映画『罪人たち』ネタバレあらすじ感想評価|ブルーズ満載バンパイアムービーに見た新しい血潮

スリラー・ミステリ・アクション

『罪人たち』
ネタバレあらすじ感想評価レビュー

このレビュー記事にはネタバレが含まれます。映画をご覧になる方は、必ず鑑賞後にお読みください。また感想評価はあくまで一個人の印象です。その点をご留意の上お読みください。
こんにちは!映画好き絵描きのタクです。
今回レビューで取り上げる映画は『罪人たち』。2025年公開のアメリカ映画です。



原題は『SINNERS』。翻訳してもズバリ「罪人たち』です。監督は、ライアン・クーグラー。主役の双子の兄弟をマイケル・B・ジョーダンが一人二役で演じ分けています。
映画の舞台は1930年代のアメリカ・ミシシッピの片田舎に現れた一夜限りの黒人専用ダンスホール。キャッチコピーは【悪と踊り狂え】。
白人社会の黒人コミュニティへの差別、そしてブルースミュージック×バンパイアホラーがミックスされた音楽と血の饗宴ムービーです。
これだけミックススパイスが効いた映画って、どんなものだろう??と、観てみました。では『罪人たち』をレビューしてみます。

『罪人たち』予告編

『罪人たち』スタッフ・キャスト

監督/ライアン・クーグラー(『ブラックパンサー』)
音楽/ルドウィグ・ゴランソン (『ブラックパンサー』)

キャスト(役名:俳優名:役柄)
スモーク&スタック:マイケル・B・ジョーダン(主人公の双子)
サミー:マイルズ・ケイトン(ブルーズギタリスト)
デルタ:デルロイ・リンドー(老ブルーズマン)
パーライン:ジェイミー・ローソン(サミーと恋に落ちる)
レミック:ジャック・オコンネル(白人バンパイア)


『罪人たち』あらすじは?〜ネタバレ注意!

あらすじはネタバレを含みますので、映画をご覧になる方はスルーしてください。

舞台は1930年代のアメリカ南部。

一人のボロボロになった若い黒人が、顔に大きな傷を受け、壊れたギターのネックを握ったまま教会を訪れる。

中には黒人たちがミサの最中だ。牧師は若い黒人の父親のようだ。男のひどい姿に憐れみの声をかける。

場面は変わって、一日前に。

ミシシッピの田舎町に、双子の兄弟=スモークとスタック(マイケル・B・ジョーダン 一人二役)が、シカゴから故郷へと舞い戻る。

スモークとスタックは、使われなくなった製材所を買い取る。売り手は怪しげな白人だ。

二人はブルーズギターのプロを目指す若者サミー、そして同じくブルーズの名手・デルタを誘い入れ、こっそりと一夜だけ、黒人には禁じらているダンスホールを開く。

旧知の友人たちをホールスタッフに誘い入れ、振る舞う料理と禁じられている酒も手配、準備は整った。

店に入れるのは黒人だけとの噂を聞きつけ三々五々集まってくる黒人たち。酒とブルーズで人々は熱狂。

そんな熱狂に引き寄せられるように、ダンスホールにアイルランド系の三人の白人男女がギターやバイオリンを手に現れる。「自分たちも音楽を愛するものだから仲間に入れてくれ」と物腰柔らかな三人のアイルランド移民たちは、実はバンパイア=吸血鬼だった。

音楽に満たされるダンスホールの外、暗闇で一人、また一人とアイリッシュ系バンパイアの餌食となる黒人たち。

ついにはバンパイア集団にダンスホールは包囲され、スタックまでも、かつての恋人マリーの牙にかかり、バンパイアとなってしまう。

狂乱のダンスホールは一転、血と銃声に満たされる。はたしてスモークとサミー、デルタらは脱出することができるのか…??

…というあらすじです。


『罪人たち』あらすじ結末まで〜ネタバレ閲覧注意!

