思って作画していました。

そして時代が経ってCG全盛の今。

なんといいますか、太平洋越えた海の向こう「ハリウッド系CGキャラ」の表情って、そんな「ギリギリライン」感を相変わらず持っていて、プラスチックっぽいキュートさがある、とぼくは思うんですよ。上手く言えないんだけど、日本の定番化したアニメキャラとは違って。ぼく、その「ヘンテコ」×「これしか無いだろ」=「ギリギリラインでハジけます」的キャラ、好きなんですよね。

そんな「ギリギリライン」を極限まで魅力的に磨き上げヘンテコにして登場したアニメが『ミッチェル家とマシンの反乱』だ、、、と、予告編を観たぼくはひっくり返りそうになりながら、心で拍手してました。

そんな予告編からぶっ飛んでる『ミッチェル家とマシンの反乱』は、はてさて観るに値する?

2021年からネットフリックス公開中の『ミッチェル家とマシンの反乱』を、なんとなんと日本の文豪・井上ひさしの名言も交えつつ、とんでもレビューします。この記事は感想文の性格上ネタバレを多く含みます。くれぐれも自己責任でご覧ください。

 



『ミッチェル家とマシンの反乱』Net Flix公式予告編

『ミッチェル家とマシンの反乱』どんなアニメ?

実話のようにさえ感じる「姉弟・親子関係」

『ミッチェル家とマシンの反乱』は、「機械が人間を襲ってくる系」のSFコメディです。ですけど、それ以上に姉弟・親子の関係がリアルに刺さってくるファミリーアドベンチャードラマです。

その家族間のエピソードの深さから、まるで実話ベースのように感じるのは、ぼくだけでしょうか?あっ!もちろんSFコメディですから、実話な訳はないですよ。ですが、その家族間アルアルリアリティはまさに実話並み、だと思いますよ。

描かれるのは家族ラブ

『ミッチェル家とマシンの反乱』は、監督のマイケル・リアンダが脚本にも関わっています。以下は僕の憶測ですが、このシナリオに登場する姉と弟、そして両親は、リアンダ監督が映画に興味を抱きはじめた10代の頃の、彼の家族体験がベースにはあるのでは、、、と思っています。だって、家族エピソードが笑えるほどに刺さりすぎなんです。

ぼくは『ミッチェル家とマシンの反乱』を何度か見直しているうちに、「ミッチェル家とマシンの反乱は、実際にあった家族ドラマをコメディとして換骨奪胎し、SF要素でガッチリ味付けしたフィクションストーリーなんじゃないか」と感じるようになりました。

そして『ミッチェル家とマシンの反乱』を支えているのは、マイケル・リアンダ監督と制作スタッフの家族へのラブであるということは、間違いありません。

ネタバレになりますが、だって、エンドロール最後にスタッフそれぞれの子供だった頃の家族写真が次々と出てくるんですから。

その最後の写真連打は、家族を顧みない(苦笑)クリエイターたちの、反省フォトに違いありません。

エンドロールまで席断ち禁止ですよ。

『ミッチェル家とマシンの反乱』観る前に答えてほしい10の質問

はじめに、『ミッチェル家とマシンの反乱』を観るのを迷っている方のために「10の質問」を設けました。以下の質問にお答えください。(めんどくさい、早く『ミッチェル家とマシンの反乱』観たいと思う方は、もちろんスルー♩)

1.我が子に人生哲学を語ったことがある。 イエスorノー

2.親はウザい存在だ。イエスorノー

3.スマホばかり見ているな!と子供に言ったことがある。イエスorノー

4.思い返せば兄弟喧嘩ばかりしていた。イエスorノー

5.こんな親と一緒に居たくない!と思ったことがある。イエスorノー

6.子供は守ってあげるべき存在だと思う。イエスorノー

7.私のしたいことを親はわかってくれない。イエスorノー

8.家族はチームだ。イエスorノー

9.家族旅行は家族にとって大切な行事だ。イエスorノー

10.家族を愛している。イエスorノー

いかがでしたでしょうか?

⚫︎イエスがひとつ以上ありましたら、『ミッチェル家とマシンの反乱』を観るべき、です。

⚫︎ノーもひとつ以上ありましたら、『ミッチェル家とマシンの反乱』を観た方が、ヨイ、です。

「なんだ、どっちもいっしょやねん!」。。。

そうなんです。『ミッチェル家とマシンの反乱』は、親であるあなた、誰かのこどもであるあなた、=要は人間なら誰しもが通り過ぎてきた家族の悲喜こもごもを包み込んだ、完成度めちゃめちゃ高しの傑作アニメです。



『ミッチェル家とマシンの反乱』元ネタムービーは?

