Netflixアニメ『スクルージ・クリスマスキャロル』レビュー
〜CGの歌と踊りで蘇るディケンズの名作〜

こんにちは、映画好き絵描きのタクです。今回レビューで取り上げる映画は『スクルージ：クリスマスキャロル』。Netflix制作のアニメミュージカルです。（2022年・アメリカ映画）

クリスマスオススメの映画は何？という質問をもらった時、パッと浮かぶ映画が数本あります。

・『ダイハード』。アクションの大傑作ですが、クリスマスの日が舞台なんですよね。

・『素晴らしき哉、人生』。古典ですけど、しみじみとヨイです。

・そして、『クリスマスキャロル』です。

この『クリスマスキャロル』は、実は数本あり、どれをとっても名作なんです。が、今回は、2022年と最も最近作られたNetflixアニメの『スクルージ：クリスマスキャロル』取り上げてみます。（別記事でクリスマスキャロルの比較レビューもしておりますので、よかったらご覧ください。）

小さなお子様がいる過程で、子供たちとワイワイ楽しみながら観られるクリスマスキャロルだと思います。

Netflix『スクルージ：クリスマスキャロル』どんな映画？

文豪ディケンズの名作『クリスマスキャロル』を全編CGアニメーションで制作した映画がネットフリックス版『スクルージ：クリスマスキャロル』です。

過去のクリスマスキャロル映画のストーリーを練り直し、1970年版のミュージカルエッ『クリスマスキャロル』をも受け継ぎ、今のファミリー層を意識したCGアニメといって良いでしょう。

Netflix『スクルージ：クリスマスキャロル』あらすじは？

簡単にあらすじを紹介しておきましょう。

19世紀のロンドン。クリスマス前夜。

主人公のエブニザー・スクルージは強欲な金貸しです。

クリスマス前夜といえ、借金の取り立てには情け容赦しません。

スクルージが家に帰ると、数年前に死んだ共同経営者マーレイの亡霊が現れます。

マーレイは地獄で強欲だった生前の償いをしていることをスクルージに明かし、午前1時と2時、そして3時に、別々のクリスマスの幽霊がスクルージも前に現れることを伝えます。

午前1時に現れたのは、過去のクリスマスの幽霊です。その幽霊はスクルージに彼の子供時代を見せます。

午前2時に現れたのは現在のクリスマスの幽霊。その幽霊がみせる今にスクルージは少しずつ強欲への後悔の念を抱き始めます。

午前3時に現れたのは、未来のクリスマスの幽霊。その幽霊はスクルージにやがて訪れる未来を見せますが、、、

….というあらすじです。

Netflix『スクルージ：クリスマスキャロル』見どころは？

絢爛豪華なミュージカル♩

最新のCGアニメの最先端をミュージカルと組み合わせたCGクリスマスキャロルワールドが広がります。

オープニング冒頭、冬のロンドンを空から見下ろし、登場人物が歌い踊るシーンからスタートするくだりにはグイグイ引きつけられます。

CGの色合いもあって、全編通して華やかな色合いが印象的です。

イマ風テンポと過去リスペクト♩

あらすじ自体はディケンズの原作をうまくアレンジし、過去の『クリスマスキャロルムービー』を観てきた方にも納得のストーリーではないでしょうか。現代的なテンポ＆デフォルメ演出が効いています。

歌とダンスのミュージカルシーンからは、1970年版のミュージカル版『クリスマスキャロル』へのリスペクトも感じられます。

要は、過去のクリスマスキャロル映画の”いいところ”を、上手に取り入れています。

Netflix『スクルージ：クリスマスキャロル』ぼくの感想です

期待と不安で見始めた冒頭は？

ぼくは、過去の『クリスマスキャロル映画』も何本か観ています。なので、期待とちょっぴり不安も入り混じっての鑑賞スタートとなりました。

率直にいうならばNetflixアニメの『スクルージ：クリスマスキャロル』、全編通して、新しいクリスマスキャロル体験ができたなあ…と嬉しい感想で観終わりました。

絵作り、ビジュアルは彩り華やか、絢爛豪華。

現代的テンポとポップなCG表現

内容は、1938年版のクラシックな救済の余韻、1970年アルバート・フィニー版ミュージカルの情感や祝祭性、そこに現代的テンポとポップなCG表現を重ねていて、かなり意識的に“歴代スクルージの良いとこ取り”をしているように感じます。もちろんいい意味で。

ファミリー向けとして、とてもよく出来ていると思います。

なぜよくできていると感じたか？

それは、
・怖すぎない
・テンポがいい
・歌で観る側の感情が整理される
・ラストが希望で閉じる
からです。

初めてクリスマスキャロルに触れる子どもには、とてもオススメな一本だと思います。

引っかかったスクルージ像

ですが、一方で、主役のスクルージが最初から「イヤなヤツだけど実はイイ人」に見えてしまうところが、ぼくは引っかかりました。

だって、本来スクルージって、

• ほぼ救いようがない性格

• 金と孤独に完全に閉じこもった存在

• 「変わる」こと自体が奇跡

というポイントが必須なんだと思います。

過去の『クリスマスキャロル映画』1938年版も、1970年版も、1980年版も前半のスクルージは、正直かなり不快です（笑）

だからこそ、クライマックスのスクルージの改心が「魂の再生」として響くんだと思います。

家族向け最適化したクリスマスキャロル

Netflix版はそのスクルージの持つ闇の深さを、最初から少し浅くしているんですね。
これは完全に「低年齢の子どもがいる家族向け最適化」に舵を切った、製作陣の判断でしょう。

しかし、低年齢層を意識した”解説的なわかりやすさ”を優先させたセリフも多く、そこはオトナ＝親御さん＝にとっては好き嫌いが別れるところかもしれません。

ポップなミュージカル体験と”わかりやすさ”から、小さなお子さまと楽しんで観るのにオススメの映画かと思います。

Netflix『スクルージ：クリスマスキャロル』ぼくの評価は？

色々書いてきましたが、ぼくはとても楽しく観ることができました。

ぼくの評価は、クリスマスプレゼントの”星”も含めて星四つ⭐️⭐️⭐️⭐️です。

ファミリーのために作られたこの映画でぜひクリスマスを祝ってくださいね ！

配信先は？

配信先はもちろんNetflixです。