以下は完全ネタバレですのでご注意ください。

+ + +

ダンスホールに次々と乗り込んでくるバンパイアたち。黒人たちは一人また一人と餌食になり、バンパイアと化してゆく。

ついにはデルタもサミーたちを逃すため、命を落とす。

外に飛び出たサミー、そして彼を執拗に追うバンパイアのボス、レミック。

ダンスホールの前の沼地でレミックはサミーの爪で顔を引き裂かれるが、サミーは手にしていた愛用のスチールギターでレミックを殴り倒す。

レミックの頭にスチール部分がめりこむがレミックは不死身だ。最後の一撃をサミーに加えようとしたその瞬間に、朝日が大地から顔をだす。

太陽光線に轟然と燃え上がるレミックやバンパイアたち。燃え尽きた後には灰すらも残らなかった。

朝、生き残ったスモークは、ダンスホールの前庭で、黒人を殺そうと車で乗りつけたKKK(カー・クラックス・クラン)の白人たちを待ち伏せし、サブマシンガンと機関銃で迎え撃つ。

待ち伏せは成功し、KKKの白人たちは皆、スモークの銃弾に倒れる。しかし、スモークも銃弾を受け、地面に座し我が子の幻に遊ぶ。

場面変わって、ドラマ冒頭の教会シーンにつながり、エンドロール….。

エンドロール半ばに、現代のライブハウスに老いたブルーズマンがひとり座っているシーンが挟まれる。

老ブルーズマン顔には大きな傷跡があり、サミーであることがわかる。

そこに二人の訪問者が現れる。

その二人は、バンパイアとなり永遠の命を得たスタックとメアリーだった。

二人はサミーに永遠の命をギフトしようと話しかけるが、老サミーは断り、二人は去る。

場面変わって、若いサミーがギターを奏で、幕となります。


『罪人たち』感想〜一部ネタバレあり

感想は一部ネタバレを含みます。その点をご理解の上お読みください。

カメレオンのような映画

今までみたことのないものや価値観に触れた時、多分人は誰でも一瞬、戸惑います。そしてじわっと興奮や感動へと昇華するんだと思います。

『罪人たち』をみた時の感想は、まさにそれでした。

映画では最初に黒人と白人のコミュニティの反発が描かれます。その後、ブルーズハープの音色やギターの音色に音楽映画を見たときの感動が加わり、かと思いきや、中盤からは血飛沫が飛ぶスプラッターホラーへと爆進。エンタメ的快感に包まれて、クライマックスへとなだれ込みます。

とにかく変幻自在という言葉が似合うような映画の作りです。

絵でも、新しいアート表現に触れたとき、どう表現していいのかわからないけど、響く作品ってありますよね。それが『罪人たち』の第一印象でした。まるでカメレオンのような映画です。

もちろんそれは意図して書かれた脚本と演出でしょう。「オレの演出意図について来れるか??」と試されているような気分にさえなりました。それほどまでに目まぐるしく物語は前に進みます。

前段で「カメレオン」と書きました。

カメレオン的な展開は、「変幻自在でなければ這い上がることができない黒人社会」を暗に演出にも取り入れて示しているような気もします。…それは深読みしすぎかもしれませんが、、、。


黒人コミュニティのリアル

映画の前半では映画の舞台装置となるダンスホールを準備するくだりですが、スモークとスタックを核に、1930年代当時の黒人コミュニティのリアルが描かれます。

「アル・カポネ」と「シカゴ」いう非合法の代名詞のようなキーワードをセリフで言わせることで、映画の舞台がカポネの時代、すなわち禁酒法時代ということがわかりますし、スモークとスタックがそんな非合法ビジネスで生き残ってきたんだと匂わせます。この辺り、ニクいなあ、と思います。

また黒人たちへの差別も鉄道駅のトイレの「白人専用」というテロップで、ナルホド、そういう時代が舞台で、黒人のドラマなんだ、、、とわかります。これもまたわかりやすくうまい解説シーンです。

でもですよ、この映画のキャッチは”吸血鬼サバイバルホラー”なのですよ。

僕は大雑把なストーリーだけを掴んでネットネタバレ評価をあえて見ずに観たのですが「社会派的スタートが、どこでどうバンパイアホラーに変わるんかいな?」と思って見ていました。