『ミッチェル家とマシンの反乱』をネットで検索すると「元ネタは何?」というキーワードにぶつかります。観た方は結構気になるみたい。

実際、『ミッチェル家とマシンの反乱』はいろんな映画ネタを仕込みして、刻んで煮込んで最高の演出で料理してます。

例えば、『スパイダーマン』『宇宙戦争』『マトリックス』『スターウォーズ』とニヤニヤするシーンがあちこちに散りばめられています。

でも、ただのパクリじゃあ、ありません。ジョークでくるんだり、換骨奪胎したり、リスペクトであたりと、味付け加減が絶妙なんです。

しかし、ぼくは、制作陣が完全リスペクトしているのは、多分ですが、次に挙げる映画だと感じました。

 

それは、『ホリデーロード4000キロ』(アニメではありません。実写)

 

これ、はちゃめちゃ家族がステーションワゴン(←『ミッチェル家のクルマと似てるんだよね)に乗り込んでアメリカ大陸4000キロを旅するコメディロードムービーです。

『ミッチェル家とマシンの反乱』と『ホリデーロード4000キロ』は、映画のテーマが「親と子のすれ違いと愛情」そして「ロードムービー」という点で非常に共通しています。

本サイトでも記事で取り上げていますので、興味ある方は寄り道してみてくださいね。



映画感想〜『ミッチェル家とマシンの反乱』

第一印象→「キモいキャラだな」

では、正直感想からいきましょう。

「えっ!こんな変顔キモキャラでラストまで攻めるのか??」が、オープニングからしばらくの間の『ミッチェル家とマシンの反乱』へのボクの感想でした。

正直、主人公の長女=高校生キャラは、女の子にも見えず、「生理的にダメかも…」という思いさえ脳裏かすめました。だって、↓こうですよ。

あ、誤解まねく言い方ですね。管理人は、変顔も決して嫌いじゃありません。もともと二次元コミックなら、四コマ風刺漫画でも昔からよくありますし。

ですけどそれが三次元CGとなると、妙〜にナマめかしいんじゃない?、、、と予告編や冒頭で思ったわけです。

オープニングで感じたそんな不安はしかし、気がつけばささっと一掃されてました。

背景に手書きアニメがインサートされるんですよ。それが絶妙に変キャラと合うんです。

気がついたらその世界観がぼくを包んでいて、違和感なく作品世界に入り込んでいたのでした




身近な家族と誰もが持ってるスマホに爆笑

何度も言っちゃいますが、『ミッチェル家とマシンの反乱』、とにかく近年にない飛び抜けて素敵な映画です。

主人公がずっこけた四人家族で、テーマがAIの暴走反乱。

言い方変えれば、誰にもいる身近な存在の「家族」と、これまた誰もがもっているスマホを「ネタ」に、思い切り笑わせて、手に汗握らせて、最後泣かせる映画=それが『ミッチェル家とマシンの反乱』なのです。

先にも書きましたが、コンピュータグラフィクスによる長編アニメです。

イマドキCGですけど、ナメてはいけません。

落書き手描き感をめちゃくちゃミックスしつつ生かしているところがディ○ニーやピ△サーアニメと違うんです。

そのミックス感がいい意味で微妙絶妙なおかつ「よくぞやってくれました」的完成度!

2時間、全く飽きさせません。笑わせてくれえます

5分に一回、いや、3分に一回、ぼくは笑わせられました。シナリオに完全脱帽です。



『ミッチェル家とマシンの反乱』何がすごい?

『ミッチェル家とマシンの反乱』の何がすごいのか?

それは、どこの家族にもある(と思う)ごくごく普通の「アルアル」エピソードをきちんと押さえて、ドラマのギアにしてる凄さです。

そのギアが笑いと噛み合って、結果ペーソスまでも生み出しています。

そしてAI反乱シーンでは、アクションとバイオレンス(!)まできっちり詰め込んでいる。

そう、『ミッチェル家とマシンの反乱』は「笑いとペーソス、アクションとバイオレンス」という映画を引っ張るエッセンスをまるでフルコースのように仕込んだ作品なのです。



『ミッチェル家とマシンの反乱』と井上ひさし

『ミッチェル家とマシンの反乱』を見終わってさまざまな思いが駆け巡りました。その中にふっと思い出した「ある言葉」がありました。

その言葉を語ったのは、大御所作家の故・井上ひさし

井上ひさしが「小説や戯曲を書くときに心に留めていた言葉」を思い出していたのです。それはこんな言葉たちです。

『むずかしいことをやさしく、

やさしいことをふかく、

ふかいことをゆかいに、

ゆかいなことをまじめに書くこと』

 

『まじめなことをだらしなく、

だらしないことをまっすぐに、

まっすぐなことをひかえめに、

ひかえめなことをわくわくと、

わくわくすることをさりげなく、

さりげないことをはっきりと』

 

井上ひさし

そう、『ミッチェル家とマシンの反乱』の監督や脚本家は、もしやもしや、井上ひさしから教えを請うたのではないか?と思えるほど、井上名言に徹した映画になっていたのです。



『ミッチェル家とマシンの反乱』の2時間は長い?短い?

