今回「ムービーダイアリーズ」で取り上げる映画は、スリラー映画『FALL-フォール』です。(2023年公開・アメリカ映画)
600メートルの細い細いテレビ塔。すでにサビ付き、階段も崩壊寸前。そんなテレビ塔に二人の女性クライマーが過去を清算するために登り始めます。
しかし、戻ろうとしたその時に階段は崩落。二人は鉄塔の上に取り残される…
スマホは圏外、助けを呼ぶ手も皆無。そんなサバイバルスリラーレビューです。
『FALL-フォール』解説
『FALL-フォール』解説〜Wikipediaより転載します
『FALL/フォール』(原題:Fall)は、2022年のアメリカ合衆国のスリラー映画。監督はスコット・マン(英語版)、出演はグレイス・キャロライン・カリーとヴァージニア・ガードナーなど。
地上から610メートル強もの高さにある、老朽化したTV電波塔の頂上に取り残された若い女性2人のサバイバルを描いている。
『FALL-フォール』予告編
『FALL-フォール』あらすじ
あらすじはこうです。
主人公のベッキーは趣味のロッククライミング中に、夫を落下事故で失う。
失意のどん底で荒れるベッキーを、クライマーの友人ハンターが、「再起のため」と、古い600メートルのテレビ塔へのクライムを誘う。
鉄塔へ登り詰めた二人だったが朽ちかけていたハシゴは崩れ落ち、二人は鉄塔頂上に取り残されてしまう。
スマホの電波も届かない中、彼女たちは知恵と体力の限り、生還への方法を探し、試す。
スマホを電波圏内の地上に落下させる。
ドローンに救出メモを差し込み、はるかに見えるモーテルへ飛ばす。
しかし、どれもが失敗。精神的限界に追い詰められる二人。
ベッキーは足に怪我をおい、その血を求めてハゲタカが襲い始める。
高度600メートル。
果たして残された生還への手はあるのだろうか?
…というストーリーです。
『FALL-フォール』あらすじラストまで〜ネタバレあり
あらすじラストまで〜ネタバレです。閲覧注意です。
ハンターは実はアンテナ上に落下し死んでいた。
それまでハンターと共に生き残ろうとしていた状況は、ベッキーの幻覚だったのだ。
しかしベッキーは諦めない。
スマホにメッセージを託し、ハンターの遺体に挿し入れ、地面へと落下させる。
ラスト、ベッキーの助けを請うメール文が父親に伝わり、父親はテレビ塔へと車を走らせる。
テレビ塔の基部に騒がしく明滅するパトカーのサイレンライト。
ベッキーは無事、生還する。
『FALL-フォール』感想〜なんで口コミ高評価なの???
正直に言います。なんともはや、実にいやらしい映画を見た、という感じでした。
ぼく自身、高いところが苦手だということもあるけれど、神経を逆撫でする感覚が延々と続きます。
ちなみにぼくはホラー映画やスリラー系が決して嫌いではありません。いや、好きと言ってもいいです。
「時々ハラハラ、ところによってドッキリ!」がホラー・スリラー映画のキモだけれど、『FALL-フォール』の神経逆撫で感は、今までのそれとは違っていました。
ぼくが感じたのは、本能の奥深くを延々と弄られるような不快感でした。
ツッコミどころもいくつかある上に、シナリオのセリフ自体、陳腐で逆撫でをさらに増幅、いただけない。
結果、見終わった時の感想は、「めちゃくちゃ悪趣味な映画だったなあ」。
色んなドッキリ映画があるけれど、なんというのかな、「一線」ってあると思うのです。
ぼくの「一線」を悪い意味で破った映画でした。(他の人の「一線」がどこにあるかわからないので、皆がそうだとは言えないけど)
『FALL-フォール』メイキングはどこでみれる?
そんな厳しいこと言いつつ、しかし『FALL-フォール』をみていて、ず〜〜っとぼくが思ったのは『どうやって撮ったんだろう?』でした。
「実際に600メートルの鉄塔上でロケしたわけじゃあ、ないだろうな。多分、最上部のセットを作ってグリーンバックでCG合成かな?」
なんて思いながら観終わって、調べてみるとやっぱりそう、、、なんですが、実際にかなりの高さの崖の上に30メートルの鉄塔セットを作り建てて撮影したとのこと。
羽アリの大群の襲撃(!)にあったり、砂まみれだったりで大変だったそうです。
メイキング映像は販売中のブルーレイ、DVDに収められているようです。
『FALL-フォール』ぼくの評価は…
まあ、この手の映画は刺激が左右するし、好き嫌いが分かれるから、ネットで高評価というのもわからないでもないです。
でも、はっきり言います。ぼくは嫌いだ。
「おすすめですか?」「評価は?」と言われたら、答えに詰まる残念ムービーです。
クライマックス〜ラストの「人生は短いから一瞬一瞬を生きろ」という唐突に説教臭いセリフには、思わず席を立とうかと思ったほどでした。
今回のレビューはこれにて幕です。
コメント
わたしは劇場でこの作品を観ました。
ずっと椅子に身体を押し付けような、たまひゅん作品でした。
でも内容はすっかり忘れました(笑)
高所恐怖症ならずとも、ヒヤヒヤ連続ですね。どうもぼくはそれが脳幹を悪く刺激されたようです。弄ばれた感が強かった映画でした。