いやはや、その”変わり目”も今まで見たことなかったほど唐突だったので、思わず一歩引いてしまいました。

しかし、その”唐突な変わり目”は、後半のブラックミュージックの表現シーンが突き抜けすぎているので、勢いが凄すぎるので消し飛んでしまいました。

ネタバレになりますが、白人バンパイアがアイリッシュダンスのステップを踏み始めるくだりでは「なんでもありだわ!」とハラが座った、そんな感じでした。


ダンスホールはブラックホールだった

ネタバレいきます。ホラーの話は脇に置いといて、ダンスホールシーンの突き抜け方、すごいです。

何がすごいの?って、黒人たちが踊りブルースにシェイクされているダンスホール、その熱量のすごさ表現です。

「ブラックミュージックは魂の音楽であり、過去から未来へと突き抜けているのだよ」ということを『罪人たち』では映像で表現しているんですが、いやはや、参りました。

で、どんなところに参ったのか?…ですよね!

だって、1930年代のダンスホールに、次々と”今のラッパー”や多分”今の先端を突っ走っている黒人ダンサー”まで登場してくるんですから。

まるでダンスホールがブラックホールになり、その穴に現在過去未来の黒人音楽の担い手たちが、時空を超えて呼び込まれたかのようです。

「こんな演出、今まで観たことないよ」と、ぼくは、脱帽でした。


どこまでもブルーズ讃歌

と、なんだか映画知ったかぶりのように書きましたが、このカメレオンもどきの『罪人たち』の描きたいことは、魂×ブルーズと吸血鬼×スプラッターホラーへの徹底的な賛辞でしょう。

劇中のブルーズ音楽にはゾクゾクさせられましたし、ひとりのバンパイヤがアイリッシュミージックに合わせてアイリッシュダンスを披露するシーンも笑えるほどステキです。

襲われる黒人たちも襲う敵側の白人たちも、ともに「命の音楽」で共演=饗宴しているということでしょうか。

それともアイリッシュもブラックも、ともに抑圧された歴史を持つ….ということの「ひっくり返し表現」でしょうか。

とにかく、今まで観たことのない刺激たっぷりの映画を、フロシキ広げて「さあ、どうだ?」…と観せられたような気持ちで観終えました。映画のキャッチコピーの【悪と踊り狂え】の6文字が、ズバリと本筋を突いてると思いました。

あ、そうそう、エンドクレジットが流れても席立ってはNGですよ。

だって、とてもイケてるシーンが、最後の最後まで隠されていますから…。

ココまでできるか?一人二役!

主人公の双子、スモークとスタックを一人二役で演じているのはマイケル・B・ジョーダンです。

恥ずかしながら、映画もエンドロールのキャストクレジットが流れるまで気がつきませんでした。当たり前に別の俳優が演じていたと思っていました。

もちろんVFXのなぜる技なんでしょうけど、マイケル・B・ジョーダンの双子演じ分け、みものです。

恥ずかしながら、ぼくは黒人を遠目に見ると皆同じ顔に見えてしまう…んです。そんな情けない認識力のなさも一人二役がわからなかった理由かも。


『罪人たち』評価

バンパイアものといっても、そんなにスプラッターシーンはグロく感じませんでした。気品あるホラーと言ったらいいのかな、、、結構穴開けられた首筋なんてリアルっぽいんですけど、一線を超えていないんです。ぼくはそんなにグロに感じなかったです。

評価、星4つ⭐️⭐️⭐️⭐️です。

ブルーズが好きな方にはもちろんのこと、”定番ストーリーはもう飽きたよ。映画に新しい風を見たい!”という方にオススメです。

王道バンパイアホラーや、正統派?スプラッタームービーを求めている方には、あれれっ???となったり、物足りなく感じる…かもしれません。

ステキな映画をありがとうございました。


『罪人たち』配信・レンタル先は?

以下のサービスで配信・レンタルされています。( 年 月 日現在情報です。配信が終わっておいる場合もありますので、ご確認ください)

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