AIの暴走と反乱というテーマは今どきよくあるテーマですね。

ですが、『ミッチェル家とマシンの反乱』はシリアスに表現してしまいそうなそんな題材を、『むずかしいことをやさしく、やさしいことをふかく、ふかいことをゆかいに、ゆかいなことをまじめに』表現しています。

だから、2時間はあっという間

オープニングから数分おきにやってくる笑いの連続の果てには涙まで用意されて、それでもラストはハッピーなスマイルで締めくくってくれます。

井上ひさしがもし生きていて『ミッチェル家とマシンの反乱』を観たならば、ニコニコしながら「そうそう、よく脚本を練りましたね」と褒めたのではないか…と、ぼくは勝手に思っています。



『ミッチェル家とマシンの反乱』あらすじは?

あらすじは『ミッチェル家とマシンの反乱』公式サイトからまんま転載しますね。

ミッチェル一家は近所でも有名な変わり者のファミリー。

大自然と家族への愛に溢れるちょっぴり古風な父リック、家族の為ならばすべてを投げ出す母リンダ、映画オタクの娘ケイティと恐竜好きな弟のアーロン。

カリフォルニアの映画学校に合格が決まったケイティを大学まで車で送り届ける家族ドライブ旅行中に、ロボットの反乱に巻き込まれたミッチェル家。

変わり者ぞろいの一家は、力を合わせて人類の危機から世界を救うことができるか!?

 




『ミッチェル家とマシンの反乱』のネタバレクライマックスは?

閲覧注意。ここから先は、観たい方はスルーしてくださいね。

後半、ロボットの本拠地に侵入し、キルデータをインプットしようとミッチェル家が激闘します。

そのクライマックスはスターウォーズやターミネーター、グーニーズリスペクトから、日本のアニメ映画へのリスペクトまで、これでもかと言わんばかりにぎゅうぎゅうに詰め込んでます。

しかしですよ、前にも書きましたけど、パロディと感じさせずリスペクトと思わせる匙加減。それがまた職人芸で素敵なのです。

ロボットの親玉が実は旧式スマホaiであることがわかりますが、その「息の根」の止め方が拍手喝采です。(なんぼネタバレでもこれは書いたらあかんやろ汗)

井上ひさしも、もし天国でネットフリックスが見れるならば、ハナマル拍手を送っているに違いありません。




『ミッチェル家とマシンの反乱』最後の写真のメッセージと評価

『ミッチェル家とマシンの反乱』をラストまで観終えて、こう思いました。

『ミッチェル家とマシンの反乱』はいくつもの家族の肖像画だよなあ。それも特別な家族じゃなく、ごくごく普通の、いや、問題いっぱい抱えてるけど、すれ違いながらそれでもみんな一生懸命生きている、どこにでもある家族の肖像だよ。。。

最後、クレジットされる写真がふるっているます。それはエンドロールにインサートする制作スタッフの「家族の写真」です。

映画はエンドロールももちろん作品の一部です。『ミッチェル家とマシンの反乱』は見事に最後まで家族の肖像を見せて幕を引くのです。

最後にエンドロールも終わって、ぼくはこう思いました。

 

観終わったら家族に優しく声をかけたくなる映画。

 

遠くに家族が離れて暮らしていたら、メッセを入れたくなる映画。

 

それが『ミッチェル家とマシンの反乱』。

 

1000の4人家族が見たならば、それぞれ4000の笑いと涙を届けるムービー。

 

それが『ミッチェル家とマシンの反乱』。

 

いい映画に出会えました。「ムービーダイアリーズ」映画の殿堂入り♩決定す。



『ミッチェル家とマシンの反乱』スタッフ・キャスト(吹き替えも)

スタッフ・声優・吹き替え紹介です

監督/マイク・リアンダ

声優/主人公ケイティ:アビ・ヤコブソン(花藤 蓮) 父リック:ダニー・マクブライト(川平 慈英) 母リンダ:マーヤ・ルドルフ(喜代原 まり) 弟アーロン:マイク・リアンダ(新 祐樹)ITのCEOマーク:エリック・アンドレ(江頭 宏哉)PAL:オリヴィア・コールマン(山口 協佳)



『ミッチェル家とマシンの反乱』配信先

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